今回の記事は、2010年9月に投稿したものですが、私のこのブログで2番目によく閲覧されている記事です。
この記事は、アンケートのお願いで書いたものでしたが、閲覧回数が多いということは、それだけ若いお母さん方が授乳においても色々な不安を持たれていて、ネット検索して情報を集められているのだと思います。
今回、その後の追記として少し文章を増やしましたので、改めて投稿してみました。
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私は、友人からも妻からも「あなたは恐いもの知らずだね」という感じのことをいわれたことがあります。決して恐いものがないわけではないのですが、自分でも物事に極端に動じることが少ない方だなと自覚していました。
ある時そういわれて、この恐いもの知らずという感覚は、どうしてあるのだろうかと考えたことがあります。
それは、説明しにくいのですが、何かどこか心の深いところに「安心感」があるということに気づきました。
心の深いところで感じる安心感は、まず親との関係で、自分が満足するやり方で愛情をたくさんもらえると、自然に子供の心に定着していくものであります。
私はトラウマ統合療法(現在は、「ほんとうの自分に還るためのセラピー」という名称に変えました)という心理療法でのとてもたくさんのクライアントさんとの関わりからも、安心感は子供の頃に定着してしまえば、一生消えることがないということがわかりました。
どうも、私の中にある安心感は、このような子供の頃からの感じの安心感ではなかろうかと感じました。
でも、私にも強いトラウマがありました。30才ちょっとまで、このトラウマの影響をかなり受けていました。
ホームページの方には「私のインナーチャイルド療法体験」として詳しく書いていますが、私自身の中で父親とのつながりを感じられなかったことから、「愛されなくて悲しい」という感情と「自分はいらない子、自分には価値がない」という思い込み・観念を持ってしまったことがその原因でした。(癒してしまった今は、あれだけ持っていたその思いや感情が完全に消えてしまって、まったくないことに自分でもびっくりします)
そして、もらえるにはもらえましたが、母からも自分の心が完全に満足するほどの愛情をたくさんもらえた感覚が正直なところそれほど強くはないのです。
では、トラウマがありながらも、なんだか心の中心にはいつもあったこの「安心感」は、どこから来たものなんだろう?
それは、ある時母から聞いた言葉を思い出した時にわかりました。『あなたはいつまでもお乳(母乳)をほしがるので、お父さんが満足するまで飲ましてやればいいといって2歳まで飲んでいたんだよ』と・・・。
そう、これだ!と感じました。
子供にとっては生まれてから生きていくために一番必要なのが授乳です。10ヶ月ちょっとおなかの中で一体だった母親からの肌のぬくもりとおなかが満たされるこの感覚こそが、赤ちゃんにとっては最大の至福と安心感を感じる時なのだと思います。
ラッキーなことに、私はこの至福と安心感を他の子よりも長く味わえさせてもらえたのです。これが、私に「安心感」がなんだか定着している原因だろうと直感的に感じています。
そこで、『子供の授乳期間による心理面への影響について』を調査してみたいと思い立ちました。
子供に4歳までお乳をあげたあるクライアントさんは、中学生になったその子供は『やっぱり、何が起こっても何とかなるとか大丈夫といって、あまり動じることなく安定している』そうです。ここには、その子の生まれ持った性格の影響もあるのですが、それでも授乳とそれによるスキンシップの心への影響は強いと思います。
私の現場での経験でもこういう実例がたくさんありますが、医療の現場での授乳への対応は様々なようです。
あるクライアントさんは、『小児科で赤ちゃんを診てもらった時に、生後2ヶ月過ぎたらリンゴ汁などをあげて、早く離乳をさせる準備をした方がいい』といわれたといっていました。
Wikipediaでは『期間としては、個人差もあるが4,5か月から1歳半くらいまでに離乳食を完了させ、通常の食事へ移行させることが一般的である』とありました。
このあたりの一般よりも長く授乳させた場合やミルクであげる場合、あるいは授乳行為というスキンシップを子供が欲するままにとらせてあげた場合の子供の心の落ち着き具合とか安心具合などやその子の性格にどのような特徴があるのかを知りたいなあと思っています。
そういう授乳や授乳行為期間の長かったお子さんがおられる方やそういう子供のお母さんに聞いたことなどでもいいですから、もしも知っておられることがありましたら、ちょっとお教えいただけますとうれしいです。
子供への授乳期間が長いほど、子供の心理面へのよい影響があることを感じていますが、データを集めてみることでさらにはっきりと何かの傾向が見えてくるかもしれません。そうすれば、授乳期間を長くすることだけで子供のトラウマの影響をなくしたり、軽減できるかもしれないと思いますし、子育てにトラウマという概念を考慮に入れた育児における新しい指針が見えて来るとも思うのです。
どうぞ、情報がございましたらご協力よろしくお願いいたします。
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★追記
という感じで投稿すると、ここのコメントでも色々とお教え頂きましたし、直接的にも色々と教えて頂きました。改めて、情報提供頂きました皆様、ありがとうございました。
その後、さらに色んな方から授乳についてのお話を聞かせて頂いてきました。現時点での結論は、個人的には許されるならやはり、授乳期間は長い方がいいのではないかと思っていますが、子供自身が満足すれば割りと早い段階でも自然に卒乳できるのではないかと感じています。
