苦衷の駆虫

2010年02月18日 15時58分00秒 | B地点 おむ

 

 

僕たち野良猫は、たいてい、お腹の中に寄生虫がいるそうだ。

以前にも、ボランティアさんが僕たちにお薬をくれたことがあるんだよ。
おかか先生の嘔吐がきっかけで、僕たちはまたお薬を飲むことになった。

先生の嘔吐の原因は不明だけど、ともかく駆虫はしておいたほうがいいからね。
というわけで、ほら。

これが、ボランティアさんが用意してくれた錠剤だよ。
カメラのお兄さんが、さっそく僕に飲ませてくれた。

じかに口に入れてくれたけど、うまく飲み込んだよ。

お兄さんには、前にも薬を飲ませてもらったことがあるのさ。

お兄さんも慣れたし、僕も慣れたんだ。


※参照、投薬

さて、問題はおかか先生なんだよ……。
先生は、野良猫としてのプライドにこだわるからね。

「ひざ乗せ」も「だっこ」も、絶対に拒否するしね……。
先生は、薬を飲むのをいやがって、どこかに行ってしまった……。
あれこれ考えた末、僕は、口移しで、先生にお薬を飲ませることにした。

←錠剤を口に含んでいる
そして、先生を捜しに行ったんだ。
「先生、こんな所にいたんですか」

「何だ、何の用だ……」
「口移しで、お薬を飲ませてあげますよ」

「飲まんと言っとるだろうが」
「先生自身のためですよ。飲みなさい!」
「やなこった!」
「飲みなさいってば!」

「断る!」
「無理にでも飲ませますよ!」

「やめんか!」
「何もそんなに意地を張らなくたって!」

「い、意地を張っとるわけじゃない」
「いやなものは、いやなんだっ!」
「……」

「……」
僕は、諦めた……。
「……ふん」
「ふん」
「薬を飲むなんて、野良猫として堕落だよ」
「しかし……」
「一昨日は、ゲロしちゃったしなあ……」
「やっぱり飲んだほうがいいのかなあ……」
「先生……」
先生への駆虫剤投与は、翌日ということになった。

カメラのお兄さんが、ごはんに混ぜて与えてくれるそうだけど、うまくいくかなあ……。