ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年五月二十四日]

2008年05月24日 | fine arts
今日は湘南方面へ。天気さえ良ければ原チャリで行く処でしたが、生憎のハッキリしない天気の為、電車で出掛けました。次回は原チャリで行けるかな?! (写真: 鎌倉では東京の街中では最近ほとんど見かけないアオスジアゲハが一生懸命、花の蜜を吸っていました。)

東西の水辺の情景 清方からデュフィまで 於: 鎌倉大谷記念美術館
初めてここの美術館へ訪れました。ホテルニューオータニの前会長、大谷米一氏の私邸を氏を偲んで美術館にしたそうです。鎌倉の静かな郊外、緑多く海が眺望出来るとても良いロケーションにありました。今回は当館収蔵による水辺の景色が描かれた和・洋両方の作品の展示です。洋画はラウル・デュフィ氏の作品が多く、率直にとてもきれいな絵の数々でした。他に洋画ではオディル・ルドン氏の明るい色彩の水車を描いた作品、暗い絵のイメージがあるルドン氏だけにこの絵は目を惹きました。日本画では郷倉千靭氏の鮎を描いた作品がとても瑞々しく爽やかな画面が印象的で気に入りましたね。展示作品数はそれ程、多くありませんが、素晴らしい絵画を良い環境で見ることが出来ます。今度は天気の良い日にここを訪れたいと思いました。

↓ 鎌倉大谷記念美術館 ↓
http://www.komam.co.jp/

山口蓬春・名画誕生の軌跡 - 本画と下図から探るその絵画の魅力 (後) 於: 山口蓬春記念館
4/20に訪れた展示の後期展です。展示替えされた作品は僅か4点だけでしたが、まさにそれを見たいが為に出向きました。その作品は四季を描いた連作《春・夏・秋・冬》の内、今回は《夏・冬》二図の本画と下図です。《春・秋》はもちろん素晴らしい絵でしたが、《夏・冬》も良いですね。華やかな画面の夏、そして枯れた雰囲気の冬、四季の雰囲気がとても良く出ています。特に《冬》は絶妙でしょう。他の季節は花と鳥、花鳥画なのですが、この《冬》はゴツゴツとした岩場に鳥、ちょっと変わった趣。ですが、他の3点としっかりと調和しています。今度は《春・夏・秋・冬》、全てが並んだ様を見てみたいもの、収蔵先である東京国立近代美術館に是非ともお願いしたいですね。

↓ 山口蓬春記念館 ↓
http://www.jrtf.com/hoshun/

曼陀羅 つどうほとけたち 於: 神奈川県立金沢文庫
ここ金沢文庫へも訪れることが多くなりました。今回は神奈川県各所に納められている様々な曼陀羅図を一堂に集め公開しています。数多くの曼陀羅が並び、とても圧巻でした。特に弘明寺の黒地に金泥で描かれた大曼陀羅 (曼陀羅本来の大きさだそうです。) は凄い迫力でした。曼陀羅は密教教典の記述を基に絵図に仏を配置し、仏の世界を可視化したもので、その画面自体がひとつの宇宙だとよく言われますが、確かに曼陀羅をじっと見ていると自分が浮遊しているかの様に思えてきます。とても不思議ですね。経年の煙等で煤けてしまった曼陀羅には人々の信仰の深さや重みを感じます。今回、特別公開されている重要文化財の弘明寺本尊、十一面観音菩薩立像は平安時代に作られたノミの彫り跡を残した味のある造形のありがたい仏様でした。

↓ 神奈川県立金沢文庫 ↓
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm