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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリングなどをやっています

せきしろ『バスは北を進む』2019・幻冬舎文庫-北海道・道東での子どもの頃の思い出を綴る

2025年08月16日 | 北海道を読む

 2019年8月のブログです

     *

 せきしろさんの『バスは北を進む』(2019・幻冬舎文庫)を読みました。

 この本も旭川の本屋さんで見つけました。

 せきしろさんの本は初めてです。

 それにしても、せきしろ、って不思議なペンネームですね。本名なのかな?

 北海道の道東、それも網走やオホーツク沿岸地方での子どもの頃の思い出が淡々と綴られます。

 北海道の道北、旭川で子ども時代を過ごしたじーじにも同じような思い出があって、なんだか懐かしいです。

 本当に懐かしい。

 そして、なんとなく、温かいです。

 北海道は外は寒い日が多いのですが…。

 詩のような、こころがくつろぐ世界。

 ふるさとって、そういうものでしょうか。

 再び訪れると、風景はさびれているのですが…。

 さびれていても、ふるさとはふるさと。

 大切な存在。

 大切な思い出です。

 いいふるさとがあることは幸せなのかもしれません。      (2019.8 記)

 

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佐々木譲『雪に撃つ』2022・ハルキ文庫-愚直な者の生き方と愚直なおとなの恋愛を描く

2025年08月06日 | 北海道を読む

 2022年7月のブログです

     *

 佐々木譲『雪に撃つ』(2022・ハルキ文庫)を読む。

 これも夏休みにゆっくり読もうと楽しみにしていた本。

 実は単行本を去年の夏に東川の図書館で借りて読んでいて、さすがに物忘れのひどいじーじでもあらすじはだいたい覚えていたが(たぶん)、今回は佐々木さんの力のある文章をたっぷり楽しみながら読もうと思った。

 結果は大正解で、佐々木さんの深く美しい物語を十分に堪能させてもらった。

 あらすじは例によって書かないが、愚直な者どもの生き方と愚直なおとなの恋愛が描かれて、なかなか感動的だ。

 組織の腐敗を暴いたことから閑職に追いやられている警察官の愚直な仕事ぶり、しかし、単純と思われた窃盗事件が殺人事件に結びつくなど、意外な展開を見せる。

 社会派の佐々木さんらしく、技能実習生の問題を背景に据えて、実習生の支援組織の人々とのやりとりも温かく描かれて、印象深い。

 一方、愚直なおとなの恋愛のほう。

 離婚経験者同士の不器用な恋愛が今回も歯がゆい。

 不器用さでは引けを取らないじーじだが、思わず、もう少しうまくやれよ、と声を掛けたくなるほど。

 しかし、これがおとなの恋愛かもしれない。

 そういえば、『マチネの終わりに』の恋愛もかなりの不器用だった。

 不器用だが、愚直な恋愛も、味があっていいかもしれないとも思う。       (2022.7 記)

 

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佐々木譲『警官の酒場』2024・角川春樹事務所-仲間たちの信念と矜持、絆を描く

