ちょっといいな、ちょっと幸せ

映画、アート、食べ歩きなどなど、私のちょっといいなを書き留めました。

いただいた時間  Quality of Life

2010-01-31 22:38:47 | Weblog
 
 秋の終わりに体調不良で受診をして、検査を重ねたところ、悪性腫瘍の可能性が高いと説明を受けました。それから最終検査の結果が出るまで10日間待ちました。結果、良性で様子観察。厳しい告知を覚悟していたので、力が抜けました。
 検査の結果を待つ間は、川底の石になったような気持ちでいました。いろんなことを想い考えました。当たり前のことが奇跡のように思えました。日常の暮らしがいとおしく、些細なことに心を動かされる日々でした。自分のあり方を考えながら、いつもどおり、普段どおりの生活をしていたいと願いました。何か特別なことをするのであれば、会いたい人に会いに行こうと思いました。
 いま、時間をいただいたような気持ちでいます。時間をいただいたと、しめやかにそう思うのです。
 フォトは冬の海。

コーヒーポット

2010-01-28 08:30:49 | 陶芸
   
 白いコーヒーーポット。乳白釉の酸化焼成。
 容量450mlほど、カップ2杯はらくにこなしてくれるポットです。朝のコーヒータイムにほっとできるような、愛らしいぽっちゃり型にしました。本体の取っ手と蓋のつまみは扱いやすい形に。取っ手と注ぎ口の角度を調整して、きれいに注げることと、注ぎ終わった後に液垂れしないことを心掛けて形成しました。
 焼きあがったポットに水を入れて注いでみる。カップにきれいに気持ちよく注げる。注ぎ終えて、液垂れがないことを確認する。これで完成です。

ルイス・バラガン邸をたずねる

2010-01-24 09:54:38 | 芸術鑑賞
   
 ワタリウム美術館で開催中の「ルイス・バラガン邸をたずねる」展。メキシコを代表する建築家ルイス・バラガン(1902年-1988年)の自宅「ルイス・バラガン邸」を“内側”から体験し、感じる、展覧会です。
 メキシコのバラガン邸から家具や絵画などを運び込み、リビング、書斎、食堂、寝室を再現しています。一歩会場に足を踏み入れると、バラガン邸を訪れたような気持ちになります。作り物のような感じがなくしっくりくるのは、書棚の本に至るまで本物を展示していることと、バラガン邸の光を巧く再現しているから。特に印象的だったのが寝室。身長190cmのバラカンのベッドは意外なほど小さく簡素。静寂に包まれた薄暗い部屋に、マリア像と十字架の彫刻。心地よさと、神聖さを感じる空間。ここもまたバラカンにとって「隠れる場所」「閉じこもる場所」「孤独になれる場所」であったことを実感しました。   ~1月24日まで

DOMANI・明日展 2009

2010-01-19 16:33:06 | 芸術鑑賞
  
 国立新美術館で開催中の「DOMANI・明日展 2009」。文化庁の在外研修制度(新進芸術家海外研修制度)により、海外派遣された若手芸術家の中から選出された12名による展覧会です。絵画、写真、立体、インスタレーション、映像と多岐にわたった作品が、広く高さのある白い空間に伸び伸びと、ゆったり展示されています。
 栗本夏樹の作品は、伝統的な素材と手法、現代的な素材と手法を融合させた漆芸です。沈金や蒔絵にみられる日本独特の技法は凛として美しい。「祈る形Ⅲ」「祈る形Ⅳ」は、乾漆に漆塗りした、黒と朱色の作品。つぼみのような、合掌しているようなたおやかな佇まいは、生命の灯火のように感じられ、静かで厳かな気持ちになりました。
 伊庭康子の作品は、クッションや磁器の静物画です。身の回りの物の質感を確認するための試みとして、”質の在処と光=反射光”を描いているのだといいます。モチーフの立体感と質感、光の捉え方が素晴らしく、気品があります。オーガンジーに刺繍が施されたクッションの絵は、柔らかい布の表面と起毛する繊維、光と空気を感じます。見ていると、触れているような感覚になります。
 呉亜沙の作品は、絵画と人形。「自分と他者」をテーマに、あたたかい絵肌とやわらかな色彩で、自身の投影である少女や、他者の投影であるウサギを描いています。ウサギは呉のルーツである朝鮮半島の地図の形からきているのだといいます。純粋で可愛らしい。素直に共感できる作品です。
 「高野浩子」の作品は、人物の彫刻です。テラコッタの肌合いと、ふくよかで美しい姿に心を打たれます。「雲の依代」の優美で毅然とした横顔にうっとりとしました。    ~1月24日まで

