ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

ジェイ・ルービン『村上春樹と私-日本の文学と文化に心を奪われた理由』2016・東洋経済新報社-村上さんを翻訳する(?)

2023年10月31日 | 随筆を読む

 2019年3月のブログです 

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 ジェイ・ルービンさんの『村上春樹と私-日本の文学と文化に心を奪われた理由』(2016・東洋経済新報社)を読みました。

 ルービンさんはハーバード大学の名誉教授、村上さんの『ノルウェイの森』や『ねじまき鳥クロニクル』などの翻訳で知られます。

 そのルービンさんの、村上さんとの出会いから最近の交流までを描いたエッセイです。

 面白いです。

 いろんな村上さんらしい逸話が出てきて、飽きません。

 例えば、ルービンさんのクラスで村上さんの『パン屋再襲撃』を取り上げた際、ルービンさんが、海底火山は何の象徴か?と学生にきくと、ゲストで来ていた村上さんが、火山は象徴ではない、ただの火山だ、あなたがたはお腹がすくと火山が思い浮かびませんか?僕は浮かぶんです、空腹だったから、と述べる場面が出てきて、象徴よりも物語を大切にする村上さんを描きます。

 また、村上さんが、夏目漱石の作品の中で『坑夫』が一番好きなこと、そして、『海辺のカフカ』の中で、カフカくんが、『坑夫』は何を書いたのかわからないという部分が不思議にこころに残る、と話す場面を挙げて、村上さんがやはり物語を大切にしていることを述べられていて、そういう村上さんを信頼している姿が印象的です。

 村上さんの小説の英訳についても、細かいことよりも、英文で読んで面白いかどうかを重視するという村上さんの姿勢に、同じようなものが感じられます。

 他にも、ルービンさんの『三四郎』の翻訳にまつわる村上さんとのできことや芥川龍之介の翻訳にまつわる村上さんとのエピソードなど、興味深い逸話が紹介されています。

 村上さんのエッセイと同じくらい、村上さんの世界が楽しめるいい本だと思います。 (2019.3 記)

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 2023年秋の追記です

 ルービンさんの挙げたカフカくんの言葉が気になって、その箇所を読んでみました。

 カフカくんが大島さんという青年と『坑夫』について話していて、この小説には体験からの教訓などが書かれていないことを挙げて、この小説はいったい何を言いたいんだろうって、でもなんていうのかな、そういう、なにを言いたいのかわからない、という部分が、不思議にこころに残るんだ、うまく説明できないけど、と述べています。

 また、次のところでは、彼にとって、自分で判断したとか選択したとか、そういうことってほとんどなにもないんです、なんていうのかな、すごく受け身です、でも僕は思うんだけど、人間というのはじっさいには、そんなに簡単に自分の力でものごとを選択したりできないんじゃないかな、とも述べています。

 不思議さを大切にして、人間の力には謙虚であるという村上ワールドが全開ですね。  (2023.10 記)

 

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村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その2・インタヴューの楽しみ

2023年10月30日 | 村上春樹を読む

 2019年春のブログです

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 久しぶりに村上さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです-村上春樹インタビュー集1997-2011』(2012・文春文庫)を再読しました。

 村上さんが夏目漱石さんの『坑夫』が好きだ、というお話をどこかで読んだ気がしていて、それでじーじも60を過ぎてから『坑夫』を読んだくらいなのですが、どこで読んだのかはっきりしなかったのですが、やはり本書だったようです(先日、ご紹介をしたジェイ・ルービンさんの本でもそのようなお話が出てきます)。

 本書はインタビュー集ですが(副題が『村上春樹インタビュー集1997-2011』)、じーじは島森路子さんと古川日出男さんのインタビューが個人的には好きです。

 お二人とも、村上さんのことや村上さんの作品をよく理解されたうえで、お話をお聞きしている様子が見えて、読んでいてとても心地いいです。

 村上さんも比較的リラックスをされてお話をしている感じがします。

 いいインタビューだと思います(じーじもこういうインタビュー、面接が目標なのですが…)。

 前回も書いたように、いろいろと大切なことが述べられていますが、あまり堅苦しく考えずに、楽しみながら読むことが一番良さそうに思いました。

 大切なことは自然にこころに入ってくる感じがします。

 いつかまた読みたいと思いました。(2019.3 記)

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岸良範さん・サリンジャーさん・村上春樹さん-2018年秋の県臨床心理士会の定例研修会で学ぶ

2023年10月29日 | 心理療法に学ぶ

 2018年秋のブログです

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 昨日の日曜日に新潟大学で開催された県臨床心理士会の定例研修会に出席しました。

 土曜日から孫娘たちが遊びに来ていたのですが、たまには真面目に勉強しているじーじの姿も見せようと思い(?)、「じーじは勉強会に行ってくるね」といって、出かけました。

 孫娘たちはじーじの予想に反して、なぜか笑顔で(?)、お見送りをしてくれました。

 研修会の講師は福島学院大教授の岸良範さん。

 お名前は以前から存知あげていましたが、お話をお聞きするのは初めて、楽しみにしていました。

 テーマは、思春期・青年期と彷徨い歩く力。

 岸さんは大学の先生らしからぬ(?)ユーモアたっぷりのお話で、会場はまたたくまに岸さんのお話に引き込まれました。

 岸さんが、サリンジャーさんの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の中から、村上春樹さんの訳した、寄る辺ない「うら淋しさ」という言葉を引用して、思春期の心性を巧みに表している、とほめられ、村上フアンのじーじもおおいに頷けました。

 岸さんは昔、山王教育研究所にいらしたこともあるということで、学者さんというよりは臨床家という雰囲気が強く、とても参考になるお話をたくさんうかがうことができました。

 じーじの好きなウィニコットさんのお話も聞けて、勉強になりました。

 午後は事例検討。

 若手臨床家のケースに助言をいただきました。

 ある箇所で、岸さんが、自分なら、ここでは発言はできない、哀しみを一緒に味わうことで精一杯かもしれない、と発言をされ、その素直で率直な姿にこころをうたれました。

 ちからのある臨床家は本当に自分に正直で、クライエントさんのことを考えるのだな、と改めて感動しました。

 10時から16時半まで、久しぶりに学生用の固い椅子に座って、体も頭もクタクタになりましたが、こころはすがすがしく、充実した感じになれました。

 いい講義をしてくださった岸さん、そして、いい企画をしてくださった心理士会に感謝します。  (2018. 10 記)

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 2023年春の追記です

 このブログをどこかで目にしてくださった岸先生から、この時の講演のもとになった論文などのコピーを4本も送っていただきました(岸先生、ありがとうございました)。

 思春期の彷徨いやゆらぎなどについて、深い考察がなされていて参考になります。

 藤山直樹さんも引用されていました。

 そして、事例がすばらしいです。

 女子高校生の内界での彷徨いとそれへの岸先生のより添いが素敵です。 

 勉強になりましたし、感動しました。

 臨床は大変だけど、すごいです。  (2023.4 記)

 

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村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その1・魂からの声をきく

2023年10月29日 | 村上春樹を読む

 たぶん2015年ころのブログです

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 村上春樹さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです-村上春樹インタビュー集1997-2011』(2012・文春文庫)を再読しました。

 文庫本では2回目、単行本も含めると、たぶん3回目だと思います。

 今回も、小説の力や物語の力などについて語られているところに共感して、うなずくところが多くありました。

 表題は、村上さんにとって、小説を書くことは夢を見ることと同じで、自分の無意識からの声に耳を傾けるための作業である、という意味のようです。

 村上さんは、あらすじから小説を展開するという意識的な書き方ではなく、無意識からのメッセージを大切にして小説を書くという書き方をされているようで、ご自分でも先の展開はわからないといいます。

