ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

南木佳士『陽子の一日』2015・文春文庫-不器用に、無骨に、ゆっくりと生きる人たちを描く

2023年10月13日 | 小説を読む

 2015年のブログです

     *

 じーじの大好きな小説家の南木佳士さんの文庫最新作『陽子の一日』(2015・文春文庫)です。

 南木さんはじーじより三つ年上で,1989年に『ダイヤモンドダスト』で芥川賞を取っていますが,じーじはその時からのファンです。

 あまり派手ではないですが,身の丈を大切にした小説家で,なんとなく人生を闘う同志という感じがします。

 この小説も,主人公の中高年の女性内科医,同期の男性内科医,若い男性内科医,その他,さまざまな人生模様が描かれます。

 いずれも不器用に,いかにも生きづらい人生を無骨に歩む姿が大変そうですが,自分を見ているようでもあり,共感させられます。

 地道に生きていこう!とあらためて考えさせられる一冊です。     (2015.7 記)

     *

 2022年春の追記です

 その後の南木さんの小説を読んでいても、不器用な主人公が多いですね。

 中には、加えて、小心者の主人公もいて、同じ小心者のじーじ(?)はすごく共感してしまいます。

 そのせいもあってか、病気になったりして、なかなか大変ですが、ヒーローの出てこない小説もなかなかいいものだなと思ったりします。     (2022.3 記)

 


コメント    この記事についてブログを書く
« 樋口有介『雨の匂い』2007・... | トップ | 村上春樹『村上春樹・雑文集... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小説を読む」カテゴリの最新記事