2025年07月31日 | 北海道を読む

 2024年7月のブログです

     *

 佐々木譲さんの『警官の酒場』(2024・角川春樹事務所)を読む。

 北海道警察・大通警察署シリーズの最新刊。第1シーズン完!とある(しくしく)。

 まだ文庫本になっていないので、楽しみにしていた東川の図書館で読む(?)。

 図書館で読んだ本の感想文を書くのはこれがたぶん2冊目(ごめんなさい、佐々木さん。文庫本になったら買いますね)。

 主人公は何年か前に仲間とともに北海道警察の組織悪を暴いて、捜査の第一線から外されている刑事。

 力のある者が、組織の都合で閑職に追いやられる世界。

 しかし、その実績を買われて最近は警部昇進試験の話がやかましい。

 もっとも、主人公は父親の介護を抱えて、身動きができない状態。

 以前、付き合っていた仲間の女性刑事との仲も未解決(?)だ。

 そんなところに、闇バイトによる強盗殺人事件が発生。

 詳しいあらすじは書かないが、主人公たちが、携帯の窃盗事件などを地道に捜査していると、偶然にも闇バイトの凶悪事件に近づいていく。

 さらに、ここに、以前の巻で、覚せい剤の前科があるというだけで、愛する女性と別れることになった若い刑事も絡む。

 さまざまな愛情と葛藤を抱えながらも、昔、一緒に組織悪を暴いてしまった仲間たちのなにげない応援や協力の姿が楽しい。

 信念と矜持によって自立した個人というのは、組織のゆがみを乗り越えられるかもしれないという夢を与えてくれるかのようだ。

 この仲間たちが気楽に集えるブラックバードという酒場が最後の舞台。

 覚せい剤の前科にとらわれて愛する女性を失った若い刑事が、おれはもう、警官でなくてもいい、と言って人質になり、命がけで女性を救うラストは美しい。

 若い刑事の行動を見て、主人公も先に進む決意をするところで、物語はいったん終了する。

 いい小説だなあ、とつくづく思う。     (2024.7 記)

  

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佐々木譲『樹林の罠』2022・角川春樹事務所-北海道警察の組織悪を暴いてしまった仲間たちの絆を描く

2025年07月30日 | 北海道を読む

 2023年7月のブログです

     *

 佐々木譲さんの『樹林の罠』(2022・角川春樹事務所)を読む。

 北海道警察・大通警察署シリーズの最新刊。

 まだ文庫本になっていないので、東川の図書館で単行本を読む。

 図書館で読んだ本の感想文を書くのは初めてかもしれない。

 主人公は何年か前に仲間とともに北海道警察の組織悪を暴いてしまったせいで、閑職に追いやられている刑事。

 彼とその時の仲間たちがまたまた組織と対立してしまう物語だ。

 例によってあらすじは書かないが、やはり、組織と個人の問題、組織悪、官僚化などの問題が背景に浮かぶ。

 力のある者が、組織の都合で閑職に追いやられる世界。

 ここでは、北海道警察がやり玉に挙がっているが、他の警察や他のお役所、企業でも事情は同じであろう。

 主人公は殺人事件の合同捜査本部には呼ばれず、与えられた目の前の小さな事件に部下とともに取り組むが、地道な取り組みがだんだんと殺人事件の解決に近づく。

 昔、一緒に組織悪を暴いてしまった仲間たちのなにげない応援や協力の姿が楽しい。

 年配者や若者、女性が、誰に指示されたわけでもなく、力を合わせる姿は、日本の組織では夢物語のように思える。

 自立した個人というのは、組織のゆがみを乗り越えられるかもしれないという夢を与えてくれるかのようだ。

 ここがこのシリーズの読みどころなのかもしれない。

 組織に埋没しない自立した個人。

 まだまだこのシリーズが続いていくことを祈りたい。      (2023.7 記)

 

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河﨑秋子『颶風(ぐふう)の王』2018・角川文庫-どさんこ女流作家による人と馬のすばらしい物語

2025年07月22日 | 北海道を読む

 2020年7月のブログです

     *

 河﨑秋子さんの『颶風(ぐふう)の王』(2018・角川文庫)を読みました。

 川﨑さんの本も初めて。

 作家の紹介欄に、羊飼い、1979年北海道別海町生まれ、とあります。

 どさんこさんですね。

 この本も旭川の本屋さんの北海道本のコーナーで見つけました。

 すごい物語です。

 東北や北海道根室を舞台とした、馬と人の物語。

 あらすじはあえて書きませんが、馬と人との交流がきれいごとに終わらずに、描かれます。

 物語自体も何代にもわたってすごいものがありますが、そこに内包されているものがすごいとしか言いようがありません。

 日本が近代化する中で、捨て去ってきた大切なもの。

 声高にそれを叫ぶわけではありませんが、読んでいるとだんだんとこころにしみ込んできます。

 あらためて、自然との調和の大切さを感じさせられます。

 読後感の心地よい、スケールの大きな良質の物語です。      (2020.7 記)

