齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

11月のことば 「閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)」

2015年11月01日 | 今月の言葉
すっかり寒くなりました

今年もあと2か月
毎日大切にいきましょう

さて、今月の言葉です。

今月のことばは、

「閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)」

「閑」は「ヒマ」とも読みますがここでは「しずか」と読みます。
即ち、「閑坐」は「心落ち着け、静かに坐ること」です。

「松風」は松林を通り抜ける風ですが、その音をこの句では
「聞く」でなく「聴く」と表しています。

茶席にはよくこの軸物が掛かります。

釜の湯のたぎる音を「松風」と呼ぶことからこの語句が好まれるのでありましょう

十一月は晩秋から初冬にあたります

日も随分短くなり、居所の廊下にも落ち葉が舞い込んできます

生活では「暖」を求める日々となります

今日の忙しい日々のなか、このような身の回りの自然の移ろいを

「直(じか)に、じっくり」受け止めている方はどれくらい居られるでしょうか

人間も自然界の一部です

一度それこそ「ヒマ」を作って、天地宇宙の中の自分をじっくり体感すること

まさに、「尽大地是薬」(じんだいち これ くすりなり)なのです

お知らせ

十一月二十三日 午前十時
 先住東慶和尚 小祥忌(壱周忌)

平成二十七乙未 霜月


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