今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

「しゃばけ」を読み終えて

2005年07月22日 | 映画&本&音楽&TV
体の弱い廻船問屋の若主人、一太郎が主人公の時代小説です。自前の船を持っているほどの大店で、自分は薬種問屋の方を任されているという、ちょっと羨ましい境遇。

しかし、彼には人と違ったところがあって、それは妖怪のたぐいが見えちゃうというもの。幼馴染の佐助と仁吉も人の容(かたち)をとっていますが、犬神と白沢という妖怪です。

一太郎はある夜、殺人現場を見てしまうのですが、これが物語の始まり-暗夜-
-妖(あやかし)-では、一太郎がどうやって佐助と仁吉と一緒に育つようになったのかということと、現在の3人の様子が描かれています。

そのあとは-大工--人殺し--薬種問屋--昔日--所以(ゆえん)--虚実--炎(ほむら)-と続き、体の弱い(とにかくヘロヘロ)若旦那、佐助、仁吉VS悪質な妖怪・墨壷という展開になります。また、異母兄の松太郎(今回は存在だけ)との係わりも描かれ、これ次回作のお楽しみってことかな。

全編を通して、一太郎と妖怪たちとの関係がほのぼのと描かれていて、読みやすいか読みにくいかと言われれば「読みやすい」と答えるかな。しかし、文章にまだ少しクドイ面があったりで、次の作品を読むのが待ち遠しいという感じではありません。

今日から山本周五郎の「ちいさこべ」に取りかかりました。今は「花筵」を読み始めたところ。
時間が十時とか書かれているのがちょっと引っかかるけど(時代小説ではたいてい二つとか、八つ時とか言うじゃない?)、早くも引き込まれています。