ストーカーに慣れろ

2010年09月12日 16時45分29秒 | B地点 おかか

 

 

おむさんは、悩んでいた。
「う~ん。困ったなあ……」

ぽりぽり
「どうした? 何を悩んでいるのかね?」

「最近、ゆうちゃんに、付きまとわれちゃって。イライラするんです」


(※参照、「根負け」

「うむ……。ゆうちゃんは、お前を慕っているからな」
「ゆうちゃんは毎晩、ストーカーみたいに、僕にべったりですからねえ」
「その現実を、受け容れなければいかん」
「ゆうちゃんはまだ子供だから、お前が慣れるしかないな」

「慣れろと言われても……」
「慣れるために、練習をするがいい」
「慣れる練習? ど、どうするんですか?」
「いいか! 今から、私をゆうちゃんだと思え!」
「今日いちにち、私がお前に、付きまとうからな」
「こういう風に、べたべた付きまとうから、それに慣れるようにしろ」

「ちょ、ちょっと、先生……」
「今日は、こうやって一緒に過ごそう」
「そうすれば、付きまとわれるのに慣れるだろ! はっは~!」
―― というわけで、ふたりは一日中、べたべたと一緒に過ごした。
「どうだ? 付きまとわれるのに慣れたか?」

「う、う~ん……」
「いまひとつ、実感が湧きませんねえ」
「えっ? そ、そうか?」
「もっと、ゆうちゃんらしく演技をして下さいよ」
「う~ん……」
「こ、この顔でどうだっ? ゆうちゃんに似てるか?」
「ゆうちゃんのほうが、はるかに可愛いです」
がくっ

「はっきり言うなよ……」