ゲリラ豪雨 その二

2010年09月14日 17時24分54秒 | B地点 おかか

 

 

それからおよそ一時間後。

雨は上がった。

川の水かさは増したが、結局、水が川岸を覆うまでには至らなかったようだ。
この間に私は一旦帰宅し、乾いたタオルを数枚持ってきたのだが、おむさんの被毛はかなり乾いていて、タオルを使うまでもないほどだった。
酷く濡れたのは表面だけで、被毛の奥までは濡れなかったようだ。
おかか先生もやってきた。
おかか先生の体は、全く濡れていない。
秘密の隠れ家で、うまく雨をしのいでいたのだろう。
先刻おむさんがうずくまっていたのは、矢印の示すあたりである。
大きな水たまりが残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ゲリラ豪雨 その一

2010年09月14日 16時27分00秒 | B地点 おむ

 

 

タイミングが悪いことに、給餌の開始と同時に、強い雨が降ってきた。

おむさんと一緒にいた私(作者)は、とりあえず、いつもの橋の下に逃れた。

写真は、橋の下の排水管。もの凄い勢いで、雨水が噴き出している。
雨脚も凄まじいが、雨音も凄い。

おむさんは、おびえたのか、自転車の下にもぐり込んで、うずくまってしまった。
猫は音に敏感だから、集中豪雨の雨音は、さぞや恐ろしく感じられたことだろう。
大雨が降ると、この川は一時的に増水し、川岸まで濁流に覆われることがある。

おむさんが、橋の下でうずくまったままでは、下手をすると、逃げ遅れることにもなりかねない。

もたもたしていると、水位が上がって、濁流に飲み込まれるかもしれない。そうなったら、お陀仏である。
川はまだ溢れていないが、川岸の水たまりは、既に、足首までの深さになっている。

私は、うずくまったままのおむさんを抱き上げて、護岸の上まで運ぶことにした。

おむさんは私の腕の中で暴れるが、離すわけにはいかない。

強雨の中、鳴き叫ぶ猫を抱いて、びしょ濡れで走る私の姿は、さぞ滑稽なものだったろうが、その時は勿論、必死だった。
ここは、護岸の上。おむさんのテリトリー。とある建物の庇の下まで、おむさんを運んだ。
ここまで来れば、安心である。
おむさんはひどく濡れたが、やむを得なかった。溺れ死ぬ可能性を考えれば、背に腹は代えられない。