そんな日だった

2010年02月27日 16時22分00秒 | B地点 おかか

 

 

春一番の次の日は雨。

そして、その次の日も、雨だった。

しとしと しとしと
おむさんは、おかか先生と一緒に、橋の下で雨宿りをしていた。
こういう時は、退屈してしまう。
そして ―― おかか先生のだじゃれが炸裂するのが、常である。
おかか先生のだじゃれを聞かせられるのは、苦痛である。
おむさんは、今日も、それを恐れていた……。
しかし今のところ、先生は何も言わない。
おむさんが黙っていれば、先生もキッカケをつかめないのだろう。
ふと見ると、カモがいる。
サギもいる。
カワセミもいる。
早春の雨というのは、なかなか風情があるものだ。
「う~ん……。雨だなぁ……」

おむさんは、思わず、ひとりごちた。
むくっ
「……」

「おい、ひとこと、言わせてくれ」

「ま、まさか……」

「う~ん……」
「カメラなぁ……」
―― 遂に、先生のだじゃれが出てしまった。
しかも、「雨だなぁ」と「カメラなぁ」。
余りにも、ひどいではないか……。
ぐったり
どこか楽しく、どこか憂鬱な、そんな、春雨の日であった。