ゆうわファミリーカウンセリング新潟 臨床心理士・赤坂正人     

こころの困りごと・悩みごと相談で臨床心理士による公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています

あたたかなストーブの前での2月の訪問カウンセリングは、こころもあたたまって気持ちがいいです

2020年02月18日 | カウンセリングを考える

 新潟市と北海道東川町(夏期)で臨床心理士による心理カウンセリングを個人開業しています。
 こころの困りごと相談・悩みごと相談で訪問カウンセリングや公園カウンセリング,メールカウンセリングなどをやっています。また,子どもさんの面会交流の相談・援助もやっています。
 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリング(心理相談・心理療法)や親子・ご夫婦の家族カウンセリング(家族療法・親子カウンセリング・夫婦カウンセリング),子どもさんの子どもカウンセリング(遊戯療法)などで,ご自宅やお近くの屋内施設,ショッピングセンター,道の駅などで行ないます。料金は45分2,000円です。
  公園カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・ご夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの子どもカウンセリングなどで,お近くの公園や広場,森や海など,自然のすがすがしい空気の中で,じっくりとご自分のことやご家族のことなどを考えてみます。料金は訪問ウンセリングと同じです。
 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,1週間に1往信で行ない,1往信600円です。
 子どもさんの面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,45分2,000円,同じく援助はお近くの公園や遊戯施設,ショッピングセンター,あるいはご自宅などで行ない,60分5,000円~120分1万円です。
 カウンセリング,相談・援助とも土日・祝日をのぞく平日の午前9時~午後5時に行なっています。
 わたしのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください(そういう意味ではあまり深くないカウンセリングになるのかもしれませんが,しかし,逆に,現実感覚を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています)。
 料金は面接室がまだ準備できていないので低めに設定させていただいています。月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに料金の割引を相談させていただきますので,ご遠慮なくお問合せください。ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。
 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 あたたかなストーブの前での2月の訪問カウンセリングは、こころもあたたまって気持ちがいいです。

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村上春樹 『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)1991・講談社文庫)-『羊をめぐる冒険』の世界へ

2020年02月18日 | 村上春樹を読む

 2019年6月のブログです。

     *

 村上春樹さんの 『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)(1991、講談社文庫)を再読しました。

 なんとなく、あらすじの一部をぼんやりと覚えているような気がしていたので、再読がしばらくぶりになってしまいましたが、細部はほとんど忘れていたので、例によって(?)、またまたとても新鮮な気分で読んでしまいました。

 さきほど、読み終えたばかり、この感情をどう表現したらいいのか、戸惑います。

 やはり、すごい小説です。今まで思っていた以上にすごいです。

 読むほどに、生きる経験を積んで読むほどに、うなずけることと不思議さの両方が、哀しみや微笑みや笑いととともに増えていきそうな小説です。

 そう、この小説の中で、読者は人生を生き、哀しみ、苦しみ、喜び、そして、死を眺めるのだと思います。

 生きることのしんどさ、辛さ、苦しさが描かれます。

 そんな中での小さな喜び、楽しさ、スリルが描かれます。

 読みながら強く感じるのは、生きることは哀しいですし、少しだけ楽しいこと。

 そんなことを感じさせてくれる小説ではないでしょうか。

 一方、偽りの幸せを生きる危険や生きたまま死んでいるかのような虚飾の生き方の危なさも描かれます。

 真に生きるとはどういうことなのか、子どもからおとなまで、区別なく、村上さんは真摯に描きます。

 若者もおとなも深く考えさせられる、いい小説だと思います。

 (2019.6 記)

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いつもクライエントのそばにいるということと,いつもクライエントにより添うということ-カウンセリングを考える

2020年02月18日 | 心理臨床を考える

 たぶん2011年ころのブログです。
     * 
 ある研究会で,一人のカウンセラーのかたが,自分はクライエントに携帯の番号を教えて,いつでも連絡が取れるようにしています,と話していました。
 すごく熱心だな,と思いました。
 一方で,でも少し違うのではないかな,とも思いました。
 いつもクライエントと連絡が取れること,が,いつもクライエントのそばにいること,と同じかというと必ずしもそうとはいえない気もします。
 ましてや,いつもクライエントにより添うこと,とはまた違うような気がします。
 さらに,そのことがクライエントの自立に繋がるか,ということになると,さらに難しい問題となります。
 カウンセリングの目標がクライエントの精神的な自立や成熟だとすると,最終的にはクライエントがカウンセラーに頼らなくてもいいようになることが課題となります。
 それにはクライエントがカウンセラーを「内在化」して,自分のこころの中のカウンセラーと対話ができるようになることが大切になります。
 精神分析では,毎日の面接と週末のお休みのリズムが大事だと言われています。
 週末,治療者の「いない」時にいかに患者が自分の「内的な」治療者と対話ができるか,がポイントになります。
 一般に,心理療法において,治療者やカウンセラーのお休みは,彼らの健康を守ると同時に,患者やクライエントの自立の契機として重要な意味を有していると思います。
 考えがまだまだ深まっていませんが,これらのことはとても大切なテーマではないかと思います。
 簡単には正解は出ないと思いますが,今後,さらに考察を深めていきたいなと思います。(2011?記)

