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[ツイッター詩152] (9月詩)

2024年09月12日 | ツイッター詩
 [ツイッター詩152] (9月詩)


言葉は時代を自然にまとっている
その時代を 今 ここに
呼吸しているから
気に入っても 気に入らなくても どうでもよくても
言葉は 自然と
時代の渦中から現れてくる

言葉は人類の歴史もまとっている
深く 微かに
精神のDNAみたいに
知らず知らずの内に
まとっている

言葉はみんなもまとっている
みんなの像を思い浮かべては
同調したり反論したりすり抜けたり
みんなの内心の層を滑り下っては
また我に返る

言葉は他人もまとっている
鏡に映して
自分をチェックするように
他人は自分の鏡になっている

言葉はひとりもまとっている
ひとりの独特の癖や
好みや寄り道や
他人は やややと驚くかもしれないが
ひとり本人は 自然な顔をして
はにかんでいる

言葉は言葉にならないものもまとっている
言葉でしか言えない
言葉にならないもの
矛盾の沈黙の深みで
何度も飛翔を試みることを止めない

言葉は喜怒哀楽しながら
言葉の不安もまとっている
ひとりの生と死にはさまれ
言葉の起源と終末にはさまれて
言葉は不安を抱えている

言葉はいろんなものをまといながら
まるでひとつのもの
みたいにシームレスに現れる


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