年内は、終了ですか!?黒談春

2008年3月25日(火)19時
立川談春独演会
第5回黒談春
紀伊國屋ホール

立川談春 「花見小僧」
立川談春 「お血脈」
~仲入り~
立川談春 「二階ぞめき」

落語を聴くと、お腹も刺激されるんですよね。
「花見小僧」では、
長命寺の桜餅が、食べてみたくなるんです。
あっ、あと、ゆで卵も。

以前、喬太郎さんで聴いたときにくらべて、
談春さんは、番頭さんと大旦那のくだり、主従の関係性はあっさり演った。
喬太郎さんは、番頭が大旦那に定吉を、飴と鞭で問い詰めるよう促し、
詰問に不安を抱える大旦那に障子の裏に、控えさせられていたのだが。
落語家によって、設定、性格、関係性が違います。

同じ落語家でも、前回と今回で違う、変わってくるから、おもしろい。
噺を完成させる試行錯誤の過程を一緒に楽しんでいくということ。

そんなに、普段、ゆで卵が好きなわけではないのですが、
どちらも、ゆで卵は、むしょうに食べたくなりました、この噺。

故八代目文楽さんは、噺を5年くらいかけて練って、
一言一句、完全に完成させてから口座にかけたそうだ。
寄席で「明烏」を演ると仲入りで、
甘納豆がいつもより売れたそうです。

仲入り前に、この噺が聴けるという状況が凄いと思いますが。
当時、寄席がメインで、他に聴く場所がなかった、
ということだからでしょうかね。

お血脈(おけちみゃく)といわれても、
知らない方は、ピンときませんねぇ。
落語のタイトルとしては、そのままの分かり易いタイトルのなですが、
言葉自体の意味を知らないですからね。

信州長野の善光寺にあって、極楽に行ける免罪符の印鑑の名前です。
この印鑑のお陰で、地獄に来る人が少なくなってしまったので、
地獄の閻魔様が、
「石川や 浜の真砂は尽きるとも 世に盗人の種は尽きまじ」
と辞世の句を詠んだ大泥棒・石川五右衛門にお血脈を盗むよう頼む噺。
登場人物の対話で進めるのではなく、
演者がストーリーを語って進める噺、地噺というもの。
談春さんは、この地噺を得意ではない、といって始めた。

まくらでは、東大寺の修二会、お水取りの体験談を長くはなし、
独演会ならではの、贅沢な特別なまくらです。
このまくらを話すのに、どのくらいの準備をするのでしょうか。
まくらに入ってすぐ、未体験の観客に、
自分の体験した特別の出来事を言葉だけでどこまで伝わるかに、
一瞬の逡巡をみせた談春さんも黒談春ならではと、
こういう部分もみせるんだぁ、と楽しみました。

特別な伝手(つて)で観ることができたといってましたが、
東大寺でコンサートを演った経験のあるさださん、
なのではないかと、勝手に思ってみたり。


「二階ぞめき」
先日、映画「さくらん」を観た。
当然、映画用にデフォルメした吉原なのだけど、
これが、二階に出来上がるなんて、
落語というのは、おそろしい。

突然だが、ドラえもんがいたら、
若旦那が、「スモールライト」で小さくなって、
二階はミニチュアの吉原で、無理なく、体験するんでしょうね。
もっとも、逆に、
ミニチュア版の吉原をつくる技術が大工にあったかどうかはわかりませんが。
ドラえもんなら、大工が造らなくても、
「万能舞台装置」で、吉原を造ってしまうでしょう。

奇想天外のアイデアやファンタジーに、
「なんで?どうして?」って子どもに尋ねられないように、
理屈を付けるために、藤子不二雄は、ドラえもんを生んで、
不思議なポケットを創ったんだなぁ、と反対から思ってみたが、
落語国で、ドラえもんが存在したら、
いままでの落語にはならないですわな。

なんで、ドラえもんの話が、飛び出してきたんだ!?
別に、似てるわけではないですしね。

出来上がった吉原で、
若旦那が、ひとりで人物を何役か演じて、
吉原ごっこをしていることを、
「ひとりで演るのは大変だぁ」と、
若旦那に何度も繰り返し言わせる談春さん、
あんなに言わなくてもと思ったのは、わたしだけでしょうか。
この噺を、はじめて聴くひとには、分かり易い親切な演出だと思いましたが。
妄想して自分の世界に入り込みドライブのかかる狂気に、
距離をおくのが、談春さんらしいのでしょうか。

