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趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Beowulf (11)

2008-04-27 11:22:48 | Tolkienその他関連本
その頃,湖の上では,波や血が沸き上がるのを見て,DaneやGeatの兵士や王様は,皆さすがのBeowulfも今度こそおしまいだという覚悟を決めます。Hrothgar王は傷心のまま家路に付きました。

一方,Beowulfの方です。
Grendelのママの命を断った剣は,氷が融けるように熔けてしまいました。彼は,多量の財宝を見つけましたが,Grendelの頭と,剣が熔けて残った,宝飾を施した柄の部分だけ持ち帰る事にしました。湖はきれいになりました。

こうして皆さんは帰途に付く事になりました。王の友の頭と,Grendelの頭をそれぞれ持ち帰ります。到着するとすぐにHrothgar王に知らせが走ります。Grendelの首を掲げ,意気揚々と帰ってきた連中に,王妃様も皆も,びっくりです。

早速BeowulfのHrothgar王への報告。「喜んで,この戦利品をお持ちした事をご報告します。今回の戦いは大変厳しかったのですが,神のご加護がありました。突然巨人用に作られた剣が目に入ったのです。。。」と戦いの様子を話した後,「お約束します。これであなた方は安心して眠る事ができます。一族が脅かされる事はないでしょう。」

Beowulfが怪物の住みかから持ち帰った柄は,王に手渡されました。王がその柄を観察すると,世界にどのように戦がもたらされたか,いかに巨人の国を洪水が滅ぼしたか,を示す彫刻や,それらを彫った人物の名も記されているのがわかりました。そして,新たにBeowulfに,末永く名誉を与えると約束したのでした。

ここで,王は,BeowulfをHeremodという人物と比較します。Heremodは,Daneに人々の死と破壊をもたらした王です。彼は,せっかく神から祝福された生まれだったのに,血に飢え,人々に栄光を授ける事を止め,彼らを苦しめました。

さらに王は続けます。
神様は,時々,ある者に,たくさんの領地を治める事を許します。彼はつい,それは永遠に終わる事がないと勘違いし,欲望のままに行動し,病や老いを忘れ,敵の妬みに気付かず,つにある時その思い込みが破れ,殺し屋が迫ってくるのです。そして無茶な行為が始まります。彼は欲張りになり,伝統を無視し,昔に授かった神からの贈り物のせいで,現実が見えず,ついに最期が訪れます。彼の肉体が滅びた時,先祖から受け継いだ品々は,誰か寛大な人が手に取り,そこから他者に引き継がれるのです。

そして,Beowulfに,そのような罠にはまらないよう,注意します。

王は,敵が滅びた事を宣言,祝宴が始まります。
さすがに皆さんお疲れのようで,この祝宴は,前の時のように長くなく,あっさりと終わり,真っ暗で静かな夜を心から楽しんだようです。Hruntingは,お礼の言葉と共にUnferthに返されました。


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