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この日、見慣れない猫がいた。 |
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私(作者)は、地域猫ボランティアさんに、写メで問い合わせてみた。 |
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すると、驚いたことに、三年ほど前にこの同じ場所にいた猫であるということが判明した。
当時、ボランティアさんが、給餌や去勢をなさったそうである。 |
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この猫には特殊な身体的特徴 ―― 胸部の突起(胸軟骨の突出だそうだ) ―― があり、現地にお越しになったボランティアさんによって、個体が同定されたのである。 |
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漸く、私も思い出した。
当時は、地域猫として去勢済みであることの印として、耳にピアスを付けていた。 |
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だから私はこの猫を、ピアスちゃんと呼んでいた。写真も撮った。
ほぼ三年ぶりに再会したわけである。
参照:
うふふ えへへ 猫が勇めば花が散る |
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さて ―― このピアスちゃん、痩せている。 |
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動作も緩慢である。 |
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バッグに乗ったりもするが、 |
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元気がない。 |
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膝に乗せても、ぐったりしている。 |
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ボランティアさんは、ピアスちゃんを保護するという決定をなさった。
ご依頼を受けて、私も微力ながら、預かりのお手伝いをすることになった。 |
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ピアスちゃんは水は飲むが、餌を食べない。
そして、嘔吐した。
吐物は白い泡であった。 |
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撮影時は気付かなかったが、ここに写っている白い泡も、やはりピアスちゃんの吐物だったのである。 |
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この日の晩、(これらの写真が撮影された後、)ピアスちゃんは病院で検査を受けた。その結果、FeLV陽性であることが判明した。 |
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また、脱水状態であったため、病院では輸液も行われた。
ピアスちゃんはそのまま入院した。 |
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翌日、ピアスちゃんは転院した。
更に詳しい検査の結果 ―― ピアスちゃんは既に末期のがんに冒されており、余命いくばくもない、という診断が下った。 |
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ピアスちゃんは治療を受けながら闘病したが、八日後(03月04日)に息を引き取った。 |
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ピアスちゃんは、最期の日々を、ボランティアさんの献身的な愛情に包まれて過ごしたのである。 |
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