年内は、黒談春は、終了らしいです。
刺激が、気持ちよく、もっと刺激が欲しくなったところなのですが。

’08年、これからは、四季談春、ですね。
チケット、取れるのでしょうか。

その前に、
「立派な寄席芸人になるためのリハビリ」の黒談春・三席を演り、
末廣亭の余一会では、なにをかけるのでしょう。
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新作台本 噺の息吹

2008年3月25日(火)
池袋演芸場3月下席 昼の部
新作台本作品集 ー 第二回落語協会噺の息吹 ー

柳亭市丸   「道灌」
鈴々舎わか馬 「ガーコン」
三遊亭天どん 「テレビショッピング」
三遊亭丈二  「レンタルヒデオ」
ホームラン   漫才
柳家権太楼  「幽霊の辻」
三遊亭歌之介 「お父さんのハンディ」
~仲入り~
桂才賀    「ビルゲイツは小指でもうけた」(ただしくは、どんなタイトルでしょうか)
柳家時蔵   「娘の結婚」
マギー隆司   マジック
柳家喬太郎  「東京タワーラブストーリー」

空席があるもほぼ満席。
新作台本の会とか知らないでふらっと入ってきてる方のいるような。
天どんさんの問いかけに、
喬太郎さん目当てと手を挙げる正直なお客さん、八名ほど。
歌之介さん、権太楼さんに、お客さんから声が掛かる。
才賀さん、釈台を使って、椅子に座っての高座。はやく良くなって下さい。
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”むらさめ”?、雨なら”あめ”って言って下さいよぉ。

演芸場の昼席にむかって、
遅れて、上野に着いたときには、
もう雨はあがっていた。

つぎから、つぎに、高座にあがる師匠が、
「もう雨があがってますよ」と、まくらで語る。
寄席は、ライブだからって、現在進行形の天候の様子を毎回、毎回、報告しなくても、
と、ここまで書いたが、

しかし、
「もう雨があがってますよ」に、続いて、
「だからって、いま、帰らなくても、もうしばらくの辛抱ですから」とか、
「まっ、あくまでも予報ですからねぇ」とか、
「降ったり、止んだり、移り気で」と、噺にはいったり、
この辺りのいろいろが、面白かったりしますねぇ。

上野鈴本演芸場
三月下席 昼の部「春一番・文左衛門」
2008年3月24日(月)

柳亭市馬      「長屋の花見」
鈴々舎馬風 
ニューマリオネット  花笠音頭、会津磐梯山・小原庄助
柳家さん喬     「替り目」
柳家三三      「悋気の独楽」
~仲入り~
林家正楽       相合傘、皇居・二重橋と正楽師匠、龍、
           お花見、浅田真央、真鯉・緋鯉の滝登り
入船亭扇遊     「家見舞」
桃月庵白酒     「ざるや」
翁家和楽社中
橘家文左衛門    「道灌」

「七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだに なきぞかなしき」
「道灌」を、さいごのトリで聴けるというのも、すごい事じゃないですか?

会場を後に、エスカレーターを降って、表に出ると、
何度にもわたる、ご報告通り、雨は止んでいた。(わたしが、入った時には、すでに止んでたんですけどねぇ。)
「道灌」に成らずにすんだ、なぁ。
「七重八重、花は咲けども、やまぶしの、みそひとだると、なべとかましき」
陽がのびましたねぇ、歌道にゃ暗いが、角は、…

雨上がりは、足下が危ないよぉ、よく滑からねぇ、
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春一番、ぴーちくぱーちく、陽気なこと。

東京に「開花宣言」がでました。
この国では、「花見」といえば、「桜」。
「開花宣言」といえば、「桜」です。
「寄席」といえば、…
「落語」といえば、…。
それぞれ、でございましょうが。

上野鈴本演芸場
三月下席 昼の部「春一番・文左衛門」
2008年3月22日(土)