 いわば、生命全体からの訴えや叫びに丁寧に寄り添っているかのような印象を受けます。

 だからこそ、村上さんの小説からは、深い感動や大きな喜び、生きる勇気などが感じられるのではないでしょうか。

 また、村上さんは、物語の力についても述べられています。

 魂の力や物語の力、というと、河合隼雄さんを思い浮かべます。

 村上さんはユングさんやフロイトさんの本はあえて読まないようにしている、といいますが、河合さんに関しては、河合さんの生前に対談をされていますし、ご自身、河合先生、と本の中でも書くほど、河合さんを尊敬されており、村上さんにとってはとても大切な存在のように思われます(ちなみに、村上さんの奥さんはユングさんがお好きらしいです)。

 さらに、無意識の力といえば、じーじはフロイトさんも連想します。

 フロイトさんも無意識の力を重視していたわけですが、想像になりますが、物語の力をも大切にしていたのではないかと思います。

 自由連想や夢分析から、無意識に耳を傾け、なんらかの原因でゆがんだ物語を生きて苦しんでいる人たちに、無意識の声を大切にした力強い物語を生きていけるような手助けの方法を模索したのがフロイトだったのではないかと考えています。

 まだまだ勉強不足で、きちんとしたことが述べられず、歯がゆい思いもしますが、今後も思索を深め、力のあるカウンセラーになっていけたらと思います。(2015?記)

     

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伊坂幸太郎『サブマリン』2016・講談社-陣内くん、主任家裁調査官になる

2023年10月28日 | 小説を読む

 2017年のブログです

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 伊坂幸太郎さんの『サブマリン』(2016・講談社)を読みました。

 名作『チルドレン』に続く、家裁調査官の陣内くんと武藤くんの物語です。

 2016年3月出版の小説ですが、家裁調査官をやめてしまって情報に疎くなっていたのか、つい最近になってようやく、このすばらしい小説の存在に気がついて、読むことができました。

 おもしろかったです。

 笑ったり、泣いたりで、忙しい小説でした。

 あらすじは書きません。

 書く能力がないせいもありますが、この小説はぜひ、自分でじっくりと味わってほしいと思います。

 いろんな人物が出てきます。

 復讐に燃えていた少年、パソコンでしか世の中が見えなくなっていた少年、その家族、交通事故の加害少年だった青年、主任になったもののマイペースの陣内くん、結婚をして小さな子ども二人の父親になった武藤くん、一見冷めている女性調査官の木更津さん、さらには、盲目の永瀬さん、永瀬さんと結婚をした優子さん、などなど。

 人の憎しみと救い、助けと喜び、罪と罰、善と悪、苦しみと愛、などなど、声高ではないですが、触れられているテーマは深いです。

 家裁調査官、その組織は、じーじには少し窮屈で、在職中はやや息苦しい思いをしていましたが、しかし、この仕事はとても大変ですが、やはり素敵だと思います。

 陣内くんや武藤くんのような自由で自立した調査官が活躍できるようなおおらかな家庭裁判所であってほしいな、と外野からも応援したいなと思います。(2017 記)

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 2020年12月の追記です

 同じく家裁調査官補ちゃんの活躍を描く柚月裕子さんの『あしたの君へ』(2019・文春文庫)も面白いですよ。 (2020.12 記)

 

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松木邦裕ほか編『精神病の精神分析的アプローチ-その実際と今日的意義』2008・金剛出版

2023年10月27日 | 精神科臨床に学ぶ

 2017年のブログです

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 松木邦裕・東中園聡編『精神病の精神分析的アプローチ-その実際と今日的意義』(2008・金剛出版)を再読しました。

 この本もかなり久しぶりの再読で、しかも、最初に読んだ時にはじーじの力量がとても貧弱だった時で、あまり理解をできずに終わってしまったという記憶がありました。

 今回、精神科デイケアでのボランティアも5年目に入り、以前よりは少しだけ精神病のことや精神分析的アプローチのことが理解できるかもしれないという淡い期待を持って読みました。

