齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

2月のことば「木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)」

2014年02月02日 | 今月の言葉
ほんとに早いものでもう2月です。明日は節分、明後日は立春。
まだまだだと思っていたソチオリンピックももう、すぐです。
後悔しないように毎日をすごしていきましょう。

さて今月のことばです。

今月のことばは、

「木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)」

昔、中国に闘鶏を育てる名人がいたそうです。そこで王は、自分の鶏を預け調教を依頼しました。

王は早く試合に出したいので調教の様子を尋ねますが、

その度に名人は

「虚勢をはる」
「他の鶏を見て興奮する」
「気負いが大きい」

などと言って、

「まだまだだ」

と答えます。
結果、やっと献上された鶏は

「無為自然であって他の鶏の声を聞いても平気でおれる、木で作った鶏(木鶏)のようであった」

といいます。

つまり、強そうに見えているうちはまだまだ本物でなく、どーんと構えて無為自然であれば相手の敵対心は無くなり、戦わずして勝てる。
これこそが本当の強さだということなのです。

「子夜(しや)」とは、子の刻、つまり夜中の十二時のこと。

普通の鶏は明け方に鳴きますが、この鶏は人知れず夜中に鳴く。
人にわからない所で、努力をして働いている。

人間もしかり。
肩書きや見かけ、言動で相手に優位性を保とうとしているうちはまだまだであり、見えぬところで黙々と精進、努力、研鑽を重ね、相手にどう見られようが無為無作で泰然自若としているのが本当に強い人間だということを示しています。

二月は旧正月。春を迎え、この年は「木鶏」を目指したいものです。

お知らせ
二月十五日 涅槃会

甲午如月


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