柳亭市馬      「出来心」
柳家ほたる     「動物園」
昭和のいるこいる
桃月庵白酒     「子ほめ」
鈴々舎馬風 
ニューマリオネット
柳家三三      「長屋の花見」
林家正楽       相合傘、選抜(高校野球)、桜吹雪、散髪、ペガサス、フィギュア
入船亭扇遊     「初天神」
柳家はん治     「ぼやき酒屋」
翁家和楽社中
橘家文左衛門    「ちりとてちん」

ちょっと遅れたら、立ち見客が。
空席を見付けて、着席できました。

週末の寄席ってかんじ、
お酒も入って、家族連れもいて、
騒々しいが、微笑ましい空間になってました。

わざわざ、「あなたを見に来たのよぉ」と福岡からの、昔は若い女性のお客さん。
週末の、ということでしょうか、そんなお客さんに、カメラを渡して記念撮影。
演目も「ちりとてちん」。
ちりとてちん、を口に入れるや、角度がついたまま右後方へ倒れ込んだ。
高座に上がって、師匠が声を掛けた昔は若い男のお客さん、
無事に、家路につけましたでしょうかぁ。
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気持ちいいのが、湖。気持ち悪いのが、沼。ゆっくりと、そして、はげしく、川のように流れていくのが落語。

さぁ、どんな手で来るのか?

さぁ、どう料理して来るのか?

蕎麦を食いに行ったんだ。
蕎麦が出てくるのは、蕎麦を食いに行ったんだから、
当然、判っているんだけれども、
どんな盛りつけで、どんな調理をして、出てくるのか。
あらかじめ、工夫をしますよ、今回は、って予告をされているんですからね。
それは、身構えてしまいますよ、期待をしますよ、こちらも。
蕎麦粉と小麦粉の配分とか、細かいことまでは判らないですが、
蕎麦は好きですからねぇ。
どれぐらい好きかぁてぇいうと、
かけか、ざるか、というより、
へぼか、ざるか、というぐらいですから。

2008年3月14日(金)19時
立川志らく独演会
~志らくの落語長屋~
東銀座・ブロッサム中央会館

立川志らく「子別れ」上中下
~仲入り~
立川志らく「落語長屋」

「落語長屋」
川島雄三「幕末太陽傳」のような落語をしたい。
こういわれたら、根が単純だから、
長屋を舞台に、八っあんに、熊さん、横丁のご隠居、馬鹿で与太郎、人のいいのが甚兵衛さん。
こんなところが、出たり入ったり、するのかと思っていた。
「幕末太陽傳」は、廓を舞台に、フランキー堺が演じる佐平次を軸に、
「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」などの噺を再構成して、
スピンアウトしながらの傑作である。
そんな落語をつくりたい、と挑んだ「落語長屋」
「落語長屋」は、「落語国の住人」と言い換えることができるのでしょう。
「落語長屋シリーズ」今回は、若旦那が軸で、舞台はそれぞれかわり、テーマが、…。

「よかちょろ」(文楽)
「二階ぞめき」(志ん生)
「湯屋番」(円生)
「ざる屋」(馬生)
「時そば」「突落とし」(小さん)
「付き馬」(馬金)

こちらの噺の中にも「子別れ」の八百屋が登場してました。
手塚治虫先生の「ヒョウタンツギ」みたいに、志らく落語のキャラクターになると面白い。
仲入り前が、「子別れ」上中下、八百屋が、また、いい味だしてたから、効いているんですけどね。

仕掛けは、すばらしい。
名人へのオマージュ、若旦那の一気通貫、
何度も肯きながら笑いが込みあげてくる、テーマであるさげ。
このテーマが、びっくり、すごい。
頭が、パッカーンと割れて、水が湧いて、木が生えて、
「花見じゃ」「花見じゃ」、その穴に飛び込んだろっ、って、
「付き馬」の辺りから、頭がピキピキいってむず痒かった。
落語が好きな方は、賛否両論あるかも知れませんが、
やりやがったなぁ、と思ったことでしょう。

