1942年度作品。アメリカ映画。
ウォーナア・ブラザース社ファースト・ナショナル1942年度製作で、43年映画アカデミー作品賞及監督賞を得た作品。
監督はマイケル・カーティズ。
出演はハンフリー・ボガード、イングリッド・バーグマンら。
見終わった後に思ったのは、これはダンディズムの映画だということだ。
露悪的で、人に冷たい態度を取りがちながら、実は人情家というリックのキャラクターがその思いを強くさせるのだろう。
過去の女を引きずる女々しさもあるが、それも含めて魅力的な男だと感じる次第だ。
彼が経営するのは、カサブランカのバーで、逮捕劇があっても、それを敬遠するところがあり、犯人を救おうとしないときもある。
それは一見冷たくも見えるが、根はそんなに悪いやつでないことはすぐに見えてくる。
後半の、カップルにカジノを勝たせてあげる場面なんかは印象的だ。
なかなか粋なところもある男らしい。
そんな彼の前に昔つきあっていた女が現れる。
リックはその女に振られたがのトラウマになっている。
凡人だったら、そこで女を傷つけるか、女を強引にものにするかするのだろう。
映画の中でも、それを感じさせる場面はある。
しかし空港で見せた対応はまさに粋そのものだった。
もちろんそれはやせ我慢と言えばやせ我慢だ。しかしそのやせ我慢こそが、まさにダンディズムと言える。
またこの場面はルノー署長の対応もかっこよくて、この時代のフランス人の矜持を見るかのようだった。
ストーリーもスリリングな要素があり、飽きさせないのも良い。
まさしく良質の名作と言っても良い。すばらしい作品だろう。
評価:★★★★★(満点は★★★★★)
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