嗚呼もうすぐ君の大好きだった人はどこか遠くに行ってしまうよ。
君はきっと何も告げずにつらくなるんだろうな、今までつらかっただろうに。
僕はあの人のことあんま好きじゃないけど、悲しいからぜったい引き止める。
気に入らないけどやっぱ大切な仲間だから。失いたくない。
本音で話す。殴ってでも止めるつもり。もう失いたくないんだ。仲間。
ずるいぜ、自分の事情ばっかわめいて勝手にやめようとして、私に倍もの
負担背負わせておいて投げ出すなんて。たった一人愛した子の心も過去に
奪っておいて、そのことに露とも気づかずに傷つけてそのままいっちまう
なんて。あいつの中にきれいな思い出としていき続けてしまうじゃないか。
そしたら勝ち目なくなるじゃないか。残された僕は責任と重責を背負って
支えを失っていよいよつらいじゃないかよ。悲鳴もあげられずにゆっくり
沈むしかない。あの子は遠い眼で虚ろに君を追うことだろうよ。
二度と会えない君を。昔の私がもう会うことのない先輩を夢見続けたように。
そのことあの子は知らない。内密に同期と幹部だけが知っている。
止める。絶対。勝ち逃げはなしだぜ。