|
抜け忍オムイは、とある街道を歩いていた。 |
|
「あ、あいたたた……」 |
|
「むッ? どうした!?」 |
|
「おい大丈夫か?」
「お助け下さい、持病の癪(しゃく)が……」 |
|
「……な~んだ。追忍の変装か」 |
|
すたすた |
|
「……あっけなくバレちまった」 |
|
「持病の癪(しゃく)のネタは前にも使ったしなあ……」 |
|
「たわけが。貴様の変装を見破るなど、造作もないことよ」 |
|
「う~ん、変装はもう効かないか……」
しょぼ~ん |
|
「……なあオムイ、とにかく闘ってくれよ」
「闘ってくれだと?」 |
|
「やめておけ。俺が勝つに決まってるからな」
「そ、そりゃそうだけど……」 |
|
「う~ん、闘いすらもダメか……」
しょぼ~ん |
|
「なあオムイ、せめてグハーだけはやらせてくれよな!」
「何? グハーだけやらせてくれだ?」 |
|
「うん。グハーは俺の持ち芸だからな。やらないと読者も納得しないだろ?」 |
|
「な、やらせてくれ! この通り頭を下げる!」
ぺこぺこ
「ふ~む。そこまで言うなら……」 |
|
「ま、よかろう。グハーだけは、やらせてやろう」 |
|
「……グハーというと、あれだろ?」 |
|
「ぐはあーーッ」 |
|
「……のことだろ?」 |
|
「いや、だから……俺にやらせてくれよ……」
しょぼ~ん |
|
「わ~ッはッはッは~!」 |
|