私にまかせろ

2011年01月27日 16時08分34秒 | B地点 おかか

 

 

「ねえねえ! おむさんが、ケガしたって!」
「うむ。知っているよ」
「何してるの!? 早く、おむさんの所に行こうよ!」
「いや。私は、ここで奴を待つよ……」
やがて、おむさんがやって来た。

「僕、またケガしちゃったんです……」
「うむ。あらましは聞いたよ」
「さ、毛布に乗るがいい。温めておいたぞ」
「えっ、僕のために、わざわざ!?」
「じゃあ、お言葉に甘えます」
「どうだ、痛むか?」

「はい、ズキズキします……」

「よし。お前はそこで、しばらく眠るがいい。後は私にまかせろ」

「えっ?」

「邪魔が入らないよう、私が見張っててやるよ」

「せ、先生」
「ありがとうございます……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


投薬開始

2011年01月27日 15時10分42秒 | B地点 おむ

 

 

その翌日。

私は写真を用意して、なじみの獣医師がいる動物病院を訪れ、相談した。
さしあたり、化膿止めが一週間分、処方された(「ゼナキル」、25mg/day)。

これを飲ませ、すんなり治れば、それでよし。しかし、もしも患部が膨らんでくるようなら、内部が化膿しているということなので、膿を出す処置が必要になる ―― というのが獣医師の見解であった。
薬を持って、現地に行く。

おむさんの傷口は、乾いている。が、どうも昨日より炎症が酷くなっているようだ。

さっそく投薬した。かつては、おむさんに薬を飲ませるのに苦労したが、今は私もおむさんもすっかり慣れたので、錠剤の強制経口投与は五秒で終わる。
食欲はある。

が、さすがに、つらそうだ。(もし人間が顔にこれだけの傷を負ったら、寝込んでしまうだろう。)
このまま良くなるといいのだが ―― 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


かなりのケガ

2011年01月26日 16時22分26秒 | B地点 おむ

 

 

おむさんが、またケガをした。

前日の同時刻には無かった傷である。この24時間以内の出来事によるもの、ということになる。

傷口の形状から見て、噛み傷である。ちょうど腫れてふくらんでいた部位を、がぶりとやられたようだ。

(※参照、「なんだか腫れてきた」

テリトリーを守るために、他の猫と闘ったのだろう。

しかも、傷は一カ所ではない。
A は五日前の傷である(参照、「顔にちょっとケガ」
B は今回の、最も大きい傷。腫れている。
CDE も今回の傷。恐らく、相手の爪で掻かれた傷である。まだ血が固まっていなかった。

食欲もあるし、足取りもしっかりしている。
今すぐ生死に関わる、というほどのケガではないので、
この日はとりあえず、手元にあったおかか先生用の眼軟膏(抗菌剤)を塗布しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ケットをゲット

2011年01月25日 16時54分41秒 | B地点 おかか

 

 

おむさんである。
なんだか元気がない。

すっぽりと、毛布にくるまっている。
「おい、どうした? なぜ顔を隠しているのかね?」

「なぜって……」
「ほっぺが腫れて、ふくらんじゃったから……」
「みっともないでしょ……」

「うーむ、そういうことか」
「気持はわかるよ……」
「だがな、容姿を恥じることはないぞ!」
「自分の姿に、自信を持つんだ!」
「そ、そうですね。先生の言う通りです」
「よーし! 毛布から出るぞ!」
おむさんは元気を取り戻し、毛布から出て、リュックから降りた。
「わっはっは~! 大成功だ!」
こうしておかか先生は、リュックと毛布をちゃっかりゲットしたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


なんだか腫れてきた

2011年01月25日 16時06分12秒 | B地点 おむ

 

 

おむさんの傷、4日後。
傷口は乾いており、カサブタのようなものができている。

(※参照、初日、「顔にちょっとケガ」
(※参照、2日後、「問題なし」

それはいいが ―― 傷より下部、頬のあたりが、なんだか腫れているようだ。
傷の他に、打撲もあるのか?

それとも、傷の内部が膿んでいるのか ―― ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


傷を癒すには

2011年01月25日 16時00分18秒 | B地点 おむ

 

 

名探偵ホおむズ 事件簿018


ロンドンの暗黒街を陰で操る、悪の帝王 ――
モリアーティ教授!
ヨーロッパ全土にその名を知られた、希代の大怪盗 ――
アルセーヌ・ルパン!
これらの宿敵との死闘により、名探偵ホおむズは、傷ついていた。

文字通り、重傷を負っていたのである ―― 。


(※参照、「なんだか腫れてきた」

そこへやってきた、この美しい女性は ―― アイリーン・アドラー
アイリーンは、ある事件で、ホおむズを出し抜いたことがある。

女嫌いのホおむズも、聡明なこの女性にだけは、一目置いていた。

それは、ホおむズにとって、恋だったのかもしれない ―― 。
「ホおむズさん! あなたの傷を、癒して上げましょうか?」

「ふん。それには及ばん」
「肉体的な傷など、問題ではないのだ」
「わかっているわよ。あなたは、知性に生きる男だもの」
「あなたの傷は、心の傷ね。モリアーティやルパンを逮捕できないのが、悔しくて堪らないんでしょ?」
「む……」

← 図星を指された
「そんなあなたの、心の傷を、私が癒してあげるわ」
「……どうするというのだ?」
「こうするのよ……」
ちゅっ

← ソフトフォーカス
さて。こちらは、そばで二人を見ていた、ワトソンである。

← おかか先生、一人二役
「くそっ、ホおむズめ! 見せつけてくれちゃって!」
「くう~っ!」