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沢木耕太郎『246』2014・新潮文庫-2歳の娘さんへのお話とおとなへのお話たち

2020年02月17日 | エッセイを読む

 2018年12月のブログです。
      *    
 沢木耕太郎さんの『246』(2014.新潮文庫)を再読しました。
 以前読んだ時に、いい本だな、と思った記憶があったのですが、今回、読んでみると、すごく面白くて、そして、いい本でした。
 すごく面白い理由の一つは、沢木さんが当時2歳の娘さんが寝る前にしてあげるお話のせい。
 読んでいて、とてもほのぼのします。
 ここでは沢木さんは童話作家(?)。
 ノンフィクション作家としてより才能があるかもしれません(冗談です。沢木さん、ごめんなさい)。
 本書は、1986年1月から9月までの沢木さんの日記風エッセイ。
 1986年というのは、沢木さんの『深夜特急』が出た年で、そのことがまず書かれています。
 ちなみに、246、とは国道246号線のことで、当時、沢木さんの仕事場があった場所だそうです。
 沢木さんが、自宅から仕事場に行こうとすると、娘さんが、いかないで、と言って、沢木さんが仕事を休んでしまうシーンもあり、微笑ましいです。
 とっても面白いお話、興味深いお話、真面目に考えさせられるお話と、結構厚めの文庫本は中身が充実していますが、わたしが個人的に面白かったのは、みつばち農家を取材したお話。
 福音館書店の『たくさんのふしぎ』という本に『ハチヤさんの旅』(のちに1987年5月号として掲載)というお話を書く仕事の取材で、みつばち農家に同行するのですが、ある時、小さな女の子がいる農家さんのご希望で沢木さんの2歳の娘さんも一緒に行くというできごとがあり、案の定、とんでもないドタバタ劇になってしまいます。
 しかし、それもある程度想定をしての父子での取材旅(?)は、とっても楽しいお話でした。
 そして、そこで取材がかち合ったテレビ局クルーの過剰演出をさらりと批判する沢木さんもなかなか素敵です。
 いろんなことを考えさせられ、また、楽しくなれる、いい本です。
 (2018.12記)

 

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こころの困りごと・悩みごと相談で臨床心理士による公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています

2020年02月17日 | カウンセリングを考える

 新潟市と北海道東川町(夏期)で臨床心理士による心理カウンセリングを個人開業しています。
 こころの困りごと・悩みごと相談で公園カウンセリングや訪問カウンセリング,メールカウンセリングなどをやっています。また,子どもさんの面会交流の相談・援助もやっています。
 公園カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリング(心理相談・心理療法)や親子・ご夫婦の家族カウンセリング(家族療法・親子カウンセリング・夫婦カウンセリング),子どもさんの子どもカウンセリング(遊戯療法)などで,お近くの公園や広場,森や海など,自然のすがすがしい空気の中で,じっくりとご自分のことやご家族のことなどを考えてみます。料金は45分2,000円です。
  訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや親子・ご夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの子どもカウンセリングなどで,ご自宅やお近くの屋内施設,ショッピングセンター,道の駅などで行ないます。料金は公園カウンセリングと同じです。
 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,1週間に1往信で行ない,1往信600円です。
 子どもさんの面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,45分2,000円,同じく援助はお近くの公園や遊戯施設,ショッピングセンター,あるいはご自宅などで行ない,60分5,000円~120分1万円です。
 カウンセリング,相談・援助とも土日・祝日をのぞく平日の午前9時~午後5時に行なっています。
 わたしのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください(そういう意味ではあまり深くないカウンセリングになるのかもしれませんが,しかし,逆に,現実感覚を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています)。
 料金は面接室がまだ準備できていないので低めに設定させていただいています。月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに料金の割引を相談させていただきますので,ご遠慮なくお問合せください。ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。
 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。 

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  雪だるまくんを眺めながらの2月の公園カウンセリングは、こころがキリリッとして気持ちいいです。でも、風邪をひかないように気をつけましょうね(寒かったら、屋内に逃げこむという手もあります)。