一席目、「明烏」を演って、仲入り後、
その若旦那が、っていうのは、無理だったですかね。
考えると、ぞっくと来ますが、飛躍しすぎですか。
この噺は、「唐茄子屋政談」が途中に入ると、こうは、ならない、
なぜ、「湯屋番」であり、「ざるや」か。
「千両みかん」「崇徳院」も入らない。
「火事息子」も、はずれてしまって、
そのままじゃ、入れることはできませんね。

こうなると、こちらも欲がでてくる、
「落語長屋」大工の棟梁、横丁のご隠居(大家)、番頭、与太郎、甚兵衛、甚五郎、…
なんて、シリーズで、いろいろ聴きたくなりますね、
どんなテーマで来るかも楽しみになります。
与太郎は、家元の与太郎噺三本立て「かぼちゃ屋」「豆屋」「孝行糖」をCDで聴いた。
この与太郎が大人になって甚兵衛さんになるって言っていたのはだれだっけなぁ。

口調も、ジェットコースター落語から、ゆっくりになっていました。
銀座という場所柄か、以前に行った志らく独演会の会場より、年配の方が多かったような気がします。

昨年末、有楽町のホールで、
家元が、終演後「一期一会」です、と言った。

ライブは、ほんとに「一期一会」なんだ。

昭和の名人たちがいた、とかいう方の中で、
「落語長屋」のような落語が生まれると想像していた方は、
どのくらいいたのだろうか。

~こんかいのおまけ~
志らく版脳内メーカー(これは、勝手に名付けました。)
談志   右脳70%、左脳30%
志の輔兄 右脳30%、左脳70%
談春兄  右脳50%、左脳50%
志らく  右脳90%、左脳10%
(~志らくの落語長屋~プログラムより)

志の輔、談春には、兄がつくんです。
兄弟子ですからね。
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「石響」で、「しゃっきょう」、と読むんだそうです。

コア石響、コンクリ打ちっ放しのスタジオ。
それで、石が響くのか。

2008年3月1日(土)14時30分~
コア石響

春風亭一之輔 「雛鍔」
橘家文左衛門 「道灌」
柳家三三   「長屋の花見」
~仲入り~
柳家三三   「宮戸川」
橘家文左衛門 「文七元結」

橘家文左衛門の「道灌」が面白い。
面白いには、訳がある。
四天王、三傑、へぇ、と感心しながら、くすぐりが入る。
他の方が演る「道灌」には、端折られて聴いたことがない。
TVのインスタントな笑いのない頃、当然、私も知らないのですが、
読み物、講談の日常の娯楽の中に、
普通に身についていた知識を改めて知ることが出来ながら、
笑わされる、一粒で二度美味しい。
知ることに喜ぶ脳みそと、笑うことに喜ぶ脳みその合わせみそ。
次から次から、ご隠居につっ込む八五郎。
その八五郎が、文左衛門さんと重なる。
文左衛門落語の鉄板、演者が消える魔球。
と、いうか、演者が噺の中に登場してくる?
「道灌」がこんなに面白いとはね。

一之輔「雛鍔」
春風亭一朝さんのお弟子。
一之輔さんは、中野で、「仲良しこよし文左衛門」以来。
その時のコントで、変質的な演技で、可笑みを感じた。
その要素を落語にも持ち込む落語かと思いきや
今回の「雛鍔」、過剰な演出がなく面白かった。
評判は聞いているのですが、なかなか立ち会うことがなかったです。

三三「花見の長屋」「宮戸川」
こういう空間で、三三さん、不思議です。
国立演芸場で6月2日、3日、4日と
『三三 三十三歳 三夜三席 三宅坂』
という落語会を仕掛けてくる。
演目も「三」を入れてくる。
2日(月)「三方一両損」「山崎屋」「道具屋」
3日(火)「三軒長屋」「崇徳院」「道灌」
4日(水)「三味線栗毛」「笠碁」「だくだく」
ただし、平日なんですよね。
どんなまくらを話すのかも楽しみです。

文左衛門「文七元結」
このラジオデイズの会は、はじめてで、
こんなたっぷり落語を楽しめるとは思ってなかったうえに、
文左衛門さんの「文七元結」を聴けるとは、なんですとぉ。
この噺、「情けは人の為ならず 巡り巡って己が為」で締めた。
こう締めたのは、はじめて聴いた。

これは、四谷から、飲まずに、帰れない。
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