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いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

渡辺松男の「滅多にみないテレビから」の歌

2019-01-14 18:10:33 | 短歌


次の句は、
短歌の隠喩の例として。
よく引かれる

ごうまんなにんげんどもは小さくなれ谷川岳をゆくごはんつぶ

人間を、ごはんつぶに例えている。
人類全部を笑ってしまう、
ということもあが、
ユーモアに隠れた愛情も感じられる。
この、
渡辺松男が、
駅伝にかかわる歌を
28首にわたって詠んでいる。

リアルタイムの描写の中から、
5首を挙げてみる。

‥‥‥

二時間も走れる人を前方から見つづくることは普通にあらず

前方ゆみるマラソンはゆっくりと路のベルトが後ろへうごく

シューズの色だいだい黄いろ白と青くくろもありたりシューズが駆くる

これは生生とは云えどいろいろなカメラの位置に走る筋肉

走る選手を横から見るに速けれど上からみるにさほどではなき

稀勢の里連敗~注目される去就~

2019-01-14 18:02:43 | スポーツ


稀勢の里は、
昨日御嶽海に敗れ、
今日も逸の城に敗れた。
横綱審議会からの
勧告もあり、
取り組みは、
注目を集めている。

今日ばかりは負けられない、
という解説が多かった。

久しぶりの
そして、今唯一の日本人横綱である
稀勢の里であるが、
力の衰えは、
もはや隠せない。

今日、あるいは明日、
重大ニュースが流れるかも知れない。

対局日誌~その38~

2019-01-14 16:51:49 | 対局日誌

無料対局道場にて1局。

相手はSさん。

無料道場になじむきっかけを作ってくださった方である。
対局態度が穏やかで、
初級、中級者と指すときも、
終局後
解りやすく解説してくださるので、
棋友の評判も、とても良い。

戦型は四間飛車対居飛車。
お互いに美濃に組み、
激しい戦いになった。
序盤、中盤はSさんにしては、
緩かった。
終盤も、粘りを欠いた手があった。
しかし、
相手と力が違う場合、
緩める、という意識がなくても
極端な集中をしなくなる、
という場合も多く、
責められることではない。
終盤も、
相手がライバルであれば
5~10分考える、
という局面であったが、
ライバルが待っていたので、
簡潔に指されたのだろうと思う。

あまりむきになりすぎず、
力の違う相手には
勝たせてあげる、
ということができるのは
強いからであって、
いいことである。

だからこそ、
余計、
強くなりたい、
という面もあるのだ。




岩田正のひょうきんな歌~晩年の歌風~

2019-01-14 12:03:50 | 短歌


岩田正の晩年の歌は、
ユーモアにあふれていることで
有名である。
若い歌人が、恥ずかしくて上手に歌えないことを
次々に歌にしてしまう。
何時読んでも、
ほのぼのとした温かさが伝わってくる。

‥‥‥

餓鬼ぼくら女湯のぞけどあこがれの女の子にはちんぼなかった

もらったので悪いと思ひ読むふりするわれにもたまにはくれたるティッシュ

いまからでもおそくはないと半世紀前の初段は木刀ふるふ

作ってる耕してゐる売ってゐる無能無策の俺買ってゐる

屠られてきりきざまれてあまつさへ鮪は怨念すらも食わるる

追求する歌心~岩田正~

2019-01-14 11:41:24 | 短歌


岩田正の歌には、
写生と叙情がバランスよく含まれている。
多くの歌人が、評価するゆえんである。
1首目は、
母を歌うもの。
年を経るにつけ、その感慨は、
身に沁みる。
老境に至っても、
感謝の念が消えることはない。
2首目は、
見た儘を詠んでいるが、
細かな描写が光る。
3首目は、
妻を詠んだ歌。
「背」を見ればさびしく感じられるものだが、
妻の背はいっそう実感をもって歌われる。
4首目は、
相撲観戦の記。
ひょうきんな味がある。
5首目は、
日常の中から
一場面を切り取った歌。
ふだん、何気なく鳴っている音に気づく。

‥‥‥

在りし日もかなしと思ひ死してなおかなしかりけり母といふもの

花分くる花圃のをとめの指の先たれよりもいま美しき指先

見送るは背なをみることひとの背はさびしく愛しまして妻の背

抱き合ひて落下をしたりそのままにしていけばいいに軍配上がる

オヤ遠き祭りの音がきこゆると冷蔵庫の音に耳をすませり