 

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佐々木譲『真夏の雷管-北海道警・大通警察署』2019・ハルキ文庫-おとなの男女を描く良質の小説

2025年07月17日 | 北海道を読む

 2019年7月のブログです

     *

 佐々木譲さんの『真夏の雷管-北海道警・大通警察署』(2019・ハルキ文庫)を読みました。

 旭川の本屋さんで見つけて読みましたが、とても面白かったです。

 佐々木さんは北海道在住の小説家。北海道を舞台にした良質の小説をたくさん書かれています。

 本作もネグレクト気味の小学生をめぐって、警察官、母親、そして、爆弾犯人が、それぞれの立場からおとなのあり方を提示し、関わります。

 そして、小学生もそれぞれのおとなの真摯な態度に何かを学ぶようです。

 佐々木さんの小説は文章がうまく、かつ、スピード感がすごいです。その読後感もとてもすがすがしいです。

 解説の池上冬樹さんも述べておられますが、佐々木さんの小説は犯人への目線が温かで、アメリカの警察小説のように一方的に邪悪な人物ではなくて、犯罪に至る経過が丁寧に描かれているのが特徴的です。

 どこか家裁調査官の非行少年へのまなざしを思い浮かべられるようなところがあります。

 そこが佐々木さんの小説の魅力です。

 警察官も、弱さも強さも抱えている普通の存在で、右往左往してしまいます。

 特に、男女関係はとても不器用で、しかし、そこが微笑ましいですし、魅力的でもあります。

 北海道に来て、北海道が舞台のいい小説が読めて、最高の贅沢です。     (2019.7 記)

     *

 2020年冬の追記です

 佐々木さんの北海道警シリーズにはまってしまった勢いで、今日は『真夏の雷管』をまた読んでしまいました。

 前回からまだ半年で、あらすじはさすがの忘れん坊のじーじでもある程度は覚えていたのですが、佐々木さんの文章がスピード感があって、かつ、その表現がおとなの味わいに満ちているので、一気に読まされてしまいました。

 信ずることのすごさ、信ずる者同士の良さ、不器用でも思いやることの大切さ、などなどが描かれています。

 改めて素敵な小説だと思いました。     (2020.1 記)

 

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原田マハ『さいはての彼女』2013・角川文庫-北海道を舞台にした女性を描く小説たち

2025年07月16日 | 北海道を読む

 2020年7月のブログです

     *

 原田マハさんの短編集『さいはての彼女』(2013・角川文庫)を読みました。

 原田さんの小説を読むのは初めて。

 旭川の本屋さんでいい本はないかな、と眺めていたら、北海道本のコーナーに置いてありました。

 本の帯に、疲れた心にビタミンチャージ!、とあって、じーじもビタミンが欲しくなりました。

 しかも、写真を見ると、すごい美人ちゃん。

 美人恐怖症のじーじでも魅かれてしまいます(?)。

 4つの短編小説からなりますが、どれもが北海道に関係した小説で、どさんこのじーじには見逃せません。

 仕事に疲れた頑張り屋ウーマンさんなどが主人公ですが、ここに耳の不自由な少女が絡んできます。

 みんなが格好よすぎるところが少しだけ欠点ですが、今どきのキャリアウーマンや少女たちがよく描けています。

 そういった主人公たちが、あることを機に、仕事中心で置き忘れてきた何かに気づく瞬間を、とてもうまく切り取っています。

 あるいは、何かをきっかけに、人生の大きな決断を下すさまがいさぎよいです。

 女性のほうがいさぎよいのかもしれません。

 読後感はすがすがしいです。

 ビタミンチャージ!です。     (2020.7 記)