 しかし、やはり精神病という病いはなかなか難しい病いで、そのアプローチも並大抵のことでは難しいということを再認識させられました。

 そんな中、本書の著者らは、本当に地道な努力と患者さんとの協同作業で、一歩一歩患者さんの治療に当たっていることが読み取れます。

 今回、改めて勉強になったことはたくさんあるのですが、たとえば、精神病状態のこころの状況(これは解体・破滅不安といわれるようですが…)の理解とか、妄想の意味やそれへの対応の方法、転移と逆転移の読み取り、不安のコンテイン、その他もろもろ、です。

 これらの考え方が、具体的な事例をもとに述べられているので、じーじのような初級者でも多少は理解ができます。

 中級者であれば、さらに深く理解できるのではないかと思われます。

 現場でいろいろ経験していることと照らし合わせると、頷けることも出てきました。

 ケースが見える人は、本当にいろいろ見えて、いろいろな対応ができるんだな、と改めて感心をしました。

 少しでもそういうレベルになりたいですし、メンバーさんと協力作業ができるようになりたいものだ、とつくづく思いました。

 年寄りだからとあきらめないで、さらに少しずつでも勉強を積み重ねていこう、と思いました。 (2017 記)

 

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立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その2・暗い時代を勁く、凛と生きる少年とその後

2023年10月27日 | 小説を読む

 2023年春のブログです

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 立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を久しぶりに読む。

 おそらく6年ぶり。

 日本が朝鮮を併合していた時代、朝鮮の臨済宗の寺で育つ日朝混血の主人公を描く。

 主人公の父親も僧侶であったが、日本人と朝鮮人のはざまで苦悩し、主人公が幼少期に自殺をする。

 主人公は、その後も寺の老師や先達に見守られて、禅の世界の中で精神的な成長をとげる、という物語である、と理解をしていた。

 今も物語の内容はそれでよいと思うのだが、今回、今ごろになって、この物語の底流に、この時代背景としての日本の朝鮮併合や軍国主義、侵略などの問題が大きく横たわっていることに気づかされた。

 小説の中で、主人公の朝鮮人の祖父は日本に協力をした地主として登場し、これが父親の自殺のもととなってしまう。

 また、当時、ベルリンオリンピックで朝鮮の選手がマラソンで優勝をするが、新聞には日の丸をつけた写真が載る。

 さらには、朝鮮から中国に出征をする兵士を朝鮮人の子どもたちが日の丸を振って見送る。

 そして、ある日、突然に、朝鮮人の子どもたちが学校で朝鮮語を話すことを禁止され、日本語が強制される。

 立原さんは声高ではないが、侵略をするものの傲慢さと侵略をされるものの苦しみ、支配するものの驕りと支配されるものの哀しみを時代背景として淡々と描く。

 しかし、今、ロシアのウクライナ侵略を目のあたりにすると、問題の根の深さに思い至る。

 よい小説はおそらくその中に多義的な意味を含んでいると思うが、村上春樹さんの小説と同じで、この小説も多義的で多層的なさまざまな意味合いを内包しているように思える。

 今頃気づくようではかなり遅いと思うが、それでも遅いなりにそういうことが見えてきたことには感謝したいと思う。

 人生を深く掘り下げた、よい小説だと思う。 (2023.5 記)

 

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エディプス・藤山直樹さん・小此木啓吾さん-2019年精神分析学会・その3

2023年10月26日 | 精神分析に学ぶ

 2019年秋のブログです

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 昨日は学会3日目、最終日。

 午後からシンポジウムがありました。

 テーマはエディプス・コンプレックス。

 フロイトさんの時からの精神分析の大事なテーマ。

 藤山直樹さんが指定討論をされるので、楽しみに参加しました。

 藤山さんが初めて精神分析学会のシンポジウムに登壇した20数年前もテーマがエディプス・コンプレックスだったそうで、その時の論文は藤山さんの『精神分析という営み』に収録されているとのこと。

