ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

佐々木譲『真夏の雷管-北海道警・大通警察署』2019・ハルキ文庫-おとなの男女を描く良質の小説

2023年05月31日 | 北海道を読む

 2019年夏のブログです

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 佐々木譲さんの『真夏の雷管-北海道警・大通警察署』(2019・ハルキ文庫)を読みました。

 旭川の本屋さんで見つけて読みましたが、とても面白かったです。

 佐々木さんは北海道在住の小説家。北海道を舞台にした良質の小説をたくさん書かれています。

 本作もネグレクト気味の小学生をめぐって、警察官、母親、そして、爆弾犯人が、それぞれの立場からおとなのあり方を提示し、関わります。

 そして、小学生もそれぞれのおとなの真摯な態度に何かを学ぶようです。

 佐々木さんの小説は文章がうまく、かつ、スピード感がすごいです。その読後感もとてもすがすがしいです。

 解説の池上冬樹さんも述べておられますが、佐々木さんの小説は犯人への目線が温かで、アメリカの警察小説のように一方的に邪悪な人物ではなくて、犯罪に至る経過が丁寧に描かれているのが特徴的です。

 どこか家裁調査官の非行少年へのまなざしを思い浮かべられるようなところがあります。

 そこが佐々木さんの小説の魅力です。

 警察官も、弱さも強さも抱えている普通の存在で、右往左往してしまいます。

 特に、男女関係はとても不器用で、しかし、そこが微笑ましいですし、魅力的でもあります。

 北海道に来て、北海道が舞台のいい小説が読めて、最高の贅沢です。(2019.7 記)

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 2020年冬の追記です

 佐々木さんの北海道警シリーズにはまってしまった勢いで、今日は『真夏の雷管』をまた読んでしまいました。

 前回からまだ半年で、あらすじはさすがの忘れん坊のじーじでもある程度は覚えていたのですが、佐々木さんの文章がスピード感があって、かつ、その表現がおとなの味わいに満ちているので、一気に読まされてしまいました。

 信ずることのすごさ、信ずる者同士の良さ、不器用でも思いやることの大切さ、などなどが描かれています。

 改めて素敵な小説だと思いました。(2020.1 記)

 

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岡松和夫『無私の感触』2002・講談社-敗戦直後の日本で、文学や政治に真面目に取り組む青年を描く

2023年05月30日 | 小説を読む

 2023年5月のブログです

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 岡松和夫さんの『無私の感触』(2002・講談社)をすごく久しぶりに読む。

 おそらく20年ぶりくらいだ。

 本棚の横の本の山の中から発掘をした(?)。

 岡松和夫さんのことはどれくらい知られているのだろう(岡松さん、ごめんなさい)。

 じーじは、たぶん学生時代に、立原正秋さんの随筆に立原さんの近隣に住む友人として登場する岡松さんを知り、岡松さんと立原さんが小説の同人誌で切磋琢磨して以来の付き合いであることを知って、岡松さんの小説を読むようになった記憶がある。

 そして、岡松さんの小説の中で、若者を主人公とした『深く寝ざめよ』や『詩の季節』『魂ふる日』などを読んで、その端正で堅牢な日本語を味わっているが、一方で、きちんと読んでいない小説も多くあり、あまりいい読者とはいえないかもしれない(岡松さん、再びごめんなさい)。

 岡松さんは福岡の出身で、東大の仏文科と国文科を卒業、同期には大江健三郎さんがいて、学生小説コンクールでお二人は同時入選をしたことがあるという。

 その後、岡松さんは短大で日本文学の先生をしながら小説を書き、やはり日本文学に詳しい立原さんと親しい付き合いを続けたらしい。

 立原さんの随筆で読むお二人の付き合いはとても楽しく、読んでいて羨ましいほどだ。

 さて、本書、例によって、あらすじはあえて書かないが、敗戦直後の日本で、学生運動を手伝いながら、組織についていけずに挫折をする大学生の青年が主人公。 

 貧しい学生生活の中で、文学や政治を真面目に考え抜き、生きる力を確認するかのような姿に共感する。

 真面目だが、人間味があるところが魅力だ。

 じーじもこんなすごい青春を送っていればよかったと反省する。

 浮ついた今の世の中で、何が大切かを考えさせてくれるよい小説だと思う。     (2023.5 記)

  

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戦争に反対をすることと弱いものを守ること-じーじのひとりごと

2023年05月29日 | ひとりごとを書く

 2015年のブログです

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 戦争反対の声が強い中で,安保法案が強行採決されました。

 これを見てもわかるとおり,戦争を起こすのはたいていは国家や政府です。

 国民が平和を望んでいても,国家がいろんな都合や思惑で戦争を始めてしまいます。

 戦争を始める国家と政府に国民が反対をするのは,過去の例を見てもなかなか難しいだろうと思います。

 国家と政府は,防衛力の増強だとか,武器輸出,機密保護とか安保法制,報道機関への圧力,さらには,原発や公共工事の強行とか教科書検定,国歌や国旗の強制,そして,おそらくは徴兵制の復活など,さまざまな手を使って,圧力を強めます。

 ですから,国家や政府が横暴を振るわないように,事前にいろいろな工夫が必要でしょう。

 急に国家や政府の暴走を止めようと思っても難しいだろうと思います。

 そのためには,まずは身近なところから弱いものいじめをしている国家や政府などをはじめとする権力に反対していくことが大切になりそうです。

 会社,役所,学校,農協,町内会,PTAなどなど,さまざまなところで,そこにもし弱いものいじめをする権力の横暴があるならば,その権力に反対していかなければならないと思います。

 それはとても勇気の必要なことですし,時には孤立をするようなこともあるかもしれません。

 しかし,弱いものを毅然として守る人権主義や民主主義,議論や発言の自由のないところでは,権力に反対することは難しくなると思います。

 勇気を持って権力や国家,政府に反対し,自由で責任のある議論をしていくことが,戦争に反対することに繋がりそうです。 (2015.7?記)

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 2021年春の追記です

 弱いものいじめは今も続いています。

 福島第一原発の汚染水を海に流すこと、辺野古の工事強行、学術会議への介入、などなど。

 海外では、ミャンマーの軍や警察による住民虐殺、ロシアや中国による人権弾圧、各国での人種差別、その他もろもろ。

 暗い気持ちになりますが、まずは身のまわりから弱いものいじめにノーと声を上げていくしかありません。 (2021.4 記)

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 2022年3月の追記です

 ロシア政府がとうとうやってしまいました。ウクライナ侵略。

 自分の国を守るためには他国を侵略してもかまわないという口実は戦前の日本と同じ言い草です。

 侵略される側の国民の立場や尊厳はまったく考えられていません。

 さらに、酷いのは、ロシア政府内では1年前から軍事作戦が練られていたということ、ロシア国民だけでなく、ロシア軍の兵士にも説明がなかった点。

 侵略後も、ロシアの反戦デモを抑圧し、マスコミをつぶす横暴ぶり。

 酷いです。

 いつか、必ず、戦争犯罪人として裁かれなければならないと思います。 (2022.3 記)

 

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柚月裕子『あしたの君へ』2019・文春文庫-家裁調査官補くんの迷い、不安、成長を描く

2023年05月28日 | 小説を読む

 2020年夏のブログです

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 柚月裕子さんの『あしたの君へ』(2019・文春文庫)を読みました。

 これも旭川の本屋さんで見つけました。

 久しぶりに家裁調査官が主人公の本。

 というか、正確にはまだ研修中の調査官の一歩手前の調査官補、男子カンポちゃんが主人公です。

 じーじの現役時代、こんな推理小説になるような難しい事件はなかったよな、と思いながらも、しかし、じーじが凡庸で気づかなかっただけかな、と反省をしたり…。

 もっとも、話をきけばきくだけ、真実は深まるということはあったかもしれないな、という感想もあります。

 ただし、今となってみれば、ただ話をきくだけでは、話は深まらないし…、とも思い、やはり経験と研鑽が大事か…、とまたまた反省。

 例によって、あらすじはあえて書きません。

 感想に限ろうと思うのですが、これがなかなか難しい。

 元同業者のことはやはり冷静に見えにくいのかもしれません。

 それにしても、物語のうえでのこととはいえ、カンポくんの上司はなかなかいいです。

 適切なアドバイスをしたり、急な出張を許したり(実際には裁判官の許可が必要なので、こうはいきません)、行きつけのお店にボトルをキープしていたり、理想の上司です。

 こんな上司に見守られながらなら、いい調査官が誕生するかもしれません。

 今の現場は少しはこういうことに近づいているのでしょうか。

 そして、同期同士の友情。

 臨床は、やはり、同期、先輩らとの切磋琢磨からしか、成長ができない世界なのかもしれません。

 久しぶりに新鮮な気分にさせてくれた、いい小説でした。 (2020.7 記)

  

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行者にんにく!を眺めながらの里山カウンセリングは、こころもにんにん元気になります

2023年05月27日 | カウンセリングを考える

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや里山カウンセリング,海岸カウンセリング,訪問カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でやっています。また,面会交流の相談・援助もやっています。

 公園カウンセリングや里山カウンセリング,海岸カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回あるいは月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間などは公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,1週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回50分3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回60分6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 行者にんにく!を眺めながらの里山カウンセリングは、こころもにんにん元気になりますよ。

 

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T・H・オグデン(藤山直樹監訳)『精神分析の再発見-考えることと夢見ること、学ぶことと忘れること』2021・木立の文庫

2023年05月26日 | 精神分析に学ぶ

 2022年5月のブログです

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 アメリカの精神分析家であるT・H・オグデンさんの『精神分析の再発見-考えることと夢見ること、学ぶことと忘れること』(藤山直樹監訳・2021・木立の文庫)を読む。

 2021年10月の発行時に一回読み、半年後の今回、再読をする。勉強嫌いのじーじにはめずらしいこと。

 すごく面白い本だが、なかなか難しく、どれだけ理解できたか。

 再読をしても、感想文を書くほど理解できているかどうかもわからないが、とりあえず今の段階でわかっているらしいことを記す。

 そういえば、オグデンさんの本はとても面白くて数冊読んでいるが、いずれも感想文は書けずにいる。今後の課題だ(藤山さんの翻訳デビュー作であるオグデンさんの『こころのマトリックス-対象関係論との対話』(1996・岩崎学術出版社)もとてもいい本で、いつかご紹介できればいいなあと思う)。

 さて、今回読んで感じたことを一つ、二つ。

 まずは、オグデンさんが、ビオンさんの『臨床セミナー』(じーじの拙いブログもあるので、よかったら読んでみてください)を詳しく解説というか、説明しているところがすごい。

 ビオンさんがセミナーでケース提供者にスーパーヴィジョンをしている内容だけでもすごいが、それをさらにわかりやすく解説するオグデンさんの多面的な視点がすごいと思う。すごく勉強になる。

 ともすると、一見わかりにくいビオンさんの言葉が(ビオンさん、ごめんなさい)、オグデンさんの説明で、すごくよくわかる(ような気がする)。

 そして、驚いたのが、オグデンさんもわからないことに耐えることの大切さを述べているところ。

 ビオンさんの、事実と理由を苛立って追い求めることなく、不確実さ、謎、疑惑のなかに留まること、というところをひいて、真に考えるためには、知らないということへの耐容性が必要である、と述べている。すごい。

 ますます深く考えていく必要が出てきたと思うし、ゆっくりと不確実さを味わっていこうと思う。

 二つめは、夢見ること。

 オグデンさんは、精神分析では、夢見ることが大切で、精神分析の時に、それが患者さんでは自由連想になり(子どもでは遊びになり)、分析家ではもの想いになる、とウィニコットさんをひいて述べる。

 卓見であると思う。夢見ることの大切さをわかりやく述べていると感心する。

 そして、さらに、夢の重要さや不思議さなどについても、たくさんの症例が述べられていて、勉強になると思う。

 時間をかけて読んだわりには、ご紹介できる内容が拙いが、本当にいい本だと思うので、今後も再読をして、実践を重ねて、理解を深めていきたいと思う。

 素敵な本に出会えて幸せである。 (2022.5 記)

 

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T・H・オグデン(狩野力八郎監訳・藤山直樹訳)『こころのマトリックス-対象関係論との対話』1996・岩崎学術出版社

2023年05月26日 | 精神分析に学ぶ

 2023年5月のブログです

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 久しぶりに再読をしたT・H・オグデン(狩野力八郎監訳・藤山直樹訳)『こころのマトリックス-対象関係論との対話』(1996・岩崎学術出版社)をようやく読み終える。

 藤山直樹さんの翻訳デビュー作である。

 藤山さんが土居健郎さんの7年にわたるスーパーヴィジョンを終えて、狩野力八郎さんのスーパーヴィジョンを受けはじめた頃、狩野さんから紹介のあったこのオグデンさんの本を藤山さんが翻訳、それを狩野さんと藤山さんが4年をかけて検討したという労作。学者さんの世界も大変だ。

 オグデンさんの本の紹介は2冊目だと思うが、オグデンさんはアメリカの精神分析家で、フロイトさんやクラインさんの考えを深化させ、ウィニコットさんやビオンさんのアイデアを発展させている人で、じーじもよくわからないなりに(?)ファンである。

