peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

エゾエンゴサク(蝦夷延胡索) 2009年4月29日

2009年04月30日 | Weblog
一関市厳美町真湯のエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)
 2009年4月29日








2009年4月29日(水)、一関市厳美町真湯にある「巨木の森」
に行ってきました。国道342号線は、昨年の6月14日
に発生した地震による被害で、道路や橋が崩落したりして、一
時車の通行ができませんでしたが、迂回路や仮設の橋を通って
真湯ゲートまでは行くことができるようになりました。
しかし、この真湯ゲートから須川温泉までは、崖崩れ
などで道路が寸断され、車での通行はできないそうです。
(例年ならゴールデンウィークを前にしてこの真湯ゲート
が解放されるのですが、今年は閉鎖されたままではないか
と思われます。






この日、真湯ゲートに近い所のカツラ(桂)の巨樹の下
などを歩いてみたら、小さなエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)
が沢山花を咲かせていました。自然公園なので、巨樹の
倒木は朽ちるに任されていました。



散策路を通って真湯野営場(キャンプ場)に行ったら、
縄張りで保護された一角にエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)
が沢山花を咲かせていました。








エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)ケシ科 キケマン属
Carydalis ambigua
本州北部の日本海側や北海道に多いといわれる。湿り気
のある林の下やスキー場のような開墾地に生える多年草。
地中に球形で直径1.5~2.0㎝の塊根があり、1個の塊根か
ら柔らかな細い茎が1本ずつ伸びてくる。
高さは10~30㎝で、下部に1個の鱗片葉がつく。中ほどに
つく葉は1~2回3出複葉で、小葉は長さ1~3㎝。線形から
広卵形まで変化が多い。

花期は4~6月。花は長さ1.5~2.5㎝の筒状で、先は唇状に
開き、後部は距となり、茎の先に総状に多数つく。小花柄
のつけ根の苞は卵形。花の色は変化が多く、北海道では鮮
やかなブルーのものが多く、本州では赤みの強いものが多
いという。 分布:北海道、本州(中部地方以北)。

よく似た
ヤマエンゴサク(山延胡索) Corydalis linearilobaは、ヤブエンゴサク
とも呼ばれ、
エゾエンゴサク同様、山野の林の下などに生える多年草。
よく似ているが、花のつけ根にある苞が、エゾエンゴ
サクでは切れ込みがないのに対し、ヤマエンゴサクで
はギザギザに切れ込んでいるので区別できる。
地中の塊根はエゾエンゴサクより小さい。高さは10~
20㎝。葉は2回3出複葉。小葉は披針形~卵形で、裏面
は白っぽい。花期は4~5月。花は紅紫色~淡紫色。
分布:本州~九州。


注意:
「巨樹の森」にある散策路の傍に大きな岩が転がり落ちていました。
昨年の地震のときに崩落したものだと思われますが、まだ何の対策も
取られていないようですので、近寄らないのうが良いと思います。
雨降り後などは、いつ岩が滑り落ちてくるかわかりませんので、
特に注意が必要だと思います。

エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)

2009年04月30日 | Weblog
北上市立展勝地公園の
エゾエンゴサク(蝦夷延胡索) 2008年4月22日










2008年4月22日(火)、「北上展勝地さくらまつり」
が開かれている北上市立花の市立展勝地公園でエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)が花を
咲かせていました。
赤みの強い花をつけたものと鮮やかなスカイブルーの
花をつけたものがありましたが、どちらもエゾエンゴ
サクだと思います。


桜並木を少しはずれて白いボケの花を撮っていたら、
足元にエゾエンゴサクが沢山咲いていました。










奥州市前沢区「白鳥舘址」の
エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)
2006年4月23日






4月23日(日)、奥州市前沢区の「白鳥館址」でエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)の群落を見つけました。
夢中になって写真を撮っている中に、葉の形が違
うものがあるのに気が付きました。
前に掲載した「一関市釣山公園」に生えていたも
のは1種類だけのようでしたが、ここには2~3種類
あるようです。(確かなことはわかりませんが、
「小葉は線形から広卵形まで変化が多い」とのこと
ですので、間違いないと思います。)




エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)ケシ科 キケマン属
 Corydalis ambigua
沢沿いの林や開墾地など湿り気のある林の下に生
える多年草。地中に球形の塊根があり、1個の塊根
から柔らかな細い茎が1本ずつ伸びてくる。高さは
10~30cmになる。

葉は1~3回3出複葉。小葉は長さ1~3cmで、線形か
ら広卵形まで変化が多い。花期は4~6月。花は長さ
1.5~2.5cm。花弁は4枚、外側の2片が大形で、上側
のものは長い距になる。花の色は変化が多く、北海道
では鮮やかなブルーのものが多く、本州では赤味が強
いものが多いといわれる。

全体はヤマエンゴサク(山延胡索)ととても良く似
ているが、花のつけ根にある苞が、エゾエンゴサクで
は切れ込みがないのに対し、ヤマエンゴサク(山延胡
索)ではギザギザに切れ込んでいるので区別できる。
地中の塊根は球形で長さ1~2㎝、エゾエンゴサクの方
が大きい。

