金の斧と銀の斧

2010年09月18日 16時10分40秒 | B地点 おむ

 

 

「いや~。参ったなあ」
「四つ葉のクローバーを見付けたんだが」
「うっかり、川に落としてしまったよ……」
すると、川の中から、おごそかな姿が……。

ばばーん

「私は、神である」
「えっ!? 神様ですか!」
「何を悩んでおる? 申してみよ」
「じ、実は、四つ葉のクローバーを、川に落としてしまったのです」
「お前が落としたのは、この立派な四つ葉か?」
「いえ、違います。ボロボロの四つ葉です」
「ほほう? お前は中々の正直者だな!」
「では、これか?」
「どうだ? お前が落としたのは、この、みすぼらしい四つ葉か?」
「いえ違います。私が落としたのは、もっと小さい四つ葉です」
「お前は本当に正直者だな!」
「ええ、まあ。正直だけが取り柄ですから」
「たわけがーーーっ!」
びくっ
「そのように馬鹿正直では、この乱世を生き抜くことはできんぞっ」
「そ、そんな……」
「戒めとして、お前が落とした四つ葉は没収だあっ!」
「そんなあーっ」