大事な比類なき。

愛おしいということ。ただ愛おしい。
タイプとか好みとかそういうことじゃないんだ。
あの人が私の向かいにいて、話すことで触れ合って知っていって。
ひとつずつ私の言葉が、貴方の言葉がしみこんで満たされる。
私はあの人といるとき私でいられる。なんでもない私。
期待された受け答えや模範的対応でもない本当の私。
繕っていない。私は貴方を見ているし全身で受けて応えているんだ。

ひどく冷めた頭だった。動かない冷たい心だった。
気まぐれにスプリングして気まぐれに放り投げていた。

私のことを聞いてくれる。尊重してみてくれている。
貴方は私を見てくれる。私を知ってくれる。
この私はつっぱねてこの私でないとダメだといわない。
私をそのまま知ってくれる。そっとそばにいて開いてくれる。

私はこの人に心を開いている。依存でもなく甘えでもない。
心を開いて愛おしいと感じている。盲目な信仰でも過激な意図でもない。
触れたい。この人と繋がりたい。心を繋ぎたい。そばにいたい。
心が貴方を知りたいと思う。心が貴方を求めている。
嬉しくてせつなくて。そばにいるから知ってもらいたい。

望まれてそれを読んで行動して喜ばれるのにはもううんざりなんだ。
そんなんじゃない。心を開いて貴方を心で求めているんだ。
策じゃない。ただ貴方を求めてる。わからない。どうもできない。
見守っているだけでいたくない。

私は貴方を護りたい。愛したい。
ヒメを護れなかった。傷つけた。あんなに好きだったのに何一つ伝えずに
あの子を苦しめた。好きであふれていたからなにもできなかった。
マコを傷つけた。あの人は本当に好きでいてくれたのに、
私は自信がなくて向き合えなかった。あの人の大切な気持ちを傷つけた。

だからこそ私は貴方をやっと愛した人を護りたい。愛したい。
傷つけない。大切にしたい。育てるように愛して護りたい。

傷つけたくないから伝えないのか、伝えないことで傷つけるのか。
伝えたら傷つくのか、伝わらないから傷つくのか。
大切で愛おしい人。愛おしいから簡単に踏み込めない。口惜しい。