あたたまる

2010-01-13 09:39:16 | お気に入り
  
 あたたかい、と感じる瞬間はいいなと思います。寒い外から家の中に入った時。温かい食事をいただいた時。外を歩きながら太陽の日差しを感じた時。あたたかさに、ふっと肩の力が抜けて、ふんわりとありがたみを感じます。あたたかい場所に人が集う風景もいいなと思います。
 お湯を沸かして、ハーブティーを淹れました。シュンシュンとお湯の沸く音、立ちのぼる湯気。やわらかいハーブの香り。両手でカップを包むようにして持つ手も温かい。ひと口飲んでお腹の中まで温まる。「あったかいね」「あったまるね」そんな何気ない会話もあたたかで幸せを感じます。
 お茶請けは、京都の和菓子・宝泉堂の「十二単」。

テディベア

2010-01-10 16:05:24 | お気に入り
 
 テディベアを仕上げました。作っている途中で布が不足してそのままにしていたもので、なんとなく気になっていました。今日、同じような布を宛がってやっと形にしてあげることが出来ました。
 このテディベアはとても思い出深いパターンです。友人に作り方を教わって、それから30体くらいは作って贈り物にしてきました。懐かしい思い出のいっぱい詰まったテディベア。抱きしめると、優しい気持ちになります。

Mamma Mia!

2010-01-06 20:48:55 | 映画
 
 エーゲ海に浮かぶギリシャの小島で、小さなホテルを経営するドナ(メリル・ストリープ)と娘のソフィ(アマンダ・セイフライド)。翌日はソフィの結婚式。父親を知らずに育ったソフィの夢は、結婚式のヴァージン・ロードを父親と一緒に歩くこと。そこで、母の日記から父親の可能性のある昔の3人の恋人を見つけ出し、内緒でドナの名前で結婚式の招待状を送ります。こうして20年ぶりにこの島にやってきたのがニューヨークの資産家サム(ピアース・ブロスナン)、スウェーデンの冒険家ビル(ステラン・スカルスガルド)、ロンドンの銀行員ハリー(コリン・ファース)。父親には会えば分かると思っていたソフィでしたが、本当の父親を見分けることが出来ず混乱します。結婚式当日、ソフィはドナにウェディング・ドレスを着せてもらいながら、自分を育ててくれた母の深い愛情を思い出し、結婚式のエスコート役をドナに依頼します。ソフィはドナにエスコートされてヴァージン・ロードを歩き結婚式が始まります。
 ABBAの大ヒット・ナンバー22曲に乗せて、ストーリーは軽やかに展開します。青い海、青い空、眩しい太陽。素晴らしく美しい風景。チャーミングなメリル・ストリープ。痛快にかっこいいクリスティーン・バランスキー。ユーモラスなジュリー・ウォルターズ。キュートなアマンダ・セイフライド。笑顔はじける溌剌とした女性たちに、いつの間にかカンパニーの一人になった気分になりました。
 「Dancing Queen」を歌い踊る場面はすてきです。最高にハッピーで「Life is beautiful!」そう思える場面です。「The Winner Takes It All」は、ドナの気持ちがひしひしと伝わってきます。そしてサムが歌う「When All Is Said and Done」には胸を打たれます。映画館で最初に観た時は、これほど素晴らしい歌詞とメロディーだとは思いませんでした。心の琴線に触れる歌詞とメロディー。いく度も聞いていたはずなのに、あとになってその歌の素晴らしさに気付くことがあります。イーグルスの「ラスト・リゾート」のように。物語の終わりに大切なものをそっと手渡されたような気持ちがしました。