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北方謙三『檻』1987・集英社文庫-男にとって大切なものは何かを問うてくる哀しみにみちた小説

2024年06月08日 | 小説を読む

 2021年初夏のブログです

     *

 北方謙三さんの『檻』(1987・集英社文庫)を久しぶりに読みました。

 先日、北方さんの『煤煙』を読んでしまい、恐れていたとおりに(?)、北方ワールドにはまってしまいました。

 もっとも、『檻』は北方さんの小説の中でじーじが一番好きな作品。

 忘れん坊のじーじにはめずらしく、まだあらすじをぼんやりと覚えていたので、後に取っておいたのですが、今回、読んでしまいました。

 いい小説です。ラスト、不覚にも久しぶりに泣いてしまいました。

 あらすじは当然書きませんが、感想を書くのもなかなか難しい小説です。

 男の生きかた、男の友情、度胸、暴力、仕事、愛情、などなど。いろんなテーマが内包されています。

 それらが北方さん特有のスピード感のある、かつ、奥深さを伴った文章で表現されます。

 男なら憧れるような登場人物が何人か出てきます。

 アウトロー、刑事の一人も含めて、アウトローの世界です。

 いろんな意味での暴力を否定しませんので、男女差別ではありませんが、女性には少し理解しにくい世界かもしれません。

 言ってみれば、オスの世界。優しい、平和主義の女性は眉をひそめるかもしれません。

 しかし、男の生きざまというやつは、本能に支えられている部分もあるので、きれいごとではすまないのも事実でしょう。

 勁さがあっての優しさなのかもしれません。

 と、まあ、いろんなことを考えさせられる小説です。

 しかし、文句なしにいい小説です。幸せ!      (2021.6 記)

 


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