齢仙寺雑記帳

滋賀県にある臨済宗妙心寺派のお寺、齢仙寺の日々のお話

1月のことば 「百雑砕(ひゃくざっさい)」

2016年01月11日 | 今月の言葉
新しい年がはじまってから少したちましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

やはり1月はスタートの月、いまいちど自分を見つめ直したいもの、

というわけで、今月のことばは、

「百雑砕(ひゃくざっさい)」

「百」は百科事典の「百」と同じで数・量・種類の多い様をいいます。

百雑砕(ひゃくざっさい)とは

いろんなもの、すべてのものを

「木っ端微塵に打ち砕け」

と喝破する言葉なのです。

打ち砕くのは心の中にある全てのモノ。

心の三毒(貪欲(どんよく)、瞋恚(しんに)、愚痴(ぐち))、
人間の五欲(食欲、睡眠欲、性欲、財欲、名誉欲)、
毀誉褒貶から生じる心象、優越感、劣等感、不安、自信、美醜、善悪、

これらを全てぶち壊して「こっぱみじん」にしてしまえ

という意味なのです。

このようなものがあるから、心は囚われ、執着が起き、一喜一憂しながら次の深みに落ち込んでしまう。
そのようなものは毒にこそなれ薬にはならない。

すべてを取っ払って、右往左往しない「こだわりのない自己」をシッカリ自覚せよという言葉です。

複雑化する今日(こんにち)だからこそシンプル且つ柔軟心が大切でしょう。

一年をスタートするにあたり、浅深は別としても味わうべき言葉であろうと自覚します。

お知らせ

一月十七日 齢仙寺 初観音


平成二十七丙申睦月


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