
次の句は、
短歌の隠喩の例として。
よく引かれる
ごうまんなにんげんどもは小さくなれ谷川岳をゆくごはんつぶ
人間を、ごはんつぶに例えている。
人類全部を笑ってしまう、
ということもあが、
ユーモアに隠れた愛情も感じられる。
この、
渡辺松男が、
駅伝にかかわる歌を
28首にわたって詠んでいる。
リアルタイムの描写の中から、
5首を挙げてみる。
‥‥‥
二時間も走れる人を前方から見つづくることは普通にあらず
前方ゆみるマラソンはゆっくりと路のベルトが後ろへうごく
シューズの色だいだい黄いろ白と青くくろもありたりシューズが駆くる
これは生生とは云えどいろいろなカメラの位置に走る筋肉
走る選手を横から見るに速けれど上からみるにさほどではなき