 

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東直己『名もなき旅』2008・ハルキ文庫-人生の哀しみと信ずることの大切さ

2025年07月11日 | 北海道を読む

 2018年7月のブログです

     *

 東直己さんの『名もなき旅』(2008・ハルキ文庫)を再読しました。

 もう10年ぶりになるんですね。

 文庫本ではたぶん2回目だと思うのですが、『スタンレーの犬』(2005・角川春樹事務所)という単行本の時にも読んでいるので、3回目でしょうか。

 年を取ったせいか、今回が一番おもしろく、しかし、もの哀しさを感じながら読んだような気がします。

 東直己さんは北海道の人ならおそらくは知っているであろう、どさんこの小説家。

 北海道外の人も、大泉洋さんの映画「探偵はバーにいる」シリーズの原作者といえば、わかるかもしれません。

 『探偵はバーにいる』(1995・ハヤカワ文庫)を始めとする東さんの小説は、映画で想像するよりは、実直で、深みのある物語が特徴です。

 かなりの数の小説が出ていますが、どれもがなかなか読み応えがあります。

 じーじは一時期、かなり熱心に読んでいた時期があり、一度、なんとお手紙を書いてしまったことがあります。

 しかし、こんなじーじのしょうもない手紙にも、ていねいなお返事をいただいて、恐縮をした記憶があります。

 どさんこは礼儀正しい人が多いのでしょうね(?)。

 さて、本書、父母と早くに死に別れた19歳の男子のお話。

 ようやく見つけた信頼できる中年男性に頼まれて、58歳の女社長を1週間行方不明状態にして失墜させるという穏やかでない仕事を引き受けます。

 そして、その中で、いろいろなできごとに出合い、いろいろな物語が生じるというもの。

 あらすじだけだと、そのよさはわかりにくいのですが、東さんは軽妙ですが、ていねいな文章を書かれますので、物語のよさだけではなく、文章のよさも楽しめるのではないかと思います。

 なによりも読後感がすがすがしいのがいいと思います。

 しばらく、また、東ワールドにはまりそうな予感がしています。             (2018.7 記)

     *

 2020年冬の追記です  

 本棚を眺めていたら単行本の『スタンレーの犬』が目に入り、読んでしまいました。

 あいかわらず少し不思議な小説ですが、面白かったです。

 人生の哀しみと信ずることの大切さ、そして生きることの味わい深さなどを感じることができると思います。             (2020.1 記)

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椎名誠『流木焚火の黄金時間-ナマコのからえばり』2016・集英社文庫-北海道東川町が出てきます!

2025年07月10日 | 北海道を読む

 2016年8月のブログです

     *

 シーナさん、こと、椎名誠さんの『流木焚火の黄金時間-ナマコのからえばり』(2016・集英社文庫)を読みました。

 シーナさんが週刊誌サンデー毎日に連載をしているエッセイをまとめたナマコのからえばりシリーズの堂々第7巻(あれ?なんか宣伝ふうになってしまいました)。

 いつものように身辺雑記を記しながらも、世の中のおかしなことを爽快に滅多切りにしています。

 シーナさんはじーじより10歳としうえの(じーじが勝手に)尊敬をしている人生の先輩ですが、いつもその鋭くも正確な感性にとても共感ができるので、すごく気持ちよく読み進めることができます。

 そして、今回も、いつもの調子で、大笑いやくすくす笑いをしながら、ウンウンとつよく頷きながら読んでいると、なんと!「北海道の東川町で考えた」という文章が出てきました。

 シーナさんの写真展を写真の町宣言をしている東川町で開催することになり、お話もしてきたという記事です(じーじもぜひ行きたかったです)。

 写真甲子園のことや樹木に囲まれた家々のこと、大雪山の湧き水による水道のことなど、さすがは一流の作家さん、とても丁寧でわかりやすい文章で綴っています。

 そして、最後に、東川町の写真による町おこしについてふれ、安直なテーマパークなどで町おこしするよりもずっと大切な取り組みではないか、とここでも鋭い問題提起をされています。

