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『赤んぼう少女』 楳図かずお

『赤んぼう少女』楳図かずお

怖い!怖ぁ~いのだ!

私はあまりマンガが好きではない。今でもほとんど読まない
のだけど、楳図かずおだけは別だ。(^^ゞ
子供の頃から、楳図かずおの”絵”(アタリマエだけど)が
好きで、読んでいた。

好きで、というか、本当に怖いのである!
人が「驚愕」するときの顔をこんなに恐ろしく描けるのは、
楳図かずおしか居ないのでは、と今でも思う。
『洗礼』も相当恐ろしいのであるが、この『赤んぼう少女』
(のちに『のろいの館』)、なんと、今から38年も前の
作品だ。だけど、楳図かずおの絵の好きなところの一つなの
だが、人間の顔が、古臭くないのだ。
今見ても、ちっともおかしくない。
なんだか、そんなところも怖い。

しかし、子供の頃何度も読んでは、怖い!怖い!と言っていた
『赤んぼう少女』、小学生の頃、このタマミちゃんが、じわじわ
と子供たちの人気を集め、人気のマンガになった。
あんな恐ろしいと思っていたタマミちゃん、今読むと、とても
哀しい。恐ろしくて、哀しい。
そして、タマミに人間の本質を重ねたりして、実は奥深い話なの
だな、と気づいた。

12年前に病院で取り違えられてしまった南条家の本当の娘、葉子と
南条家の娘として育てられてきた実は素性の知れないタマミ。
タマミがバケ物だと気づいた父が、タマミを施設に入れ、本当の娘
葉子を探し出し、引き取ることに。だが・・・・

とにかく、ラストシーンは、哀しい。

この夏は、怪奇小説もいいけど、久し振りに、楳図かずおの、
この『赤んぼう少女』『洗礼』『へび女』『怖い話』でも読んでみる
かな。怖い!

ところで、吉祥寺で、しょっちゅう楳図かずおを見かける。
駅のホームで、構内で、カフェで、道で。
あの風貌(笑)で、どうしてこんな絵が描けるのかな、といつも
おかしい。
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