ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

岩宮恵子『フツーの子の思春期-心理療法の現場から』2009・岩波書店-「フツー」という子どもの心理を考える

2024年06月11日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2019年のブログです

     *

 岩宮恵子さんの『フツーの子の思春期-心理療法の現場から』(2009・岩波書店)を再読しました。

 なかなか面白い本で、読むのはもう何回目かですが、感想文を書くのは初めてです。

 「フツー」の子どもたちが、何をきかれても、「フツー」とか「ビミョー」とか、口癖のように言う現象を事例を紹介しながら、描いています。

 確かに世の中に、そういう子どもたちがいますが、それを臨床心理学的に、しかも事例を交えて分析をするところが岩宮さんのすごさです。

 岩宮さんは、こころの内側のことを言葉にしろと言われても無理なので、「フツー」と返すのではないか、という解釈をされます。うなずけます。

 じーじの経験では、ワカラナイ、を連発する子どももいます。

 総じて、こころの内側を見るのが苦手な子どもが増えていて、うわべの人間関係が多くなっているようです。

 そして、痛みや哀しみ、怒りを無視しようとしたり、なかったことにしようとする心理機制が強く働いているようです。

 できることなら、ああでもない、こうでもない、と考えるのが望ましいでしょうし、そういうような付き合い方をしてくれるおとなの存在が大切になるのでしょう。

 そういう本気の付き合いが大切なんだろうと思います。

 やさしい言葉づかいの本ですが、子どものことを深く考えさせてくれるいい本だと思います。     (2019.7 記)

     *

 2021年冬の追記です

 ああでもない、こうでもない、と考えられることというのは、あいまいさやわからないことに耐えられること、につながるのかもしれませんね。     (2021.2 記)

 

コメント (2)

村上春樹『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』2011・マガジンハウス-世間との違いを大切にすること

2024年06月11日 | 村上春樹を読む

 2011年のブログです

     *   

 村上春樹さんの『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』(2011・マガジンハウス)を読みました。

 面白かったです。

 あまりこの欄には関係がないと思うかもしれませんが、河合隼雄さんと夢についての章もあります。

 あらためて思ったのは、村上さんの小説やエッセイに惹かれるのは、ひょっとするとじーじと趣味、嗜好が似ているのかなと思いました。

 一番頷けたのは、村上さんが気に入った店がつぶれてしまうという話。

 実はじーじもまったく同じで、うちの奥さんには、疫病神では?と言われています。

 きっと、世間一般大衆が熱狂するものと違ったものが好みなのかもしれません。

 そういえば村上さんはヤクルトファンでしたね。

 じーじは日ハムファンです。

 しかし、このことは臨床心理家にとっては大切なことかもしれません(小説家にとってはもちろんですが…)。 

 世間一般大衆と同じになれない人が、悩むわけですから…。

 でも、その悩みは実は大切なことかもしれません。

 そういったことをクライエントさんと話し合っていきたいなと思っています。    (2011 記)

     * 

 2018年秋の追記です

 日ハムに金足農高の吉田くんが入りましたね。

 日ハムはあまり強くならないで、ほどほどなのが私の理想(?)なのですが…。     (2018.10 記)

        *

 2019年12月の追記です   

 つい最近、じーじの好きなお店がまた一つ閉店してしまいました。やっぱり疫病神かも…(?)。

 吉田くんはほどほどでいい感じ(?)です。     (2019.12 記)

     *

 2023年夏の追記です

 ずいぶん前のブログですが、なかなかいいことを書いていますね(えっへん)。

 じーじは年とともに世間とのずれが大きくなって、たいへん。

 どんどん生きにくくなっています。

 しかし、臨床家はそれでいいのかな?とやっぱり思ったりしています。     (2023.8 記)

 

コメント (2)