 ひさしぶりに痛快なシーナ節を聞いて、おいしいビールを呑むことができそうです。     (2016.8 記)

     *

 2020年11月の追記です

 シーナさんがもし、写真甲子園の審査員になったら、じーじは何を差しおいても東川町に行きます。

 来年あたり、コロナを怖がりつつ群れているであろう東京オリンピックに背を向けて、写真甲子園を観にいきたいものです。     (2020. 11 記)

 

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玉村正敏ほか『東川スタイル-人口8000人のまちのが共創する未来の価値基準』2016・産学社

2025年07月09日 | 北海道を読む

 2016年8月のブログです

     *

 この本は道の駅ひがしかわで買いました。

 新潟にいた時にはノーチェック、旅ではこういう楽しみがあるからやめられません。

 まとめたのは慶応大学の先生たちでコンセプトもすばらしいのですが、同時に、インタビューを担当した吉田真緒さんの飾りのない素直な文章が、東川町の水や空気のようで、すがすがしく、心地よい感じです。 

 昔はほかの町と同じようで、過疎化に悩んでいた町が、どんなふうに変わってきたのかを、その変化を担ってきた人たちを主体として、徹底的に取材をし、その底に流れる考え方や生き方に迫っています。

 下手な小説より感動的ですが、決して劇的なものではなく、ふつうの人たちがふつうの暮らしを大切にしている中で、変化が自然に起こってきていることがすごいと思います。

 いわば、うまくいっている時のカウンセリングみたいな感じで、押し付けでなく、自然な変化を促すような印象を受けます。

 人も町も、おいしい空気と水があれば、そして、それを大切にしていくように暮らしていれば、人や町そのものをも育むことになるのかもしれません。

 シンプルだけど、大切なことに気づかせてくれた一冊です。      (2016.8 記)

     *

 2025年7月の追記です

 今年4月のブログにも書きましたが、東川町の魅力は自然の豊かさにもありそうです。

 なんせ、町内に大雪山旭岳があって、その美しい姿を毎日のように見られるのは素敵です。

 そして、動物。えぞゆきうさぎくんやきたきつねくん、えぞりすくん、えぞしまりすくんたちが町中に住んでいるようですし、山に行けば、えぞしかさんやひぐまさんだっています(?)。

 動物と人間が共生できる町と自然、それが東川町の魅力の一つなのでしょう。

 なかなか大変だろうとは思いますが、いつまでも大切に守っていただきたいなあと思います。    (2025.7記)

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写真文化首都・東川町編『東川町ものがたり-町の「人」があなたを魅了する』2016・新評論

2025年07月08日 | 北海道を読む

 2016年8月のブログです

     *

 夏休みで北海道に来ています。

 東川町に滞在しています。

 北海道に来るといくつかの楽しみがありますが、地元の本屋さんで地元関連の本を探すのもその一つ。

 今回は今のところ、瀬川拓郎『アイヌと縄文-もうひとつの日本の歴史』(2016・ちくま新書)と玉村正敏・小島敏明・吉田真緒『東川スタイル-人口8000人のまちが共創する未来の価値基準』(2016・産学社)と本書の3冊を買いました。

 本書は東川町が作った本ですが、出版社のアドバイスもいいのか、お役所くさくなく、とても面白く、読みやすく、魅力的な本です。

 東川町は「三つの道がない」ことを自認している町で、つまり、国道、鉄道、水道がない田舎の小さな町なのですが、そのかわりに、大雪山からの豊富な湧き水と町内どこからでも見える大雪山の美しい姿がすてきなところです。

