気持ちいいのが、湖。気持ち悪いのが、沼。ゆっくりと、そして、はげしく、川のように流れていくのが落語。

2008-03-16 23:52:32 | 志らく
さぁ、どんな手で来るのか?

さぁ、どう料理して来るのか?

蕎麦を食いに行ったんだ。
蕎麦が出てくるのは、蕎麦を食いに行ったんだから、
当然、判っているんだけれども、
どんな盛りつけで、どんな調理をして、出てくるのか。
あらかじめ、工夫をしますよ、今回は、って予告をされているんですからね。
それは、身構えてしまいますよ、期待をしますよ、こちらも。
蕎麦粉と小麦粉の配分とか、細かいことまでは判らないですが、
蕎麦は好きですからねぇ。
どれぐらい好きかぁてぇいうと、
かけか、ざるか、というより、
へぼか、ざるか、というぐらいですから。

2008年3月14日(金)19時
立川志らく独演会
~志らくの落語長屋~
東銀座・ブロッサム中央会館

立川志らく「子別れ」上中下
~仲入り~
立川志らく「落語長屋」

「落語長屋」
川島雄三「幕末太陽傳」のような落語をしたい。
こういわれたら、根が単純だから、
長屋を舞台に、八っあんに、熊さん、横丁のご隠居、馬鹿で与太郎、人のいいのが甚兵衛さん。
こんなところが、出たり入ったり、するのかと思っていた。
「幕末太陽傳」は、廓を舞台に、フランキー堺が演じる佐平次を軸に、
「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」などの噺を再構成して、
スピンアウトしながらの傑作である。
そんな落語をつくりたい、と挑んだ「落語長屋」
「落語長屋」は、「落語国の住人」と言い換えることができるのでしょう。
「落語長屋シリーズ」今回は、若旦那が軸で、舞台はそれぞれかわり、テーマが、…。

「よかちょろ」(文楽)
「二階ぞめき」(志ん生)
「湯屋番」(円生)
「ざる屋」(馬生)
「時そば」「突落とし」(小さん)
「付き馬」(馬金)

こちらの噺の中にも「子別れ」の八百屋が登場してました。
手塚治虫先生の「ヒョウタンツギ」みたいに、志らく落語のキャラクターになると面白い。
仲入り前が、「子別れ」上中下、八百屋が、また、いい味だしてたから、効いているんですけどね。

仕掛けは、すばらしい。
名人へのオマージュ、若旦那の一気通貫、
何度も肯きながら笑いが込みあげてくる、テーマであるさげ。
このテーマが、びっくり、すごい。
頭が、パッカーンと割れて、水が湧いて、木が生えて、
「花見じゃ」「花見じゃ」、その穴に飛び込んだろっ、って、
「付き馬」の辺りから、頭がピキピキいってむず痒かった。
落語が好きな方は、賛否両論あるかも知れませんが、
やりやがったなぁ、と思ったことでしょう。

一席目、「明烏」を演って、仲入り後、
その若旦那が、っていうのは、無理だったですかね。
考えると、ぞっくと来ますが、飛躍しすぎですか。
この噺は、「唐茄子屋政談」が途中に入ると、こうは、ならない、
なぜ、「湯屋番」であり、「ざるや」か。
「千両みかん」「崇徳院」も入らない。
「火事息子」も、はずれてしまって、
そのままじゃ、入れることはできませんね。

こうなると、こちらも欲がでてくる、
「落語長屋」大工の棟梁、横丁のご隠居(大家)、番頭、与太郎、甚兵衛、甚五郎、…
なんて、シリーズで、いろいろ聴きたくなりますね、
どんなテーマで来るかも楽しみになります。
与太郎は、家元の与太郎噺三本立て「かぼちゃ屋」「豆屋」「孝行糖」をCDで聴いた。
この与太郎が大人になって甚兵衛さんになるって言っていたのはだれだっけなぁ。

口調も、ジェットコースター落語から、ゆっくりになっていました。
銀座という場所柄か、以前に行った志らく独演会の会場より、年配の方が多かったような気がします。

昨年末、有楽町のホールで、
家元が、終演後「一期一会」です、と言った。

ライブは、ほんとに「一期一会」なんだ。

昭和の名人たちがいた、とかいう方の中で、
「落語長屋」のような落語が生まれると想像していた方は、
どのくらいいたのだろうか。

~こんかいのおまけ~
志らく版脳内メーカー(これは、勝手に名付けました。)
談志   右脳70%、左脳30%
志の輔兄 右脳30%、左脳70%
談春兄  右脳50%、左脳50%
志らく  右脳90%、左脳10%
(~志らくの落語長屋~プログラムより)

志の輔、談春には、兄がつくんです。
兄弟子ですからね。

コメントを投稿