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今江祥智『牧歌』(「ぼんぼん」第四部)1988・理論社-昭和版「坊ちゃん」のような物語です

2025年06月28日 | 小説を読む

 2020年初夏のブログです

     *

 今江祥智さんの『牧歌』(「ぼんぼん」第四部・1988・理論社)を初めて読みました。

 この名作を今ごろ読むなんて、今江さんの大ファンだった今は亡き弟に笑われそうです。

 弟は高校時代くらいから児童文学を読んでいて、その本棚には児童文学がいっぱい並んでいました。

 じーじはそのころ、児童文学の良さがさっぱりわからずにいて、今考えるともったいないことをしました(弟はフォークもよく聴いていて、じーじは、かぐや姫やイルカさんは弟から教えてもらいました)。

 じーじが家裁に就職をして、先輩から灰谷健次郎さんの『兔の眼』を教えていただき、さらに、河合隼雄さんが児童文学を勧めておられて、すこしずつ児童文学を読むようになりました。

 灰谷健次郎さんの『ろくべえまってろよ』は大好きな本で、今もちょうど、灰谷さんの『ワルのぽけっと』を読んでいる最中です。

 今江さんの本は、だいぶ前に『ぼんぼん』と『兄貴』は文庫本で読んだのですが、『牧歌』はなかなか読まないままで、本書はだいぶ前に古本屋さんで購入したのを、今回やっと読むことができました。

 いい物語です。

 あらすじはあえて書きませんが、内容は昭和版「坊ちゃん」という感じです。

 図工の臨時教員である主人公が、いろいろな失敗を経験して成長をしていくという物語ですが、在日の問題や貧困の問題、学校の管理体制の問題なども描かれます。

 最後は、真摯に絵を描くことで主人公が精神的に救われるシーンがありますが、きれいごとでない、泥だらけの教師の姿が小気味いいです。

 良質の小説に出合えました。これだから、読書はいくつになってもやめられません。     (2020.6 記)

     *

 2021年1月の追記です

 河合隼雄さんが『青春の夢と遊び』の中で本書について述べていることをすっかり忘れていました(河合さん、ごめんなさい)。

 河合さんのご指摘は鋭く、こころにしみます。     (2021.1 記)

 


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ピーちゃん)
2021-07-12 18:46:14
灰谷さんのマコチンやろくべえまってろよ
大好きです
もう一度読みたくなりました📚
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コメント、ありがとうございます (どさんこじーじ)
2021-07-13 07:07:13
灰谷健次郎さん、いいですよね。
「ろくべえまってろよ」はじーじも大好きです。
児童文学はこころを豊かに、やわらかく、優しくしてくれるような気がします。
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追っかけ (アナザン・スター)
2025-06-28 11:59:17
灰谷健次郎さん、太陽の子が始まり。
兎の眼、衝撃に身体が震えました。
最近、檀ふみさん主演の映画を観て、懐かしさに。

公演の終了後、サインをしてくださり、握手の際には温かく大きなやさしさの手に包まれました。

全作品持っています。
彼を失った時、心が弾けてしまいました。

大阪の三羽鴉と云われ、今江祥智さんや上野瞭さんにもお会いしております。
あの日のことは、忘れられません。
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コメント、ありがとうございます (どさんこじーじ)
2025-06-28 12:40:58
>アナザン・スター さんへ
>灰谷さんの追っかけだったのですね。すごいです。
 じーじも先輩から『兎の眼』を借りて読んだ時は、こんな児童文学があるんだ、とびっくりしました。
 今江さんも上野さんもすごいですね。
 上野さんは弟も読んでいました。
 今からでも、弟と児童文学談義をしたいものです。
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