おむさんは、膝の上に乗って、のんびり過ごしている。 | |
そこへ、おかか先生もやって来た。 | |
おかか先生も、ゴキゲンらしい。 | |
脚のまわりを、スリスリしている。 | |
おむさんは、先生のそんな姿を、ぼーっと眺めている。 | |
おかか先生の尻尾が動く。 | |
―― それを見ていたおむさんは、思わず、 | |
手を出してしまった! (※参照、「かっこよく去る」) |
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「あいたたた!」 | |
「はっ!? し、しまった!」 ←我に返った |
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「ばかもんっ! いきなり何をするか!」 | |
「ああ……この手が……つい……勝手に動いて……」 | |
「おかか先生、ごめんなさい」 しょんぼり |
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「……いいさ。気にするな」 | |
「動いているものに手を出すのは、猫の本能だからな」 | |
「僕、土下座してお詫びをしますよ」 | |
「なあに。土下座なんか、しなくていいさ」 | |
「許してやるよ。それに私も、怒ったりして、おとなげなかったよ」 「先生、すみません……」 |
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「さあ、仲直りのキスだよ」 ちゅっ |
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「せ、先生……」 | |
「ごめんなさいっ!」 ばっ |
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「キスだけは、勘弁して下さいっ」 | |
「……おい! 私のキスがそんなに嫌かっ」 |
ぴーちゃんは、たっぷりミルクを飲む。 | |
よく遊び、よく眠る。 良い子である。 | |
……しかし、一つだけ、問題がある。 | |
まだ一度も、うんちをしないのだ。 おしっこはちゃんとするし、トイレもしっかり覚えてくれたのだが。 | |
預かったのが09月21日で、この日は29日だから、もう九日目になる。 数日前から、獣医に診せて浣腸等の処置をしてもらうべきかと考え、ボランティアさんにも相談してみたが、「動物病院での処置はかなり残酷なのでとりあえず温浴マッサージを」とのアドバイスを受けた。 | |
そこで、当初からの排泄マッサージに加えて、ぬるま湯に臀部・下腹部を浸してのマッサージも試みた。 | |
そして、遂にこの日、私が見ていない間に ―― ぴーちゃんは、うんちをした。
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さすがに量は多めだが、よいうんちである。 ことによると、今までのトイレが、狭すぎたのか。(偶然かもしれないが、この日、トイレを、大きいものに変えたのである。)
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肛門部の出血等のトラブルも無いようだ。 | |
よかった、よかった。これでもう、何も問題はない。 | |