閲覧が出来なくなっている過去のメルマガの記事の主要なものを抜粋して載せていっています。今まで一部の人にしか話していない、伝えることを躊躇していたものもいくつかありますが、このブログでも公開しようと思い立ちました。
ただし、ずいぶん前に書いた文章ですので、今の私の表現とはもうすでに違っているところもありますし、補足、追加したいところもありますから、その部分については加筆していきます。
よろしければ、お読み下さいませ(^_^)
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メルマガ しあわせに生きるための「トラウマ心理学」
『幼少期に、「子供として未熟で不完全であること」を受け入れてもらうことの大切さ』2014年8月
哲学や科学における思考法として「オッカムの剃刀(かみそり)」という理論があります。これは、たとえどんなに複雑に見えるものでも、余計なものを剃刀で削ぎ落していくと最終的にはシンプルな形に落ち着く、というような意味です。いわば、「シンプルな論理の方が正しいものである」可能性が高いということを示しています。
私も、真理はとてもシンプルなものだと日々感じています。人間の心のことについても、シンプルに捉える方が真実がはっきりと見えてきます。
そういう意味でトラウマを捉えると、人間の心がどこで傷つくかというと、ほとんどの場合が育った家庭環境の中からだといえます。それは、生まれた時にあれだけ純粋無垢だった赤ちゃんたちが、「なぜ成長するにつれてその純粋さを失っていくのか」ということに着目すれば、誰にでも理解してもらえるシンプルなことだと思います。
幼少期の子供は、「自分がどのような人間なのか」ということがわかりません。この時期の子供は、まだ自他を区別することが苦手で、自分と他人という認識がうまくできません。発達心理学では2才頃からこの認識ができはじめるといわれていますが、それは親との関係性の中から身につけていき、子供は親が自分に接する接し方、扱い方をそのまま自分がどういう存在であるかという自己イメージ、自己認識にしてしまうのです。
そして、脳がコンピューターのようにまったく機械的に、情報をそのままインプットする機能を持っているがために、その自己イメージ、自己認識は、まるで洗脳のようにその人の意識の奥深くへと刷り込まれていきます。
親から好かれた子供は、自然に自分のことが好きになります。
親から嫌われた子供は、自然に自分のことが嫌いになります。
親から成功をほめられた子供は、自分をほめて認めるようになります。
親から失敗を責められた子供は、自分を責めるようになります。
小さな子供は、未熟な存在です。
小さな子供は、不完全です。
だから、小さな子供は、物事がうまく出来なくて当たり前です。
小さな子供が、最初から物事がうまく出来るということはあり得ません。
小さな子供が歩き始める時には、転びながら、歩くという経験を重ねることで初めて、上手に歩けるようになります。
小さな子供がしゃべりはじめる時には、間違いながら、しゃべるという経験を重ねることで初めて、上手にしゃべられるようになります。
小さな子供がお箸を使い始める時には、落としながら、お箸を使うという経験を重ねることで初めて、上手に使えるようになります。
子供は、未熟で不完全な状態がまったく自然な状態です。
その子供を親がありのまま受け入れて、認めてあげられないと、その子は、受け入れてもらえなくて、認めてもらえなくて「すごく悲しい」というネガティブな感情を自然に抱きます。それでもずっと受け入れて、認めてもらえないと、「自分が悪い」からと思い、自分の価値感をなくし、自分が存在する理由さえもなくしてしまいます。
(これが反転すると、とにかく受け入れてもらう、認めてもらうことだけを目指して過剰に「出来る自分」になるために生きるようになる子供もいます。この状態をトラウマ心理学では、「アカデミックの呪縛」と呼んでいます)
子供は、親から受け入れてもらえない悲しさを感じてしまうと苦しくなるので、感じたくなくて、空想に浸る、忘れる、ぼ~っとする、すぐに寝る・・・等々、その子の得意なやり方で感じないように心を麻痺させていきます。また、よりよく安定して生存するために、脳の生存本能が過剰に働いて、思考を駆使して「そんなことは感じていない」、「これは普通のことで、何でもないこと」、「大変な人は他にたくさんいる。その人たちと比べると自分は大したことはない」などと思い込んでいきます。