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「悩み」,「苦しみ」,「絶望」,そして,それらとともに生きること-ゆっくりと生きる「こつ」を考える

2020年02月17日 | 心理臨床を考える

 たぶん2011年ころのブログです。
    *  
「悩み」と「苦しみ」。
 若い頃は「悩み」がいっぱいあって,毎日が大変でした(もう一度若くしてあげる,といわれても,お断り!という感じです)。
 でも,年を取ると鈍感になるのか(?),少し「悩み」が減ってきて,少しだけ楽になってきた感じがします(それでも毎日がいろいろな「悩み」や 「苦しみ」の連続であることには変わりがありませんが…)。
 「悩み」はこうして乗り越えなさい,とか,「悩み」なんて大丈夫,なんてことはとても言えませんが,若い時は「悩み」がずっと続いて,「絶望的」になって,先が見えない,と思いがちですが,そうとも限らないのかもしれません(実は六〇をすぎた私にもまだわかりませんが…)。
 ただ,「悩み」が「苦しみ」に直結するようなことは,ひょっとすると年とともに減ってくるのかもしれません。
 それは単に鈍感になるせいかもしれませんし,周囲からちやほやされるのが減ってくることが普通になるせいなのかもしれません。
 いずれにせよ,少しだけ「平穏」になってくるような気がします。
 あるいはまた,人生にある程度の「諦め」ができるせいなのかもしれなせん。
 ちなみに,「諦め」という言葉は,夏目漱石もいうように,もともとは仏教用語で,人生を明らかに観る,という意味だそうです。
 年を取って,いろいろと「諦める」ことが多くなって,それで「苦しみ」が多少とも減るなら,それもいいことかもしれないですね。
 「幸せ」はその先にあるのかもしれません。
 若いさなかのいろいろと敏感な状況にいて,さまざまな「悩み」で苦しんでいる人には,そうはなかなか思えないかもしれませんが,長い目で見ればそういうこともあるのかもしれません。そう信じたいと思います。
 いずれにしても,「悩み」や「苦しみ」が全くなくなるということはなさそうです(それでは仏さまです)。
 私たちは人間ですから,「悩んだり」,「苦しんだり」して,当然です。
 大切なのは「悩み」や「苦しみ」があっても、なんとか生きていくことではないでしょうか。
 ごくたまにはいいことがあるかもしれません。
 それが「幸せ」なのかもしれないです。
 「幸せ」とは「悩み」や「苦しみ」が全くない状態ではなくて,それらがあっても,なんとか生きていくことなのかな,とも思います。
 「悩み」や「苦しみ」とうまく付き合いながら,あまり焦らずに,ゆっくりいろいろと考えていきたいなと思います。(2,011?記)

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雪だるまくんを眺めながらの2月の公園カウンセリングは、こころがキリリッとして気持ちいいです

2020年02月17日 | カウンセリングを考える

 新潟市と北海道東川町(夏期)で臨床心理士による心理カウンセリングを個人開業しています。
 こころの困りごと・悩みごと相談で公園カウンセリングや訪問カウンセリング,メールカウンセリングなどをやっています。また,子どもさんの面会交流の相談・援助もやっています。
 公園カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリング(心理相談・心理療法)や親子・ご夫婦の家族カウンセリング(家族療法・親子カウンセリング・夫婦カウンセリング),子どもさんの子どもカウンセリング(遊戯療法)などで,お近くの公園や広場,森や海など,自然のすがすがしい空気の中で,じっくりとご自分のことやご家族のことなどを考えてみます。45分2,000円です。
  訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや親子・ご夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの子どもカウンセリングなどで,ご自宅やお近くの屋内施設,ショッピングセンター,道の駅などで行ないます。時間・料金などは公園カウンセリングと同じです。
 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,1週間に1往信で行ない,1往信600円です。
 子どもさんの面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,45分2,000円,同じく援助はお近くの公園や遊戯施設,ショッピングセンター,あるいはご自宅などで行ない,60分5,000円~120分1万円です。
 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前9時~5時に行なっています。
 わたしのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください(そういう意味ではあまり深くないカウンセリングになるのかもしれませんが,しかし,逆に,現実感覚を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています)。
 料金は面接室がまだ準備できていないので低めに設定させていただいています。月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに料金の割引を相談させていただきますので,ご遠慮なくお問合せください。ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。
 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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ロコ・ソラーレ優勝!-どさんこじーじの日記(2020.2.16)

