「東本願寺の至宝展」、大阪での展示は今日が最終日。
東本願寺の資料や美術品が、このような形で展示されるのは初めてだという。
挫いた足が痛いのでどうしようかと迷ったが、思い切って観に出かける。
『唐人物・花鳥図』(狩野元信筆)
長いこと境内の土蔵に保管されていて、平成23年の親鸞750回御遠忌に向けての調査で、狩野元信作であることが分かったのは、つい最近のことらしい。
同じく最近見つかったものでは、円山応挙が描いた衝立『雪中松鹿図』の展示もあった。
可憐な鹿の姿が印象的だ。
衝立の裏面には、長沢芦雪の作とされる『渓流香魚図』が描かれている。
『老梅図』(円山応挙筆)
墨の濃淡がすばらしい。
同じく襖絵の『稚松図』『竹雀図』もよかった。
『安養六種図』〔部分〕(望月玉泉筆)
『桜花図』(望月玉泉筆)
望月玉泉の作品は、いずれも豪華絢爛。
そのほか、面白かったもの、見応えがあったものを列挙する。
◇『寛政度用材運搬図屏風』には、焼失した東本願寺を再建するための寄進用材を運搬する様子が描かれている。
山で木を切る様子、切り出した木を滝から落とす様子、木材を川へ流す様子、流れてきた木材を担いで運ぶ様子。
こんなにも大勢の人が、と驚かされる。
◇『顕如上人消息』は、石山合戦にあたって、諸国の坊主衆や門徒に宛てた檄文でもある。
「近年信長依権威、爰許へたいし度々難題、いまに其煩やまず」とある。
◇『徳川慶喜書状』は、14代将軍・家茂が没した直後に書かれたもの。
長州征伐にあたり、軍資金と兵糧米を供出したことへのお礼が述べられている。
◇『染筆』(近衛忠熙・徳川慶喜)
落飾した近衛忠熙の姿をからかって慶喜が絵を描き、その脇に忠熙が歌を詠んでいる。
ほのぼのとした一枚。