そうすると、人間は感情の生き物であるがゆえに、ネガティブな感情の処理が出来ませんので、感情のエネルギーが解放しないまま心の中に残ってしまいます。また、その当時の感覚も脳や体に残ってしまいます。
思考は、その過去からの「感情」や「感覚」をただ止めているだけですから、それを隠して感じないようにするためには、ずっと一生、思考を優先して駆使して生きなければならなくなり、自分が心からほんとうはどう感じているのかという自分の中心を感じるということが、蓋されて麻痺されたまま生きるようになってしまいます。
これは、本来のありのままの自分ではなくなってしまっている状態ですし、赤ちゃんの頃には持っていた、あの純粋無垢な感覚をなくしてしまった状態ともいえます。
自分の中に、未熟さ不完全さを感じている人は、ただそれをありのまま受け入れてあげて下さい。それを敵にして否定したり、攻撃してしまうと、必ず、自分が未熟や不完全だと感じる人を自分自身に対してと同じように否定したり、攻撃するようになってしまいます。
そして、それは自分が親からされたやり方と同じやり方になってしまうことがほとんどです。実は、その裏には、親もその親から未熟さ不完全さを受け入れてもらえなかったという事実が隠されています。
ですから、親も自分の子供に対して、親からされたやり方、そして自分が自分を扱うやり方で子供に接するようになります。しかしながら、親の心のその根底にはいつも子供のしあわせを願う「愛」があるにもかかわらず・・・。
人間の苦しみは、こういう世代間からのトラウマの連鎖の影響を受けているのです。
自分の中の未熟なところも不完全なところも、まぎれもなくありのままの自分です。
親からそれをありのまま受け入れてもらえた子供は、失敗は失敗にはならず、ただ成長するための一つのステップに過ぎないことがわかり、たとえゆっくりであっても着実に一歩一歩成長していけるようになります。
どうぞ、まず、あなたがあなたの中の「ダメ」とか「悪い」などと、未熟で不完全だと感じている部分を出来るだけそのまま、ありのまま認めて受け入れてあげて下さい。
しあわせへの近道は「ありのままの自分を受け入れる」ことです。
あなたが、光も闇も、自分の中のすべてをありのまま受け入れ、許し、愛して、あなた自身との心からのつながりが出来ることをお祈りいたします。
◆編集後記
心を癒していくという流れや人間の心のことは、長年の現場での経験と研究からすべてわかりました。その原理にしたがって、心の内を解放していかれた方は誰もがみんな劇的に楽になられました。
私は、そういう事実をずっと目の当たりにしてきたので、最近は、国がトラウマ統合療法(特に、インナーチャイルド療法)を導入してくれれば、人々の心が根源的に安定していき、日本が本来のよりよい国へと変わっていく強力なサポートが出来ることを確信しています。
しかし、自分の心の奥に触れることに恐れを感じる人がかなり多いですし、心の奥に触れることでほんとうに根源的に楽になるということが経験がないがゆえに理解出来ない人がほとんどです。根本には心理学のアカデミックな専門職の人たちが自分の心の奥にほんとうの意味で触れられていないくて、根源的に心を癒すということがどういうことか、その感覚がわからないし、その理論を知らないという現状があると考えています。そのために、心の奥に触れることで劇的に人間が癒されていく、回復していくという事実が、社会全体にもう一つ広がっていかないことに強いフラストレーションを感じている今日この頃です。
ただし、この場合にも私がただ役割や使命感に囚われるのではなく、自分の心からのよろこびを感じられるにはどうしたいかに意識を向けることが大切であることがわかっています。
自分がありのままの状態で、よろこび、わくわくしながら、今後どのように進んでいこうかなぁ(*^_^*)