2020年02月16日 | じーじの日記を書く

 ロコ・ソラーレがカーリング女子で優勝をした。

 中部電力との接戦に次ぐ接戦、延長で優勝を決めた。

 昨年は中部電力が3連勝して優勝、今年も予選リーグでは中部電力が勝利をして、やはり強いという印象だったが、準決勝でようやくロコ・ソラーレが勝ち、決勝でも勝利と、本当に紙一重の優勝だった。

 北海道北見のチームの優勝はどさんこのじーじにもうれしい。

 しかも、美人ちゃんぞろい。

 それに、とっても元気なのがいい。

 気も強そうだが(みなさん、ごめんなさい)、勝負にはそれも必要。

 世界選手権での活躍をこころから祈りたい。

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「傷つき」,「うらみ」,「復讐」,そして,それらとともに生きること-ゆっくりと生きる「こつ」を考える

2020年02月16日 | 心理臨床を考える

 たぶん2011年ころのブログです。
     *  
 このところ,「傷つき」や「うらみ」,それらと「和らぎ」や「幸せ」などとの関係といったことについて考えています。
 また,「悪」と「正義」,「復讐」と「幸福」,さらには,「戦うこと」と「和解」などといったことについても考えます。
 家庭裁判所の当事者のみなさんのご主張や心理臨床の患者さんの訴え,さらには,韓国ドラマのストーリー,日本の政治家の安全保障についての極端な発言,中国や韓国の人々の主張などなど,考えさせられることがらは多いです。
 他人に「傷つけられて」,「うらみ」を抱くことは当然だと思うのですが,そこから「復讐」を考えるかどうか,それを実行をするかどうかは,人によって違ってくるのではないかなと思います。
 その人のこころの広さや深さなどによってずいぶん違ってきそうな印象があります。
 そして,それらは「傷つき」の大きさによって,あるいは,「うらみ」の深さなどによっても,違ってくるのではないかと思います。
 さらには,かりに,「復讐」によって,本当に「幸せ」になれるかどうかも,考える必要がありそうです。
 「幸せ」や「安心」は「復讐」や「戦うこと」と,どんな関係になっているのでしょうか。
 そして,それらのことがらと「和解」や「和らぎ」との関係はどうなのででしょうか。
 答えは簡単ではないと思います。
 教えてくれる人もあまり見当たりません。
 そもそも個人の問題や課題は,人に答えを教えてもらえるようなものではなく,自分で考え続けて,答えを探すしか道はないのかもしれません。
 周りの人たちは,話をていねいに聞くことや多少の助言をすることしかできないのかもしれません。
 これからもあせらずに,じっくりとよく考え続けていくことが大切になりそうです。
 また,そういったことに少しでも役に立てるような存在になるために,今後も勉強を続けていきたいと思います。(2011?記)

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立原正秋『きぬた』1976・文春文庫-凛としたこころの父親を描く

2020年02月16日 | 小説を読む

 2018年秋のブログです。
      *    
 またまた本棚の隅っこに古い小説を見つけ出して、読んでしまいました。
 立原正秋さんの『きぬた』(1976、文春文庫)。
 わたしがまだ大学生の頃の本です(当時からこんな暗い小説を読んでいたんですから、やっぱりかなりネクラの大学生だったんでしょうね)。
 内容を一言で紹介するのはとても難しい小説で、あらすじもあえて書きませんが、生きる道に迷った男性とそれに翻弄される女性たち、そして、それらを静かに見守る主人公のこころの父親を描く、といったところでしょうか。
 もっとも、端正で、正確で、美しい日本語で知られる立原さんの小説ですので、登場人物の造形や内面描写はしっかりしていますし、男女の愛憎や親子の確執が描かれていても、底流には美しさへの希求が流れていて、読後感は悪くありません。
 立原さん独特の醜いものへの容赦のない切り捨てはありますが、一方で、弱きものへの心温かさも厳然として読み取れます。
 この小説、今回、久しぶりの再読でしたが、とてもおもしろく読めて、2日で読んでしまいました。 
 若い頃にはおそらく読めていなかった箇所も、この年になってようやくわかるようになったというところが結構あったように感じました。 
 凛としたこころの父親、というのは、主人公が育ったお寺の寺男をしていた老人のことで、この小説の真の主人公ではないかとわたしには思えます。
 お寺経営に走る実父とは対照的に、生きる道に迷った主人公を温かい眼で見守り続ける姿はとても素敵です。
 こういう男性像に若い時に憧れてしまうと、わたしのようにその後の人生で苦労をすることになりかねませんので、要注意です。
 しかし、きっと、こんな道を求めて、わたしはこれからも歩んでいくのだろうな、という悪い予感(?)もしています。
 この年になっても、そう思えるくらいのいい小説を再び読めて、幸せな2日間でした。
 (2018.10 記)

 
 
 

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