2014年度作品。イギリス=ドイツ映画。
『ムーンライズ・キングダム』の鬼才ウェス・アンダーソン監督によるコメディ。ホテルのコンシェルジュとベルボーイがホテルの威信をかけて、得意客を殺した犯人捜しに挑む姿が描かれる。
監督はウェス・アンダーソン。
出演はレイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハムら。
楽しげな雰囲気に満ちた作品である。
それはウェス・アンダーソン独特のセンスによるところが大きい。
この監督の作品は「ムーンライズ・キングダム」しか見たことはないが、特徴的な世界観はなかなかユニークだと思ったものだ。
そのセンスは本作にも存分に生かされている。
たとえばエレベータやケーブルカーなどはおもちゃのような感じで見ていてもおもしろいし、ホテルの雰囲気もどこか遊び心があるように感じられる。
また後半の滑走シーンもこの監督の味が出ていたように思う。
言うなればそれはカートゥーンアニメのような味わいとでも言えよう。
その独特の雰囲気に心惹かれた。
ついでに言うと、エンディングのテーマもこの映画に見事マッチしており、そこでも監督のセンスを見る思いがした。
ストーリーは遺産相続に絡むごたごたといったところか。
サスペンスの要素をはらみながら、コメディタッチで見せていくところは決して悪くない。
ただその独特のトーンゆえに緊迫感もなく、ストーリーとして見たら幾分退屈であった。
とは言え、そのセンスゆえにふしぎなユーモアもにじみ出ている。
個人的にはラストの銃撃戦にそれを感じる。
何で撃ち合う?って思ったけど、何で、と思ってしまうがゆえに妙なおかしみがあるのだ。
好みは人それぞれあるだろう。
しかしそのオリジナリティゆえに光るものも多くみられる作品であった。
評価:★★(満点は★★★★★)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます