ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

土居健郎『臨床精神医学の方法』2009・岩崎学術出版社-冷静な「熱さ」に深い理解の原点を見る

2024年06月23日 | 精神療法に学ぶ

 2018年のブログです

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 土居健郎さんの『臨床精神医学の方法』(2009・岩崎学術出版社)を再読しました。

 精神科デイケアのボランティアの合間に読んでいたら、面白くてやめられなくなり、メンバーさんそっちのけで(?)読んでしまいました(メンバーさん、ごめんなさい)。

 久しぶりの再読で、あいかわらず、中身は覚えておらず、新鮮な気持ちで読んでしまいましたが、土居さんの晩年の論文と講演録からなっています。

 特に、2007年の講演は、土居さんが講演としてはめずらしく症例とその治療体験をいくつもご紹介され、そのいずれもがとても感動的です。

 指定討論者の藤山直樹さんが、土居先生は(面接の場で)ものすごく生きている、と感想を述べられていますが、その感想がすごく印象的です。

 土居さんの嘘のない、正直な生き方のそのすごさが患者さんに伝わり、治療になるのだろうと思いました。

 心理臨床の技術を学ぶことももちろん大切なのですが、患者さんに臨む決意とか思いとか、そういった治療者の姿勢がやはり大切なのだろうと、再認識させられました。

 今回、もう一つ、気がついたのが、エヴィデンスに触れた箇所。

 土居さんは、感じたことこそがエヴィデンス、と述べ、治療関係とそこで起こる変化の中にこそエヴィデンスはある、と言い切っておられます。

 エヴィデンスでおろおろしているじーじなどには、気持ちのいいくらいの覚悟だと思いました。

 転移や逆転移の中にこそひとつの真実があることを肝に銘記して、今後の臨床に臨みたいと、こころを新たに思いました。       (2018 記)

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 2020年冬の追記です  

 じーじにしては早めの再読となりました。

 今回は、土居さんの正直さということが印象に残りました。

 失敗した症例もきちんと提示し、冷静に検討されます。

 大家はみなさんそうですが、正直さということが大切なんだなと痛感します。

 いい経験をさせていただきました。       (2020.1 記)

 

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沖縄戦・捕虜・震えのとまらない少女-じーじのじいじ日記・セレクト

2024年06月23日 | じいじ日記を書く

 2019年の日記です

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 夕方のニュースを見ていたら、沖縄戦で捕虜になって震えがとまらない映像の少女が生存していたというニュースがあって、びっくりするとともに感動をした。

 ニュースを見た後で、年齢的に考えてみれば生存をしていても不思議はないのだが、まさか、と本当にびっくりした。

 太平洋戦争の記録映像は結構たくさん見ていると思うが、じーじにとっては、沖縄戦で捕虜になって震えがとまらないでいる少女の映像は、まさに衝撃的で、どんな残酷な映像より、戦争の悲惨さを表現していると、前々から感じていた。

 それだけに、その当事者が生存していたというニュースは驚きとともに、少しだけはこころの慰めになった。

 戦後、おそらくはすごく怖い記憶と闘いながら、たいへんな苦労をされたのではないかと思うと、本当に頭が下がるし、今後は同じ経験を未来の子供たちにさせては絶対にならないと思う。

 国民は守らなければならないが、戦争になると、基地が狙われ、最悪、占領される。

 国民を守るべき基地が攻撃の対象となり、付近に住む国民は殺され、捕虜になる。

 こういう体験があるからこそ、沖縄の人たちは基地に反対するのだと思う。

 捕虜になったことのない本土の政治家が軽々しく発言をすることは、沖縄の人たちによりそっているとは決して言えないだろう。

 時あたかも選挙の時期、戦争と基地と政治を政治家と国民はこころして考える必要がありそうだ。     (2019.6 記)

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 2022年6月の追記です

 3年前の日記。今、読んでもまったく古びていない内容ではないかな、と思う。えっへん!

 それどころか、ロシアのウクライナ侵略で、世の中はますます生きにくい感じになってきているように思われる。

 軍備力増強の話も出る。しかし、軍備が侵略を誘発するおそれも強い。

 軍備より、何が大切なのか、みんなでじっくりと考えていく必要がありそうだ。     (2022.6 記)

 

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