私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「GODZILLA ゴジラ」

2014-08-11 21:35:36 | 映画(か行)

2014年度作品。アメリカ映画。
日本が世界に誇る怪獣映画のビッグネーム、ゴジラの『ゴジラ FINAL WARS』以来10年ぶりの復活作で、巨大怪獣ゴジラの出現に翻弄される人々の姿を描くパニック・アクション。
監督はギャレス・エドワーズ。
出演はアーロン・テイラー=ジョンソン、エリザベス・オルセンら。




不満もあるが、トータルで見れば楽しめる。
それがハリウッド版「GODZILLA」に対する率直な感想だ。

不満な点とは、ゴジラの存在感が思ったよりも薄かったという一点に尽きる。
しかしエンタテイメントとしては上手くまとまっている作品だった。


フィリピンで謎の生命体が孵化した痕跡が発見される。それは古代生物ムートーのもので、日本の原発で潜伏するが再び覚醒。その個体はアメリカで同じく孵化したムートーの元へと向かう。そしてそれに呼応するようにゴジラも復活。ムートーとゴジラ、人間の戦いが始まる。
あらすじとしてはそんなところだろうか。


物語の軸はゴジラというよりもムートーに向けられているように、見ている間感じた。
原発で孵化するのもアメリカで暴れまわるのも、主にムートーでゴジラはどちらかというと、ぽっと現れて、ムートーを駆除してくれる怪獣という程度の印象しか受けない。
ゴジラというタイトルにも関わらず、ムートーのための映画としか見えないのだ。
何となく映画の焦点がずれ、ゴジラの存在感が薄くなっているように感じられる。

当然、僕が見たいのはゴジラである。
そのためこの展開には大いに不満が残った。


しかしそのような展開にしたのには大きな意味があることは見ていてもわかる。
ゴジラもムートーも破壊神であり、人間にとっては災厄をもたらす悪しき存在だ。
実際街の破壊に関しては見ごたえは抜群であるものの、悲惨な光景だった。

しかしそんな怪獣たちを人間は駆除できない。
核エネルギーを吸収する両者を排除することは不可能なのだ。
そしてそんな忌まわしき怪獣を排除したのが、ゴジラという点が大きなポイントだろう。

ゴジラはムートーの排除を済ませると、昔のように海に帰っていく。
そこには破壊しながらも、人間を見捨てないGODの姿が重ねられていると見えなくない。
その辺りはすてきだ。


ともあれ見ごたえのある内容である。
不満もあるが、それなりに楽しめる作品であった。

評価:★★★(満点は★★★★★)

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