とんがり帽子のような後に突き出た部分は距で、中に
蜜腺がある。花柄の基部の苞葉は卵形で切れ込みはない。
果は線形で長さ2㎝、種子は黒褐色である。エンゴサ
クの仲間を含むキケマン属の植物は、種子にアリ(蟻)
が好む種枕があり、アリに運んでもらうことで種子を
広範囲に散布しているとのこと。

分布:北海道、本州(中部以北)、千島、サハリン、
オホーツク海沿岸

西日本には、この仲間のジロボウエンゴサクが分布し
ているが、その名は伊勢地方で昔、スミレを「太郎坊」、
エンゴサクを「次郎坊」と呼んで、いずれも子どもたち
が花相撲をして遊んだことに由来しているとのこと。

ヤマエンゴサク(山延胡索)

2009年04月30日 | Weblog
奥州市前沢区「白鳥館址」のヤマエンゴサク(山延胡索)
2008年4月23日






2008年4月23日(日)、奥州市前沢区にある「白鳥館址」
で、ヤマエンゴサク(山延胡索)と思われる
植物が沢山花を咲かせていました。人がほとんど来ない
所だから生えていたのかもしれませんが、エゾエンゴサク
の群落の中にもありました。茎が太く、全体が大柄だと思
いました。







ヤマエンゴサク(山延胡索)ケシ科 キケマン属
 Corydalis lineariloba
山野の林の下、土手などに生える多年草で、「ヤブ
エンゴサク(藪延胡索)」とも呼ばれる。「エゾエン
ゴサク(蝦夷延胡索)」と似ているが、花のつけ根に
ある苞が、エゾエンゴサクでは切れ込みがないのに対
し、ヤマエンゴサクではギザギザに切れ込んでいるの
で区別できる。
また、まばらに生え、エゾエンゴサクのようには群
生しないとのこと。

地中にある小さな塊根はエゾエンゴサクより小さく、
「延胡索」という漢方薬になり、痛みや痙攣(けいれ
ん)を和らげる効能があるという。高さは10~20cm。
葉は2回3出複葉で苞葉には3~5の切れ込みがある。
小葉は披針形~卵形で、裏面は白っぽい。

花はとんがり帽子のような形で、花は紅紫色や青紫、
淡紫色。標高が高い所や北へ行くほど青みが強くなる
という。花期は4~5月。分布:本州、四国、九州

ミヤマカタバミ(深山傍食)

2009年04月29日 | Weblog
一関市厳美町真湯のミヤマカタバミ(深山傍食)
 2009年4月29日








2009年4月29日(水)、朝から晴れて絶好の行楽日和と
なったので、国道342号線を真湯温泉まで行ってきました。
初めは真湯温泉の駐車場に車を停めておくつもりでしたが、
「立入禁止」になっていましたので、真湯ゲートの手前
にある駐車場に止めて付近を歩いてみました。
ゲートの付近でミヤマカタバミ(深山傍食)と思われる植物が
花を咲かせていました。










ミヤマカタバミ(深山傍食)カタバミ科 カタバミ属
Oxalis griffitlli
山地の木陰などに生える多年草。葉はすべて根生して
長い柄があり、3小葉からなる。小葉は倒心形で長さ1
~2.5㎝、幅2~4㎝、角は尖る。葉柄、葉の裏面、花柄
に軟毛がある。7㎝ほどの花柄の先に花を1個つける。
花は白色で淡い紫色の筋があり、直径3~4㎝でコミヤマ
カタバミ(小深山傍食)
より大きい。
朔果は楕円形で長さ1~1.7㎝。和名は深山に生えるカ
タバミの意味である。花期:3~4月。分布:本州、四国。

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) 2009年4月28日

2009年04月28日 | Weblog
一関市千厩町のセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
 2009年4月28日





2009年4月28日(火)、4/26(日)、4/27(月)と雨が
降り続いた一関地方だが、この日は朝から晴れて初夏の
陽気になった。一関市千厩町千厩の国道沿いの草原で、
セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)が沢山花を咲かせていました。
このタンポポは冬でも花を咲かせていたりしますが、こ
れだけ一面に花を咲かせるのは、やはり陽春だからとい
えるでしょうね。








セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)キク科 タンポポ属
Taraxacum officinale
ヨーロッパ原産の多年草で、日本には明治時代に
北海道に野菜として導入栽培されていたものが逃げ
出したといわれる。今では全国各地の道ばたや野原
など至る所にはびこり、在来のタンポポを駆逐する
雑草として排除の対象にされている。

葉は羽状深裂から深い鋸歯まで変化がある。頭花
は直径3.5~5㎝で、総苞の外片が反蕾のときから反
り返っているのが特徴。日本産のタンポポは反り返
っているものはないので、これで区別できる。

果実は灰褐色~褐色で、白い冠毛のついた種子は
落下傘のように風に乗って飛ぶ。単為生殖。
花期:(最盛期)3~9月。

セイヨウタンポポによく似たアカミタンポポ
T.laevigatum
もヨーロッパ原産で、果
実に赤みがある。