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いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

小野茂樹の遺歌集~黄金記憶~

2019-01-05 22:14:30 | 短歌


くさむらへ草の影射す日のひかりとほからず死はすべてとならむ

‥‥‥

小野茂樹は、
死のモチーフを持つ歌人であった。
観念の詩でなく、
若くから多くの死に
直面させられたからである。
33歳で交通事故にあって早逝したが、
優れた歌を遺したのも事実である。

つぎのような歌群を遺したことから
彼が死に近い情緒を心にしみて感じてでいたことがわかる。

‥‥‥

隆みより日に乾きゆく川の砂まのあたりわれは父の死を見ず

崖の照りかがよふ谷の緑をゆきこの地に還す葬列に会ふ

母は死をわれは異なる死をほもひやさしき花の素描を仰ぐ

名と馬を歌う短歌~伊藤一彦~

2019-01-05 20:38:57 | 短歌




母の名は茜、子の名は雲なりき丘をしづかに下る野生馬

‥‥‥

宮崎県の都井岬で詠まれた
伊藤一彦の歌である。

2頭の馬がいる。
母と子であろう。
伊藤が、

母は茜、
子は雲、

と名付けた。
夕焼けにさす茜。
空に浮かぶ雲。
美しい情景が想像される。
母は、盲目のようである。
いたわりあう親子。

視力なき月盲の母待ちてゐる一頭なしや夕光に消ゆ

睦みあひすでに睡れるか盲ひたる一頭もゐる岬の馬群

このように、
情景を歌ってもいる。

名をつける、というのは、
古来から重要な行為である。
伊藤には、
次のように、
自転車に名をつけた歌もある。

おぼれゐる月光見に来つ海号とひそかに名づけゐる自転車に

をみな古りて~森岡貞香75歳の歌~

2019-01-05 17:08:15 | 短歌


をみな古りて自在の感は夜のそらの藍青に手ののびて嗟くかな

‥‥‥

森岡貞香75歳のときの歌である。
戦後すぐ、
森岡貞香は、30歳にして
未亡人になってしまった。
男の子をひとり
女手一つで育てなくてはならなかった。
美人である故、
誘惑は多かったようである。

強く生きて、
75歳の時
この歌を作った。

「をみな古りて」
とは、
92歳まで生きた森岡貞香にとって、
実感ではなかったかもしれない。
成り行きに任せてただ手を伸ばしているのが
まさに
「自在の感」
なのである。

対局日誌~その32~

2019-01-05 16:44:45 | 将棋


今年の将棋の指し初めをした。
無料道場にて。
今年からは、
無料道場のある施設は新築され、
対局できる日が増え、時間も長くなった。

本日は、
高段者のOさんと対局。

しばらくプロの棋譜を並べられる日が
続いているので、
ひょっとしたら勝てるかもしれないと思った。

しかし、現実は厳しかった。

第1局は、
対角換わり四間飛車。
優勢を築き、必勝の終盤。
失着が相次ぎ、
逆転負け。

第2局は、
角換わり腰掛銀。
互角の戦いだったが、
2歩を打って反則負け。

第3局は、
角換わり腰掛銀。
互いにチャンスはあったが、
終盤、読み切って詰ませたと思い
着手したら、
竜をただで取られて負け。

今年も、将棋は、
前途多難だ。