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ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。
ただし、ずいぶん前に書いた文章ですので、今の私の表現とはもうすでに違っているところもありますし、補足、追加したいところもありますから、その部分については加筆していきます。
よろしければ、お読み下さいませ(^_^)
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メルマガ しあわせに生きるための「トラウマ心理学」
『幼少期に、「子供として未熟で不完全であること」を受け入れてもらうことの大切さ』2014年8月
哲学や科学における思考法として「オッカムの剃刀(かみそり)」という理論があります。これは、たとえどんなに複雑に見えるものでも、余計なものを剃刀で削ぎ落していくと最終的にはシンプルな形に落ち着く、というような意味です。いわば、「シンプルな論理の方が正しいものである」可能性が高いということを示しています。
私も、真理はとてもシンプルなものだと日々感じています。人間の心のことについても、シンプルに捉える方が真実がはっきりと見えてきます。
そういう意味でトラウマを捉えると、人間の心がどこで傷つくかというと、ほとんどの場合が育った家庭環境の中からだといえます。それは、生まれた時にあれだけ純粋無垢だった赤ちゃんたちが、「なぜ成長するにつれてその純粋さを失っていくのか」ということに着目すれば、誰にでも理解してもらえるシンプルなことだと思います。
幼少期の子供は、「自分がどのような人間なのか」ということがわかりません。この時期の子供は、まだ自他を区別することが苦手で、自分と他人という認識がうまくできません。発達心理学では2才頃からこの認識ができはじめるといわれていますが、それは親との関係性の中から身につけていき、子供は親が自分に接する接し方、扱い方をそのまま自分がどういう存在であるかという自己イメージ、自己認識にしてしまうのです。
そして、脳がコンピューターのようにまったく機械的に、情報をそのままインプットする機能を持っているがために、その自己イメージ、自己認識は、まるで洗脳のようにその人の意識の奥深くへと刷り込まれていきます。
親から好かれた子供は、自然に自分のことが好きになります。
親から嫌われた子供は、自然に自分のことが嫌いになります。
親から成功をほめられた子供は、自分をほめて認めるようになります。
親から失敗を責められた子供は、自分を責めるようになります。
小さな子供は、未熟な存在です。
小さな子供は、不完全です。
だから、小さな子供は、物事がうまく出来なくて当たり前です。
小さな子供が、最初から物事がうまく出来るということはあり得ません。
小さな子供が歩き始める時には、転びながら、歩くという経験を重ねることで初めて、上手に歩けるようになります。
小さな子供がしゃべりはじめる時には、間違いながら、しゃべるという経験を重ねることで初めて、上手にしゃべられるようになります。
小さな子供がお箸を使い始める時には、落としながら、お箸を使うという経験を重ねることで初めて、上手に使えるようになります。
子供は、未熟で不完全な状態がまったく自然な状態です。
その子供を親がありのまま受け入れて、認めてあげられないと、その子は、受け入れてもらえなくて、認めてもらえなくて「すごく悲しい」というネガティブな感情を自然に抱きます。それでもずっと受け入れて、認めてもらえないと、「自分が悪い」からと思い、自分の価値感をなくし、自分が存在する理由さえもなくしてしまいます。
(これが反転すると、とにかく受け入れてもらう、認めてもらうことだけを目指して過剰に「出来る自分」になるために生きるようになる子供もいます。この状態をトラウマ心理学では、「アカデミックの呪縛」と呼んでいます)
子供は、親から受け入れてもらえない悲しさを感じてしまうと苦しくなるので、感じたくなくて、空想に浸る、忘れる、ぼ~っとする、すぐに寝る・・・等々、その子の得意なやり方で感じないように心を麻痺させていきます。また、よりよく安定して生存するために、脳の生存本能が過剰に働いて、思考を駆使して「そんなことは感じていない」、「これは普通のことで、何でもないこと」、「大変な人は他にたくさんいる。その人たちと比べると自分は大したことはない」などと思い込んでいきます。
