からっぽ

今夜はなんだか心にぽっかり穴があいた気分。
ピアノを手放してしまったこと、
重荷に思っていてずっと望んでいたことなのに心にぽっかり大きな穴。

なにもない白い壁に囲まれた部屋で一人、
いままで失ってきたものばかり思い出す。
そして今も失いつつあることを。

何かを得るために、何かを失う。
言い聞かせてみるけど、失うことはこわい。
失うことのこわさに耐えられず、手を出さずにいたものもあった。
手にいれた瞬間から、失うことに怯えてしまうから。

何年も弾いたことないピアノを手放しただけなのに、
失恋したような何もかも失ったような泣きたい気分。

ぽっかりあいた大きな穴はじきにふさがるだろうけど、
今夜はどうしようもない。
あーあ、からっぽになちゃった。