齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

稽古照今(けいこ しょうこん)

2018年04月01日 | 今月の言葉
ご来訪ありがとうございます。
あっという間に桜花爛漫。
すっかり春になりました。

朝夕の気温の変化が激しい今日この頃、
お風邪など召されませんよう
ご自愛ください。

今月の言葉は「稽古照今」です。

古(いにしえ)を学び、
よりブレない明日への
キーワード!?

ご覧頂ければ幸いです。




今月の言葉
稽古照今(けいこ しょうこん)


日本最古の歴史書「古事記」の序文に

この言葉がある。

「稽」は「考える」と読む。

つまり、この句は

「古(いにしえ)を稽(かんが)えて、

今に照らす。」と訓(よ)む。

すなわち、

「古(いにしえ)の考え、教えを

今の自分に照らして生かす。」

という意味である。


千利休の「利休百首」に

「稽古とは 一より習い十を知り

十よりかへる もとのその一」とある。

まさにより深い境地への点検のプロセスである。


神学者二―バーの「祈り」に云う、

「変えることのできるものについて、

それを変えるだけの勇気」、

「変えることのできないものについては、

それを受けいれるだけの冷静さ」、

「変えることのできるものと、

変えることのできないものとを識別する叡智」を

今日的に得るためにも

「稽古照今」は不可欠ではなかろうか。


目まぐるしくうつろう日々の中で

自己の在り方を自省するとき、

この語を想起するのは小衲だけであろうか。


平成三十戊戌卯月



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。