齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

10月のことば 「魚行水濁(うおゆけばみずにごる)」

2014年10月16日 | 今月の言葉
気がつけば10月も半ば。
後半は穏やかなお天気だといいですよね。

さて、またしても遅くなってしまいましたが、今月の言葉です。

「魚行水濁(うおゆけばみずにごる)」

この句の続きに鳥飛毛落(とりとべばけおつ)とあります。

魚が泳いでいく 水底の砂や泥が動いて水が濁る
鳥が飛び立つ そこには羽が落ちている

動きの後にはその痕跡(こんせき)が残ります。

言葉もそう。
聞く側に反応を残します。

今日までの私の人生 良いこと、悪いこと、悲喜こもごもあっての今日の私。
そして、今日の私が連続して明日の私へとつながる。

悔いのない人生などありえないのですが、
でもできれば恥じ入る痕跡は誰しも残したくないものです。

しかし、過去の痕跡は消し去ることはできません。

確(しっか)り見つめ、出来る限り、今の一瞬、一瞬、外連味(けれんみ)なく、淡々、粛々と本来の在り様(ありざま)であるように務めて過ごしたいものです。


お知らせ
十月十九日 齢仙寺 達磨忌