 帰ったらさっそく読みなおそうと思いました(ブログもあるので、よかったら読んでみてください)。

 その時のスーパーヴァイザーとのやりとりや小此木啓吾さんとの討論を懐かしそうにお話されているのが印象的でした。

 さて、エディプス・コンプレックス。

 重要な概念で、藤山さんの説明でもそのことは伝わってくるのですが、なんせ経験不足でもどかしい感じもします。

 もっともっと、経験と勉強を深めなければと思いました。

 しかし、藤山さんの精神分析にかける熱意を感じられただけでもよかったとは思います。

 やはりすごいです。

 今回は3日間とも藤山さんのお話を聞く機会があって、贅沢でした。

 それだけでも、札幌まで来た甲斐がありました。

 今後も、もっともっと、勉強を深めていきたいと思います。 (2019.10 記)

 

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立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その1・勁く、凛とした、おとなの小説

2023年10月26日 | 小説を読む

 たぶん2017年のブログです

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 本棚の上に積み重ねられた文庫本の中に、立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を見つけたので、ものすごく久しぶりに読んでみました。

 おそらく30代に読んで以来なので、30年ぶりくらいの再読です(立原さん、ごめんなさい)。

 立原さんは、じーじが20代から30代にかけて集中的に読んでいた小説家ですが、今では同年代の人達くらいにしかわからないかもしれません。

 名作『冬の旅』が有名で、じーじは非行少年たちが主人公のこの小説を読んで、結局、家庭裁判所調査官になりました(この小説を読んで調査官になったという人をじーじはほかに2人知っていますので、この小説の影響力はすごいと思います)。

 『冬の旅』もしばらく読んでいませんので、そろそろ再読をしようかな、と思っているのですが、なにせ、昔、何度も読んでいるので、じーじにしてはめずらしく(?)、まだあらすじをぼんやりと覚えており、こちらはもう少ししてから再読をしたいな、と楽しみにしています。

 さて、『冬のかたみに』ですが、やはりよかったです。

 まったく色褪せていません。

 というか、年を取ったことで、ようやくわかってきたことも多くありました。

 立原さんの小説は文章が美しく、力強く、正確な日本語が特徴ですが、この小説では、特に、これらの点が際立っています。

 主人公が幼少期から韓国の禅寺で育ち、禅の世界でよき師匠に出合い、厳しくも温かく見守られて成長し、精神形成をしていくという小説ですので、物語と文章が鮮烈で、凛として、とても美しいです。

 ともすると、私達は、時代に流され、欲に流されがちですが、そんな弱い自分に喝を入れられそうな感じがしました。

 今後もまた読みたい、いい小説でした。(2017?記)

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 2020年11月の追記です

 立原さんの『冬のかたみに』を読むと、一度、韓国のお寺に行ってみたいな、と思うことがあります。

 わが家の美人ちゃんばーばが、韓流ドラマに熱中している(?)今がチャンスかもしれませんが…。 (2020.11 記)

 

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精神病・生き残ること・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その2

2023年10月25日 | 精神分析に学ぶ

 2019年秋のブログです

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 昨日は学会2日目。

 午前中は精神病の分科会に参加。

 みなさん、すごいケースのご紹介で、いろいろと考えさせられます。

 たくさんの学びがあったのですが、じーじとっての再確認は「生き残る」ことのテーマでしょうか。

 患者さんの攻撃性に、報復をせずに「生き残る」ことがまず出発点のような感じを持ちました。

 そのことだけでも、患者さんには大きな意味がありそうです。

 午後は終結症例の分科会。

 司会が藤山直樹さん。

 司会だけでなく、結構、自由に発言をされるので、面白いですし、とても参考になります。

 個人的には、発表者と司会の藤山さんの対談でもいいように思うほどでした。

 発表者がだんだんと率直になっていく様子が見られて、藤山さんの力量に改めて感心させられました。

 力のある臨床家は本当にすごいなと思います。

 もっともっと経験を積み重ねていきたいと切に思いました。 (2019.10記)

 

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