ちょっといいな、ちょっと幸せ

映画、アート、食べ歩きなどなど、私のちょっといいなを書き留めました。

LE CONCERT

2010-05-30 09:30:03 | 映画
  
 邦題「コンサート!」。かつてロシア・ボリショイ交響楽団で天才指揮者と呼ばれたアンドレイ(アレクセイ・グジュコグ)は、共産主義時代にユダヤ人排斥を拒み解雇されて、劇場清掃員をしていた。ある日彼は、劇場に届いた出演依頼のFAXを目にして、かつてのオーケストラ仲間を集めて、ボリショイの代表としてこのコンサートで演奏しようと思いつく。
 オーケストラの楽器のように個性豊かな登場人物。中心となる仲間は東欧ユダヤ人やロマで、独特のユーモアとバイタリティがあります。団員集めからパリの劇場との交渉、パスポートや楽器、服装の手配まで、コミカルなドタバタ劇に笑ったり行く末を案じたり。時折交差する暗い過去が、アンドレイの真意を窺わせます。ロマの宴会シーン、生活の中の音楽とそれを心から楽しむ人々の姿がすてきです。リハーサル会場で、ロマのヴァシリがパガニーニのカプリースを弾くシーン、さっきまで泥臭いストリート・ミュージックを蔑むようにしていたアンヌ・マリー(メラニー・ロラン)が表情を変えます。音楽に上も下もない。奇跡のような瞬間に胸が熱くなりました。そして、コンサートのシーン。それぞれの想いが解き放たれ、ひとつになって飛翔するチャイコフスキーのバイオリン協奏曲は圧巻です。バイオリンの音色にバラバラになっていた楽団員全員が30年前のあの瞬間に引き戻され、かつての情熱と無念を思い起こします。途切れた時間が、引き裂かれた想いが、つながった瞬間。チャイコフスキーのバイオリン協奏曲に込められたそれぞれの想いと、魂はなくならないということを感じながら、聴き慣れた旋律がずっと心に響き続けました。音楽を離れていた人たちが起こした奇跡に出来過ぎの感はありますが、それが音楽の奇跡なのだと素直に思えます。チャイコフスキーの魔法にかけられた気分。生きていることが素晴らしいと思える映画はいいです。奇跡を信じたくなる映画はすてきです。

7 FOR ALL MANKIND

2010-05-24 10:49:22 | お気に入り
  
 セブンフォーオールマンカインドのジーンズ。色はインディゴカラー、素材はストレッチデニム。膝から足首にかけてストレートになっているストレートレグ。シルエットは、ストレートとブーツカットの中間ぐらい。微妙なラインとフィット感がいい。バックポケットには Seven For All Mankind のシグネーチャーS字のステッチとえんじ色のロゴ。ひげやダメージが入っていないリンスウォッシュで落ち着きがある。センタープレスのタイプで、前後のセンターに入った縦のラインが端正で然りげ無い。

国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団

2010-05-16 23:50:17 | おでかけ
  
ユーリー・バシュメット指揮
国立ノーヴァヤ・ロシア(新ロシア)交響楽団   5月14日19時開演

出演
上原彩子(ピアノ)
国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団
曲目
チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調op.23
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調op.64
アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
オリヴェイラ:ティコ・ティコ


 「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調op.23」はすごかった。上原彩子のピアノのしなやかで力強いフォルテと丸みを帯びた柔らかな音の対比が素晴らしい。ピアノとオーケストラとの掛け合いは、どちらも負けていないといった感じ。時に激しくぶつかりながら、時に穏やかに語り合いながら調和して実に見事でした。
 「交響曲第5番ホ短調op.64」。冒頭、クラリネットの低音で奏される旋律が、ためらうように一歩一歩踏み出していきます。内側からこみ上げてくるような、物悲しさを湛えた音に心が動きました。ロシアの森を想わせるような重厚で深みのある音。クライマックスに向けて緊張感が高まり華やかさを増していきます。「ロメオとジュリエット」共に、地力を感じさせる大音量、すごい演奏でした。
 若い指揮者と交響楽団だからでしょうか、力任せで荒削りに感じることもありましたがそれが魅力のようにも思いました。次の来日がたのしみです。