 たしか、土居健郎さんが有名な『方法としての面接』の中ですでに注目をされていて、その本物ぶりがわかるが、オグデンさんの本はどれもかなり難解だが、読みごたえがある。

 じーじもわからないなりに読んできているが、なかなか感想文を書くほどには理解ができず、もう何回かずつは再読をしないと、自分なりの考えがまとめられない状態だ。

 しかし、いつまでもそうも言ってられないので(?)、今回も、わからないなりにも、現状でわかる(らしい)ことを大胆にも(?)感想文に書いてみることにした。

 まずは、フロイトさんやクラインさんの考えの検討がすごい。精神分析の概念がていねいに再検討され、哲学的な視点からも考察されて、勉強になる。

 特に、クラインさんの妄想・分裂ポジションや抑うつポジションの再検討などは、そういう見方もできるのかとびっくりする。

 視点が主体や歴史の問題などにも発展をして、読んでいてわからないなりにも面白い。

 さらに、ウィニコットさんの考えの再検討も刺激的だ。

 遊ぶこと、移行対象、可能性空間などのアイデアがより深く検討され、投影同一化のプラスの意義も明らかにされて、目からうろこが落ちる感じがする。

 おそらく、これからも何回も再読をしないとわからなさが残るのだろうが、奥の深さが予感されて、楽しみでもある。

 わからないことに耐えることは、精神分析の世界でも同じなのだろう。

 奥の深い、いい本に出会えて、幸せである。 (2023.5 記)

 

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佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』2019・新潮文庫-その1・生きづらい大学男子の友情と恋愛を描く

2023年05月26日 | 小説を読む

 2019年夏のブログです

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 佐藤多佳子さんの『明るい夜に出かけて』(2019・新潮文庫)を読みました。

 この本も旭川の本屋さんで見つけました。

 面白かったです。

 佐藤さんは『しゃべれども しゃべれども』や『一瞬の風になれ』などの、名作と呼んでいい小説を書かれていますが、本作もなかなか力作です。

 主人公は大学を休学中の男子学生。

 人づきあいがあまり得意でなく、しかも、じーじと同じ女子恐怖症(?)で、生きづらそうです。

 それでも、コンビニのアルバイトをしているので、じーじより優秀(!)です。

 楽しみはラジオの深夜番組への投稿。

 こう書くと、ネクラとしかいいようがありませんが、そんな彼がバイト仲間やラジオ仲間との交遊の中で、少しずつ変わっていく姿が描かれます。

 登場人物がユニークで、魅力的。

 佐藤さんの温かな視線が光ります。

 もっとも、お話は全然、甘くはなく、冷徹(?)で、シビアな世界が展開します。

 おとなが読んでも、いろいろと考えさせられる深みのある小説です。

 読後感がすごくいい。

 旅先でいい小説と出会えて、幸せです。(2019.8 記)

 

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立原正秋『その年の冬』1984・講談社文庫-立原さんの最後の長編小説です

2023年05月23日 | 小説を読む

 2023年5月のブログです

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 立原正秋さんの長編小説『その年の冬』(1984・講談社文庫)を再読する。

 立原さん最後の長編小説。

 1979年(昭和54年)10月18日から読売新聞朝刊に連載され、翌年4月18日に第一部完となる。

 この間、立原さんは、1980年(昭和55年)2月に肺気腫ということで入院、3月1日にいったん退院をするが、4月7日に再入院、肺がんと判明する。

 立原さんは再入院後もこの作品を書き続け、しかし、さすがに、当初、9月までの連載予定を4月で第一部完という形にして、責任を果たす。

 すごいプロ意識と責任感に感動する。

 同年8月12日死去。

 立原さんらしい最後であった。

 この小説もあらすじはあえて書かないが、本物の生き方を求めるものと虚飾の世界を生きるものとの対比を厳しく描く。

 美しいものには温かく、優しいが、醜いものやずるいものにはとことん厳しい立原さんの世界はここでも健在だ。

 男の友情も楽しく描かれる。

 そして、立原さんの描く男女の世界は、やはり美しさと醜さの対比が厳しい。

 理想と現実、しかし、その中でもがく人たちにも、以前よりは温かいのは気のせいだろうか。

 厳しいが、読後感のよい小説である。     (2023.5 記)

  

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ちびっ子たちを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもにぎやか元気になります

2023年05月22日 | カウンセリングを考える

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリング,訪問カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でやっています。また,面会交流の相談・援助もやっています。

 公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回あるいは月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間などは公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,1週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回50分3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回60分6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 ちびっ子たちを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもにぎやか元気になりますよ。

 

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