心理セラピストのひとりごと

『象徴的イメージ統合療法』という心理療法を行っています。日々の中で感じたことを書いていこうと思います。

本を執筆中です

2021年10月03日 | お知らせ



大変久しぶりの投稿です。新型コロナの影響で色々と大変だと思いますが、私は穏やかに日々を過ごしています。


その日々の中である日、『来年中に本を出版しよう!』と決めました。今までもずっとそのつもりで理論を整理したり、文章を書いたりしていましたが、『心のことに切り込んでいっても、世の中の多くの人が自分の心の奥底にあるものを積極的に見たい、気づきたいとは思っていないので、本として出してもしようがない』と感じていて、出版物として出すことにずっと足踏みしていました。


しかし、この度はさらに理論を整理していくことで、何を中心テーマにして書くかということも自分の中でハッキリしましたし、自分がこれから心理セラピストとしてどうしたいかということもハッキリしましたので、本を出版して幅を広げて、さらに前に進むことに決めました。


近年は、心の分野においても脳科学的な捉え方が主流になっています。端的な言葉で言いますと、『心は脳にある』という捉え方がすべてを表していると思います。


脳は人体(生物)における大変重要な中心的器官でありますが、約25年に渡る心理セラピーの現場でのたくさんのセラピー経験から言えることは、紛れもなく『心はハート(心臓)にある』ということです。


ここをとらえ間違えると、人間の本質から大きくずれてしまうと感じています。それは本質的な心の癒し、心の治療とはどういうものかという考え方・捉え方だけでなく、人間存在の根源的な部分にまでも影響を与えていくものだと感じています。私は脳科学を主体にする潮流に危惧を感じています。


ハート(心臓)が非常に重要であるということは、生命が発生する時、細胞が分裂し肉体が形成されていく過程で一番初めに作り出されるのが「心臓」であるという事実がそれを明確に示していると思います。


私は、体で言えば心臓の収縮活動により、血液が体の隅々までスムーズに流れることが「健康」状態を維持する一つの重要な要素であると考えています。また、心で言えばハート(心臓)で発生する「感情」がスムーズに解放され流されることが健全な心的状態を維持する重要な要素であると考えています。
(「感情」は抑圧すると胴体を中心にして体の様々な部分に蓄積することもわかっていますが、「感情」が発生するのはハートであると長年の経験から確信しています)


このハートをネガティブな感情で滞らせたものが「トラウマ」(心的外傷)です。特に、幼少期に感情の滞りによりトラウマを負えば「不安と怖れ」がハートを占めるようになり、その影響で脳も解離してフリーズした状態になります。


脳科学的にも、解離してフリーズした脳を元に戻すと物事の見方、捉え方は楽になっていきます。脳が楽になるのはとても大切なことです。しかし、本質的癒し、治療を行うには、その原因となったハートを処理していく必要があるのです。


大変大げさな話に聞こえるかも知れませんが、こうやってハートが解放されていけば、心の治癒や病気の治癒が促進されるだけでなく、社会的には、よりよい人間関係の構築やよりよい子育てを行うことがたやすくなります。心が本質的に安定した大人(親)や子どもが増えれば、これからの社会はよりよいものへと変容していきます。特に、そういった子どもたちが増えれば次の世代の日本は自然によりよい国へと変容していくことでしょう。


この変容の礎になるものがトラウマを癒す過程で生まれる人間の心の安定(自分を無条件に受け入れることからの「深い安心感」)なのだと私は感じています。


これからの時代、私たちが『これこそ標準(基準)だ』と教え込まれてきた既成の概念や考え方、常識などといったものに囚われるのではなくて、自分からより本質的なもの、より根源的なものに目を向けて、それを元々あった自分たちの内側に取り戻していくことがとても大切になっていくと感じています。


本では、どれほど人間(子ども)にとって、育ち(家庭環境)が大切なのかということを中心にして、心やトラウマの成り立ち・仕組み、それから人間の脳と心はある段階ではまったくの機械的な働きしかしないため、家庭環境(親や家族の言動)から「刷り込み」をして、それを無意識に自分の人生の様々なものに「投影」するという事実など、現場からの驚くような実例をたくさんあげながら説明していきます。そして、それを手放していくためには個人としてはどのようにしていけばいいのかについてもその方法を提示していきます。


人間は誰もが、自分の心の内側がわかるようになると、自分の親や子どもなど身内に限らず、自然に周りの人々の心の内側もよくわかるようになります。そこから、より本質的なもの、根源的なものが何かも観えるようになっていきます。人の心とはそういうものです。すべて原型は、私たちの内側にあったのです。


本の題名は、『トラウマ心理学』(副題はまだ決めていません)です。私の現場での実体験からの実例とそこから構築した理論(実証)だけでなく、時にハートや感情に関する海外の大学や研究機関の研究結果もご紹介しながら、やわらかくわかりやすい学術本というスタンスで仕上げていきたいと思っています。来年中には出版する予定です。しばらく、お待ちくださいませ。
(個人セッションも通常通り行っております)


これがまず一冊目の本です。この本により、教育、心理、医学などの公的な機関や組織との繋がりを強めて行けられればと思っています。


どうぞ、よろしくお願いいたします。


ホリスティック・セラピー研究所 https://holistic-ti.com



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