豊国神社東で数人が集まっている。カメラも構えている。 多分キビタキかサンコウチョウかな? そこにいた鳥友に声を掛けると、キビタキの♂♀だった。
昨日飛騨の森でヨタカが出たと聞く。夕刻3時頃なので朝からのカメラマンの多くは帰った後の時間。
写真を見せてもらう。大きく飛ばないですぐ近くの木に何度も飛び移った。尾や風切りに白斑は無かったことは確実に観察できたと。羽毛は全体に乱れて幼い印象。幼鳥ではないかとの事。
帰宅後、雌雄を調べたところ、幼鳥でも尾と翼の白斑は確認できるようなので、昨日の個体は、成鳥か幼鳥かは別としても♀だったと思われる。
今朝は昨日のような賑わいは無かった。鳥も人も。 渡りは波だから多かったり少なかったりして通過していく。 出合いはある意味運次第だろう。
毎朝トイレに行く時に野鳥図鑑を持って入るのが習慣になっている。 図鑑を読んで勉強している訳ではない。勉強どころか小さな図鑑の字は読めない。ただ野鳥の写真やイラストを眺めているだけ。 鳥を見ているだけで腹の調子が良く、いい一日になりそうな気がする。
いつも適当に図鑑のページを開くと中央辺りが多くなる。同じページにならないよう意識して前や後などを開く。今朝は前の方を開いたら、ミズナギドリのページだった。苦手なグループだ。全然識別できない。
オナガミズナギドリ、セグロミズナギドリ、シロハラミズナギドリ・・・・何から何までちんぷんかんぷん。 もとより覚えるつもりではないので、ぼーっと眺めているだけ。おかげで快便、快調。 私にとって野鳥の絵やイラストは最良の整腸剤!!
大阪城公園の記録を付け始めたきっかけはいくつかあるが、その一つが服部緑地。 30年以上も前、服部緑地へ鳥見に出掛けた。 しかしうまく出合えず歩き回るだけ。 たまたま双眼鏡を提げた人に出会って鳥の情報を訪ねた。すると彼は 「Fさんに聞けば何でも分かる」 連絡先を教えてくれた。
Fさんは服部緑地の近くに居住し、継続して観察記録を続けている方。そして観察結果を冊子にまとめて上梓されていた。超ベテランの大先輩であった。
連絡を取り何度も教えを乞うた。大阪城公園に来られたこともあった。 彼の名前を、苦手な私が記憶している理由は、ドラえもんの作者の藤子不二雄氏にそっくりだったから。 これだけでベテランバーダーの方は誰か分かったと思う。
彼は特に海鳥に詳しく、フェリーに乗って北海道まで甲板の先に座り込んでひたすら海を見る。北海道に着くと、折り返しの船に乗って再び甲板で過ごして戻ってくるという鳥見を繰り返していた。
当時種々の図鑑の解説者の欄に、彼の名前を目にすることがよくあった。 一度くらい無理を言って同行しておれば、ミズナギドリも多少は分かったかも知れない。
彼が結婚した時、新婚旅行はもちろん北海道航路。奥さんの話しでは、新婚初夜は船底2等のごろ寝。 夫は私の相手もしないで甲板で海を見ていたと・・・。豪華な部屋で始めての夜を楽しみにしていたのにと。
随分前に関東の方に転居された。最近は音信がないがきっとお元気で鳥を見ておられるだろう。私が尊敬する鳥見人のひとりである。
〇キビタキ ♂2♀型8の計10羽 太陽の広場東の森、市民の森、梅林南側上、豊国神社東、飛騨の森ほか。
〇エゾムシクイ 1羽 市民の森。
〇コサメビタキ 2羽 沖縄復帰の森、豊国神社東。
〇コゲラ 1羽 梅林。
〇カワラヒワ 9羽 豊国神社裏。
〇オオルリ 1羽 ♂若音楽堂西側上。
〇その他 シジュウカラ、メジロ、カワウ、キジバト、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ。
◆◆オオルリ(1998.10.18 天守閣東配水池南面)
オオルリの♂幼鳥と♀。♀も幼鳥かも知れない。天守閣東配水池の南面で、たまたま出てきたのを撮影した。同種だけに♂♀とも目付きや全体の雰囲気がよく似ている。 ♂は頭部や背の色が変わっていないので、羽や尾のブルーがそれだけ鮮やかに映える。この羽で東南アジアなど南へ渡って行き、来春には見事なブルーに身を包み、ソングポストで高らかにさえずるオオルリとなって戻ってくる。
私にとって、今では当然の事のように話しているが、野鳥を始めるまで、ついこの前までまったく知らない未知の世界だったのだ。オオルリという野鳥がいることさえ知らなかった。
何度も言うが、もっと前から関心を持っていれば、私の人生は今とは違った道に進んでいただろう。 ただし、あらゆる経験が初めての青春時代に、野鳥一本に絞って進んでいたかと考えると若干の疑問も残る。 結局、かつてどうだった、などと考える事は意味がないようだ。常に前を見て生きる事が、野鳥を知って得た最も重要な道だった。
この2羽が来春無事に戻ってきて、たくさんの子を育てることができるかどうかが最も重要な人の行動なのだ。
それが、私たちの未来を明示している事を多くの人が知るべきなのだが、人類至上主義は当然のことと顧みる人は少ない。 私は滅んでしまう事を覚悟している。地球上に出現した最も特異な下等生物として。