「市井の山居」 細川護熙展

2010-05-13 14:43:11 | おでかけ
  
 銀座・メゾンエルメス8Fフォーラムで開催中の、『「市井の山居」細川護熙展 / 茶室「亜美庵杜」設計・藤森照信 』。ギャラリーを茶の湯で言うところの「外露地」、「内露地」、「草庵」と把え、来場者をお茶に招いたような感じで、絵画作品を中心に、茶碗、陶仏などの作品が展示されています。
 外露地を流れる小川に見立てたガラスの上に、茶碗が置かれています。小井戸、刷毛目、瀬戸唐津、楽掛分け、伊羅保、信楽、絵唐津、唐津織部、斗々屋、志野、粉引、、黒茶碗、赤茶碗。禅的な佇まいがある茶碗の中でも、信楽と黒茶碗に惹かれました。信楽茶碗は、無骨な肌に端正な形の取り合わせが妙。黒茶碗は、深い色と濡れたような艶、揺るぎない風格があります。
 露地の隅っこに、ほほ杖を突いた信楽童子像。瞑想しているのにどこかユーモラス。愛らしい風貌に、抱き上げたくなりました。
 この展覧会を記念して作ったという、鳥、馬車、蓮の絵皿。エルメスらしい艶やかさと気品のある色使いと、筆の勢いを感じる絵が生き生きとしています。絵皿の裏の「H」がなんともすてきです。   ~7月19日まで。

Eau de pamplemousse rose

2010-05-09 12:47:43 | お気に入り
  
 エルメスのコロン、「オー ドゥ パンプルムス ローズ 」。トップノートは、グレープフルーツ、オレンジ。ミドルノートは、ローズ、ルボフィックス。ラストノートは、ベチバー。調香は、ジャン=クロード・エレナ。
 グレープフルーツの香りがフレッシュで爽やか。わずかに苦味をもたせた香りには深みと落ち着きがあります。セカンドは、ルバーブ様のグリーンを少し鮮やかに立たせたようなルボフィックスと甘さを抑えたローズ。気品のあるローズをグリーンが包み込むように香ります。そしてラスト、べチバーが静かな木陰を連想させるように穏やかに香ります。
 ジャン=クロード・エレナの香水には心地よさがあります。芳しい香りの向こうに風景を感じます。ふっと自分の記憶と重なる風景に心地よさを感じるのだと思います。バラが咲き始めた今頃によく似合う香りです。

La Folle Journee au JAPON

2010-05-05 23:03:19 | 芸術鑑賞
  
 5月2日~4日、東京国際フォーラムで開催された、「熱狂の日」音楽祭2010 ショパンの宇宙。

公演名・ショパンの葬送    5月4日、21時45分~22時55分、ホールA
演奏
シャルロット・ミュラー=ペリエ(ソプラノ)
ヴァレリー・ボナール(アルト)
クリストフ・アインホルン(テノール)
ピーター・ハーヴェイ(バリトン)
鈴木優人(オルガン)
ローザンヌ声楽アンサンブル
シンフォニア・ヴァルソヴィア

ミシェル・コルボ(指揮)

プログラム
ショパン:前奏曲第4番 ホ短調 op.28-4(オルガン独奏)
ショパン:前奏曲第6番 ロ短調 op.28-6(オルガン独奏)
ショパン(ヘルツィン編曲):葬送行進曲(オーケストラ版)
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626


 1849年、39歳の若さで亡くなったショパンの葬儀では、ショパンの「葬送行進曲」(管弦楽版)と、ショパンが自分の葬儀で演奏して欲しいと望んだモーツァルトの「レクイエム」、そして「前奏曲」(オルガン)が演奏されたといいます。今回の公演「ショパンの葬送」は、当時のショパンの葬儀の演奏を再現したものです。最初のオルガンのおごそかな響きにホールから教会へと導かれていくようでした。
 葬送行進曲は、重々しいというより堂々とした、力強さがありました。聴き慣れたピアノの演奏とはまるで違った印象で、所々で明るさや心地よさを感じました。厚い音の重なりに背筋が伸びるような気持ちにもなりました。モーツァルトのレクイエムはとても美しかった。ソプラノのシャルロット・ミュラーの優美な歌声が素晴らしかったし、やわらかく甘美さのあるバリトンのピーター・ハーヴェイもとても良かった。特に素晴らしかったのがローザンヌ声楽アンサンブル。40人くらいだったでしょうか。定員5000人の広いホールに、ハーモニーがピアニッシモまで透き通るように美しく響き渡り、奇跡を目の当たりにしてような気持ちになりました。
 公演が終わってホールを出ると、中庭は片付け作業が進められて静まり返っていました。お祭りの終わりを見るのは少し寂しいような気がしますが、来年もまたその場所に戻ってこられるような気が私はします。来年もまたと、約束できたような気がするのです。

STRUCTURE TRIAX+ 13

2010-05-02 20:27:20 | ランニング
  
 ナイキ・ストラクチャートライアックス+13。オーバープロネーションのランナーに最適なクッション性の高いランニングシューズ。ショップで勧められて履いてみたら、驚くほど足によくフィットした。走ってみると、安定感があって走りやすい。着地の衝撃もほとんど感じない。硬いロードを安心して走れた。
 脚を痛めて走れない時期がしばらくあって、3月から少しずつ走れるようになった。まだ完全ではないけれど、だいぶ回復してきた。また、毎日走る生活が戻ってきた、走る自分が戻ってきた。そのことが、ただただ、うれしい。3月の走行距離、211.47km。4月の走行距離、303.82km。