一言でいえば、子供が満足するまで飲ませてあげればいいのだと思います。
ただ、一般的な期間を超えて与え続けても、なかなか卒乳しない時には、もしかしてその子は何か満足し切れていないのかもしれません。それは、授乳でお腹は満たされても、心が満たされていないということが考えられます。
満足する期間が子供によってただ違うということはあると思いますが、そこには、いくら授乳とそれによるスキンシップという愛情の形をもらえたとしても、もしも、お母さんの子供をいとおしいと思う思いの奥に、他の日常のことや過去からのさびしさや悲しさ、あるいは怖れなどの感情がたくさんあった場合には、子供にはその感情の方がヒシヒシと伝わってしまいます。
そうやって、その子の心には母親の心の奥にある思いが伝わって、心の満足、安心感が感じられないでいることも考えられます。私の場合にも、この部分の影響があったと感じています。だから、授乳期間でいえば、満足するまでに時間がかかったのかもしれません。
小さな子供は、言葉にできないだけで自分の感覚で色んなことがわかっていますし、母親の思いや感情をものすごく感じ取っているのです。
心理療法の現場では、赤ちゃんの時にすでにもう、お母さんのネガティブな思いや感情が伝わってきて、その思いから自分の苦しみが生まれたと感じたことを思い出した方も驚くほどたくさんおられます。
また、逆に「お母さんを助けてあげたい」という強い思いを抱いたことに気づいた方もたくさんおられました。
例えば、お母さんが子供の頃から「独りぼっち」という思いを持っていると、赤ちゃんが自分を必要として、求めてくれることで、自然に「もう独りぼっちではない」と感じます。
しかし、この「助けてあげたい」を持った子供は、お母さんの心の奥にあるさみしさや悲しみを感じていつまでも授乳してもらうことで、ほんとうはお母さんを助け、よろこばせようとしようとする場合もあります。
ここで、母親が心の内に「独りぼっちでさみしい」などという思いがあることに気づいていれば、子供の存在で心を埋めようとしていることにも自然に気づきやすくなります。しかし、それに気づけずにいて、このような関わり方が続くと、無意識にも母親は子供を自分のものとして取り込んでしまい、子供も母親から愛してもらうために、母親を満たすため不安にさせないようにして、母子の共依存がはじまる可能性が非常に高くなります。
最近、ちまたで目にする多くの母と子供からは、この傾向をとても強く感じます。
特に子供が女の子の場合には、同性であるその子に、子供の頃の自分(インナーチャイルド)を投影する(自分を照らし合わせて見てしまう)ので、その子を自分の方へ取り込んでしまうか、その子に自分自身の嫌いな部分と同じところを見て突き放してしまうか、二つに一つという対応になりやすくなります。
本屋さんに行くと、母と娘に関する本がたくさんあるのは、実はこの理由からなのです。このことも、現場での経験を重ねることで分かりました。
また、異性である男の子には、女の子よりも自分を投影しにくいので、母親が安心を求めて、息子から自分の方を見てもらうために取り込もうとする傾向が強くなることもあります。
ただし、母親が自分のお父さんを嫌いで関係性が悪かった場合には、父親と同じ異性である息子に父親を投影して、息子を嫌って受け入れられなくなる場合もあります。
あるいは、自分の父親のようにならないように、父親とは反対の性質にしつけようとすることもあります。
この場合には、この母親のパートナーである旦那さんは、父親とは正反対の性質を持った人であることがとても多いです。(例:父親がよく怒る人であったら、ほとんど怒らない人を旦那さんあるいはパートナーに選ぶ)
人間は感情を持った生き物ですから、原家族(自分が生まれ育った時の家族)に持った感情や思いが親子間だけでなく、すべての人間関係に影響していくのです。
お伝えさせて頂きたいことはたくさんありますが、それはまた別の機会にゆずるとして、ここではとにかく、小さな子供は言葉に出来ないだけで、母親の思いや感情を実は母親以上に感じているということを覚えておいて頂ければと思います。
ですので、授乳においても子育てにおいても、「母親の心が安定している」ということが一番大切なことになります。
そして、お母さんが心を安定させるための有効な方法は、子供や旦那さん、他の人や物などの自分以外のもので心を満たそうとすると依存の連鎖にはまってしまいますので、そうするのではなく一人でいても安定できるように、「自分が自分を大切にしてよろこばせ満たす」ことです。
これからの時代はそうすることで、ご自分はもとより子供も家族もどんどんとよりよい流れになっていくようになります。
この方法につきましては、よろしければ、以下の私のホームページの「しあわせの法則」の中の「わくわくノート」のところに少し詳しく書いていますので読んでみて、実行してみて下さいませ。
自分で自分を満たしていけばいくほど、必ず人生はよりよく変容していきますよ(^_^)
私の心理療法はそのための手法ですが、これは自分一人でできる簡単な方法です。(上手に行っていくためのコツは色々とありますが、それについてはまたブログに書いていこうと思っています)
しあわせの法則
あなたの心が安らかで満たされることをお祈りいたします。
それから、もしも伝えたいと思われる授乳に関するエピソードなどございましたら、お教え頂けますとうれしいです。よろしくお願いいたします。
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