そうすると、人間は感情の生き物であるがゆえに、ネガティブな感情の処理が出来ませんので、感情のエネルギーが解放しないまま心の中に残ってしまいます。また、その当時の感覚も脳や体に残ってしまいます。
思考は、その過去からの「感情」や「感覚」をただ止めているだけですから、それを隠して感じないようにするためには、ずっと一生、思考を優先して駆使して生きなければならなくなり、自分が心からほんとうはどう感じているのかという自分の中心を感じるということが、蓋されて麻痺されたまま生きるようになってしまいます。
これは、本来のありのままの自分ではなくなってしまっている状態ですし、赤ちゃんの頃には持っていた、あの純粋無垢な感覚をなくしてしまった状態ともいえます。
自分の中に、未熟さ不完全さを感じている人は、ただそれをありのまま受け入れてあげて下さい。それを敵にして否定したり、攻撃してしまうと、必ず、自分が未熟や不完全だと感じる人を自分自身に対してと同じように否定したり、攻撃するようになってしまいます。
そして、それは自分が親からされたやり方と同じやり方になってしまうことがほとんどです。実は、その裏には、親もその親から未熟さ不完全さを受け入れてもらえなかったという事実が隠されています。
ですから、親も自分の子供に対して、親からされたやり方、そして自分が自分を扱うやり方で子供に接するようになります。しかしながら、親の心のその根底にはいつも子供のしあわせを願う「愛」があるにもかかわらず・・・。
人間の苦しみは、こういう世代間からのトラウマの連鎖の影響を受けているのです。
自分の中の未熟なところも不完全なところも、まぎれもなくありのままの自分です。
親からそれをありのまま受け入れてもらえた子供は、失敗は失敗にはならず、ただ成長するための一つのステップに過ぎないことがわかり、たとえゆっくりであっても着実に一歩一歩成長していけるようになります。
どうぞ、まず、あなたがあなたの中の「ダメ」とか「悪い」などと、未熟で不完全だと感じている部分を出来るだけそのまま、ありのまま認めて受け入れてあげて下さい。
しあわせへの近道は「ありのままの自分を受け入れる」ことです。
あなたが、光も闇も、自分の中のすべてをありのまま受け入れ、許し、愛して、あなた自身との心からのつながりが出来ることをお祈りいたします。
◆編集後記
心を癒していくという流れや人間の心のことは、長年の現場での経験と研究からすべてわかりました。その原理にしたがって、心の内を解放していかれた方は誰もがみんな劇的に楽になられました。
私は、そういう事実をずっと目の当たりにしてきたので、最近は、国がトラウマ統合療法(特に、インナーチャイルド療法)を導入してくれれば、人々の心が根源的に安定していき、日本が本来のよりよい国へと変わっていく強力なサポートが出来ることを確信しています。
しかし、自分の心の奥に触れることに恐れを感じる人がかなり多いですし、心の奥に触れることでほんとうに根源的に楽になるということが経験がないがゆえに理解出来ない人がほとんどです。根本には心理学のアカデミックな専門職の人たちが自分の心の奥にほんとうの意味で触れられていないくて、根源的に心を癒すということがどういうことか、その感覚がわからないし、その理論を知らないという現状があると考えています。そのために、心の奥に触れることで劇的に人間が癒されていく、回復していくという事実が、社会全体にもう一つ広がっていかないことに強いフラストレーションを感じている今日この頃です。
ただし、この場合にも私がただ役割や使命感に囚われるのではなく、自分の心からのよろこびを感じられるにはどうしたいかに意識を向けることが大切であることがわかっています。
自分がありのままの状態で、よろこび、わくわくしながら、今後どのように進んでいこうかなぁ(*^_^*)
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ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。