齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

時不待人(とき ひとを またず)

2018年03月01日 | 今月の言葉
ご来訪ありがとうございます。

早いものでもぅ三月の声を聞くことになりました。

先日 歳が改まったと思っておりましたが。


良く言ったものですね。

「一月往(い)ぬる 二月逃(に)げる 三月去(さ)る」。

「一月は行(い)く 二月は逃(に)げる 三月は去(さ)る」

この言葉を思い出し

今月は「時不待人」を取り上げてみました。

ご高覧頂ければ幸いです。



 
今月の言葉

時不待人(時 人を 待たず)


私たちは「時計」を使って

日常生活を送っている。

だから、文字盤の上を回転する針の動きが

どうしても意識に残ってしまうからか、

ともすれば

「時」は繰り返されず川の流れのように

過ぎ去っていくものである

という認識に欠けるきらいがある。

だから、今日元気なら明日も元気と思い込む。


しかし、例え一時間前と今の自分でも

生理学的に見ると異なる。

単純計算であるが人の細胞六十兆個は

一時間で四百十七億弱個が入れ替わると言われ、

肌の細胞は加齢とともに更新周期が延び

生涯更新されない心筋細胞などは劣化していくといわれる。

その所以(ゆえん)でもって

「今が一番若くて新鮮」と言われる。


また、一般的に慣性系が同じならば

「時」は老若男女、貧富、名声や地位に関係なく流れ、

人によって配慮がなされるものではない。



よって「今、ここ」を大切にして精進せよとこの語は示す。



恥を忍んで云うと「そのうちに練習して・・・」

「そのうちに勉強して・・・」云々は

小衲の場合は成果の出たためしがない。



恥ずかしながら本当の「懈怠(けたい)の比丘」である

小衲にとってはこの言葉に出会うと冷や汗が出る。


お知らせ
三月十一日 午後一時 大般若祈祷会

      了後 法話会
      本山布教師 福山市 弘宗寺
               水野 宏泰師

 
三月二十一日 午前九時 春彼岸会

 
平成三十戊戌弥生



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