 天然のミネラルウォーターを毎日、どこでも飲めるというなんとも贅沢な町です。

 最近は写真甲子園でも有名になってきましたが、木工をはじめとして芸術面での関心も高く、また、町立の日本語学校などもあって、文化的な香りもする町です。

 朝夕の散歩をするだけでも、きれいな空気と美しい景色が楽しめ、体にもこころにもよさそうな気がします。

 いつかはこんな素敵なところで老後をのんびりと過ごしたいなと思わせるようなところです。

 今年も短い滞在ですが、リフレッシュをしていきたいと思います。        (2016.8 記)

 

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さとうち藍・著/関戸勇・写真『アイヌ式エコロジー生活-治造エカシに学ぶ、自然の知恵』2008・小学館

2025年06月19日 | 北海道を読む

 2017年8月のブログです

     * 

 さとうち藍さん著、関戸勇さん写真の『アイヌ式エコロジー生活-治造エカシに学ぶ、自然の知恵』(2008・小学館)を読みました。

 この本も旭川の本屋さんで偶然見つけて読みました。

 2008年の本ですが、いい本です。

 文章だけでなく、写真もすばらしいです。

 北海道浦河町出身のアイヌ民族で今は千葉県に住む浦川治造さんにアイヌの生活や思想などを学ぶという本ですが、それが現代日本への痛烈な批判になっています。

 といっても、浦川さんには、別に今の日本を批判しようという意図はないのですが、自然を敬うアイヌの人たちの生活を学ぶと、自然を破壊して平然としている現代日本を批判する形になってしまいます。

 これは、和人による蝦夷地支配に始まり、以後の明治政府のアイヌ同和政策、そして、その後の北海道開発によって、悲劇的とでもいうような、自然破壊につながってきます。

 じーじもどさんこであり、開拓民の子孫ですので、他人事とは言えません。

 子どもの頃はともかく、責任あるおとなになった以上、明治政府やその後の日本政府の横暴や自然破壊について、冷静に振り返る必要がありそうです。

 しかし、それにしても、アイヌの人たちの、自然と共存する姿勢はすごいです。

 本書で、さまざまなアイヌの人たちの知恵が紹介されますが、学ぶところが多いです。

 全くの偶然でしたが、いい本と北海道で出会えました。

 なお、蛇足ですが、この本を読み終えてからわかったのですが、さとうちさんと関戸さんが組んだ『武市の夢の庭』(2007・小学館)という本も、数年前に偶然読んだことがあります。

 こちらも北海道滝上町の自然庭園を紹介したいい本ですので、おすすめです。 (2017.8 記)

 

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立松和平『魂の置き場所』2007・柏艪舎-立松和平さん・知床・ヒグマくん

2025年06月07日 | 北海道を読む

 2015年7月のブログです

     *

 何かいい本はないかな,と本棚を眺めていたら,黄緑色の背表紙が目にとまりました。

 見てみると,黄色のキタキツネの絵,和平さんの知床のエッセイ集でした。

 2007年の本なので,8年ぶりです。

 和平さんは仕事で知床に友人ができ,山荘を購入したという人。

 ずいぶん知床に惚れこんでいたことがわかります。

 うらやましい! 

 もっとも,学生時代に,利尻や知床を貧乏旅行していたようですから,素質はあったのかもしれません。

 クマやシカ,サケ,そして道産子についてのお話は興味深いです。

 特に,クマと人間が共存をしているというルシャの番屋のお話はなんど読んでもびっくりします。

 じーじもふるさと北海道をさらに再発見していきたいなと思いました。       (2015.7 記)

     *

 2022年5月のブログです

 先日、残念なことに知床で観光船の事故が起こってしまいましたが、知床はいいところです。

 じーじも20数年前に一度だけ観光船に乗りましたが、雄大な景色を堪能しました。

 もっとも、貧乏なじーじは岬の先端まで行く船には乗れずに、途中のカムイワッカの滝が海に落ちるところまでしか行けませんでしたが、それでも感動したことを覚えています。

 もう一度、チャンスがあったら、ぜひ乗ってみたいです。       (2022.5 記)

