やる夫は安楽椅子探偵の推理を聞くそうです 第3問を推理する

「前回のリベンジを果たしたいと思います」

「うっかりミスがないように。
まずは気になる証言をまとめていきましょうか」

重要な証言
・被害者は自殺したのではない
・毒物は聖杯から検出された
・聖杯から検出された指紋は被害者と何者かが手袋をしたものだけ
・琴吹紬は儀式の最中に聖杯に触れていない
・聖杯はただの陶器で探せば、そのへんで売っていそうなもの
・聖杯から、食紅と同じ成分の灰色の塗料が検出された
・被害者が金庫から聖杯を取り出した後、誰にも渡してはいない
・検出された毒は3日程度しか毒性を保てないものだった
・聖杯は先週の儀式から今回の儀式まで、ずっと金庫で保管されていた
・儀式の間は膝下あたりまで、草が生えている
・金庫の合鍵やマスターキーは存在しない
・鍵を持ち出すには、記帳が必要
・先週の儀式の時に琴吹紬は聖杯に触っている
・とある深夜、被害者が染料を落すために入浴していた
・被害者にかけよったのは、天海とウルージ
・部屋を出たのは、救急車を呼びに行った天海だけ
・被害者は出不精で自室で通販サイトを見ながら、1日を過ごす

「このくらいでしょうか」

「紬が聖杯を触っていたはずなのに、紬の指紋が検出されていない点がこの事件を解く鍵ね」

「聖杯は2つあった！！
これが聖杯の儀のトリックでしょうね。
あらかじめ、机か椅子の下あたりに粉ワインを塗料の下に隠した細工を施した聖杯を用意しておき、座る際に本物と入れ替えているんでしょう」

「水が入れられると、塗料が溶けて、粉ワインと混ざりあって、ワインになると寸法ね。
おそらく、殺害に使われた毒は、塗料かワインのどちらかに仕込まれていたんでしょう。
そして、現場から聖杯がもう一つ見つかってないと言うことは」

「ずばり、犯人が持ち去ったんです。
それができたのは、救急車呼びに外に出た天海だけです」

「でも、それだけでは弱いのよね。
聖杯を持ち去ったのは、トリックが露見されるのを防ぐためと言われれば、それまでだもの。
だから、もう一押し必要ね」

「ええ、ですので、被害者の行動が重要になってくるんですよ。
被害者は出不精なので、部屋に侵入して、塗料や粉ワインに毒を仕込むのは不可能だと考えていいでしょう。
では、なぜ天海は毒を被害者に盛ることができたか？
それは、天海は前日に儀式の間に行き、あらかじめ用意してあった細工の施された聖杯に毒を塗ったからです」

「その証拠に、天海は儀式の前日に鍵を借りていってるからね」

「天海の部屋から毒物が発見されれば、決定的な証拠となるでしょう」

「私達の推理はこうなるわね」

Q１：犯人はどうやって聖杯に毒を仕込んだのか？

儀式の間に準備されていた細工の施された聖杯に毒を塗った。

Q２：犯人は誰か？

御門院　天海

「これで、ファイナルアンサーです」

追記
フェンブレンでも可能なような気が。

あの金庫も鍵も、特注品だが、世界にひとつないわけではないのだから。

聖杯の儀のトリックがもう一つの塗料を塗って粉末ワインを隠すではなく、聖杯の形に合う形をした塗料でコーティングした粉ワインのタブレットを入れるなら、金庫ごと入れ替えるという手が使えるだろうし。

金庫の取り扱い先を知っていて、夜中に見回りをしているフェンブレンなら十分可能ではないかと。

入れ替える際に、聖杯が倒れる可能性があるが、一箇所を軽く接着剤等で止めておけば、問題ないだろうし。