物質への執着

私は、小さい頃から物質への執着がない方だったと自分では思っています。
おもちゃも、数少なかったし、欲しい人形があっても親にねだることもなく、友達の家で遊ばせてもらうことで、それなりに満足し、親を困らせることもなかったと記憶しています。
それから、若かりし頃にはブランド物に興味を持つこともあったけれど、ブランド名に惹かれる事はなく、いくら有名なブランドであったとしても、私の好みの柄、デザインでなければ絶対に買いませんでした。
値段も私が折り合える物でなければ無理して買うこともありませんでしたし・・・。
逆に、柄、デザインが私好みであれば、安物であったとしても、ブランドでなくても平気なのです。
そして、私は、装飾品（アクセサリー）にも興味がありません。
数年前から、服を着た時に胸元が寂しいと感じるようになり、そう感じた時だけネックレスをつけますが、ネックレスもデザインが気に入った物であれば５００円でも１０００円でも構わない（笑）。
物質への執着はないと自分で思っていたのですが・・・。

私の実家では、生前、祖母が女手一人で苦労して手に入れた土地を二箇所、駐車場として所有していました。
１箇所は、実家から３軒隣。もう１箇所は実家の裏手。裏手には、祖母の畑が約半分、それ以外を駐車場としていました。
裏の広場？では、畑で土いじりをしたり、幼馴染とままごとをしたり、近所のお兄ちゃん達とかくれんぼしたり、だるまさんが転んだをしたりと、遊ぶのにもってこいの場所でした。

私の子どもが生まれてからも、ボール遊びをしたり、バトミントンをしたり、縄跳びをしたり自転車に乗ったり、犬の散歩したりと、とても都合の良い場所でした。

が・・・。

数年前に父の会社が倒産した時に、２箇所とも手放していたのです。
３軒隣の駐車場は、すぐ買い手が見つかり、人手に渡りましたが、裏の土地は立地的に良くないこともあって、不動産屋が買い取ったものの、買い手がつかない状況でした。
それが、先日、実家に帰ってみると地鎮祭が行われた痕跡があるんです。
とうとう、人手に渡るようです・・・。

それを見た時、とても悲しく、寂しく、そして悔しい思いがこみ上げてきました。

子どもの頃からの思い出が、いよいよ無くなってしまう・・・。
祖母が苦労して手に入れた土地が無くなってしまう・・・。

この世は霊が主体で肉体や物質は主ではない。

物質に執着することは、この世に生きる上で必要でないし、今まで執着という執着もしたことがなかったのに、初めて「執着」という気持ちを味わったようでした。

土地は無くなっても、あの世にいる祖母は悲しんだりしない。

倒産し、自己破産に至ったのに、実家だけでも残すことができたんだから、それだけでも感謝しよう。
住む家があることに感謝しよう。

どんな人が引っ越してくるかわからないけれど、温かい気持ちで迎えたいと思います。



ここまで投稿して、トイレで用を足している最中、「買ってくれてありがとう」という言葉が頭に浮かんできました。

そうか！！そうよね！！！

買ってもらうことで救われたのは、私の実家のはず。
救ってもらったんだから、本当に感謝しなくてはいけませんよね・・・＾＾

今、心の底から、ふっきれました。執着を手放すことができました。

「買ってくれてありがとう」というインスピレーションをありがとうございました。感謝です＾＾