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立松和平『歓びの知床』1999・地球丸-和平さんの知床・知布泊での丸太小屋生活です

2025年06月03日 | 北海道を読む

 2020年5月のブログです

     *

 立松和平さんの『歓びの知床』(1999・地球丸)を久しぶりに読みました。

 面白かったです。

 今年の連休はコロナで県外に出かけられないので(県境で検問をしているニュースまでありました)、もっぱら読書三昧の生活。

 もっとも、じーじの場合、車中泊で旅行をしていても、人の少ないところで、景色を眺めたり、本を読んだり、ビールを呑んだりしているだけなので、家にいるのと同じなんですけどね…。

 さて、本書、和平さんの知床・知布泊での丸太小屋生活を綴っています。

 以前、この本を読んで、じーじも知床に小さいのでいいので、丸太小屋がほしいな、と思ったことがあったくらいで、あこがれの生活です。

 山荘のまわりでソバを育て、しまいには地元の友人たちと農業会社まで作ってしまいます。

 さらに、別の友人に頼まれて、毘沙門堂まで建立、和平さんはすごいです。

 しかし、メインはやはり知床の大自然。

 クマさんやシカさんとの生活がうらやましいです。

 シカさんは和平さんのソバを食べちゃったりしますが、さすがは和平さん、人間がシカさんのところにお邪魔をしているのだから、少しくらいはシカたない(?)、とおっしゃいます(オヤジギャグです、すみません)。やっぱり大物です。

 クマさんとのお話もたくさん。

 ニコルさんのクマさんとの体験談や大瀬さんという知床で有名な漁師さんのお話も出てきて、本当にうらやましいです。

 本を読んでいるだけで、シカさんやクマさんと一緒に生活をしているような、しあわせな気分になってしまします。

 このあと、おいしいビールを呑めば、これはこれで幸せなひと時が過ごせそうです。        (2020.5 記)

    

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渡辺一史『北の無人駅から』2011・北海道新聞社-北海道を読む

2025年06月03日 | 北海道を読む

 2015年のブログです

     *

 本棚からまた北海道の本を見つけました。

 渡辺一史さんの『北の無人駅から』(2011・北海道新聞社)。

 4年ぶりです。

 北海道の六つの無人駅にまつわるエッセー集です。

 じーじが特におもしろく読んだのは釧網本線の茅沼駅の文章。

 前回は読み方が浅かったのか,今回もまったく新鮮に読めました。

 いい本はこういう楽しみがあります。

 絶滅寸前だったタンチョウにかかわるいろいろな人々の行ないや思いなどが綴られていて,考えさせられます。

 また,いちどは絶滅をしてしまった新潟のトキなどとの対比についても書かれていて,こちらも考えさせられます。

 そして,自然保護や生活や開発,動物との共存など,表面的でない深い思索と地についた取材と考察が見事です。

 北海道新聞は北海道の地元の新聞ですが,なかなか硬派で,北海道に旅行をした時は愛読をしています。

 今後も良い記事と書籍を発行していってほしいなと思いました。      (2015 記)

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 2024年1月の追記です

 家裁調査官の仕事をしていた頃、出張で無人駅を利用することが時々ありました。

 無人駅なので、駅前からバスが出ているようなことも少なく、たいていは当事者のお宅まで歩きましたが、雨や雪などの時には苦労しました。

 仕事を終えて、無人駅に戻っても、自販機などがないところもあって、持参の水を飲んだりして、列車を待ったものです。

 しかし、そんな無人駅でも、列車通学をしている高校生が必ずいて、感心をしました。

 無人駅と通学列車は、高校生にとってはとても大切な存在であることを実感しました。

 天気が悪い時などは大変でしょうが、そういう苦労は後で必ず生きてくると思います。

 頑張れ!高校生。  (2024.1 記)

 

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