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ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

画像・詩シリーズ  #12 お茶を摘む

2024年04月30日 | 画像・詩シリーズ
#12


 お茶を摘む
 
畑の際にお茶の木がある
現在からの視線では
ふしぎに見えるかもしれない
内からの 降り積もった時間の視線では
それは自然なこと
 
それぞれの家の敷地には
柿の木などがあり
山林があれば
杉や檜が植えてあり
家の修理や小屋作りなど
万一に備えた配慮の光景だった
 
高度経済成長が波及する以前には
子どもを連れて近くの川で洗濯したり
自給自足経済が
まだみどりの表情で生きていた
それから
消費経済が増殖し
波及し 波及して
変貌してしまった
現在の表情がある
 
(これらは
善悪を超えた
にんげんの
時間の泳法であるか
・・・
そうなのかもしれない)
 
畑の際に今も残っている
お茶の木
お茶の葉を摘んでいる
わずかばかりだけど
お茶に煎(い)って
飲んでいる
 
昔を懐かしんでいる
わけではない
畑の際にあるから
なぜかここ数年
茶を摘みお茶を作っている
(ああ あの熱い茶葉を揉(も)む
いい匂いがするんだよなあ)






詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6152-6155

2024年04月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6152
目をつむる
重力を振り切って
するりと脱けていく



6153
人の匂いが少し薄くなる
ということは
いちいち否定の背を押す重力もかからない



6154
頂き女子りりちゃんも
頂かれた人々も
まあ いいじゃないか



6155
でも負のことばの人
負の世界
を旅する者たちは つらいね


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6148-6151

2024年04月29日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6148
日々忙(せわ)しなく追いまくられて
時代の圧に
倒れた者たちもいただろう



6149
けれどこの変貌の光景は
半ば以上は
人間的必然のものと言えそうだ



6150
今日も風に煽(あお)られて
バタリバタリと
無念の木の葉が落ちる



6151
(ああしていれば良かったのに)
(それを拒めば良かったのにな)
風には無念の言葉たちが溶けている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6144-6147

2024年04月28日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6144
畑の際にはお茶の木が残っている
小さな山林には
待ち兼ねた大きな杉の木もある



6145
時代が 社会が
大きく変貌してしまった
が旧時代の配慮は今も残されたままだ



6146
高度経済成長期が
消費経済を蔓延・増進させ
自給自足的な衣装をはがしてしまった



6147
内に焚き付けられ走っている内に
ミシミシミシと
人も地域も社会も変貌してしまった


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6139-6143

2024年04月27日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6139
昨日 畑の際にある
ひとかたまりのお茶の木の
新芽を摘んだ



6140
初めに 予定とは違って
二時間ほど
畑の際の草刈りをしてしまった



6141
新芽をひとつひとつ
お茶の葉以外のことは
ほとんど考えることなく一時間ほど摘んでいた



6142
夜 大きなフライパンで
お茶の葉を煎(い)った(いい匂い)
揉(も)んだ(あっちっち)煎った



6143
ずっとほったらかしていたのに
ここ二、三年お茶の葉を摘んでいる
40gほどのお茶になった


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6135-6138

2024年04月26日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6135
この世界の重力下
抗う気持ちは沈めて
時にはらんらんらんと駆けていく



6136
急に近づいて来た仮想世界みたいな世界
いさかいや硝煙や・・・(遠くて近いな)
僕の中で無にできるわけはないが



6137
誰もが散歩やショッピングや
花見や・・・
らんらんらんと楽しんでいる



6138
たぶん先の戦争中でも
現在戦火の中にいる人々も
笑ったりキーウの桜を眺めてらんらんらんしている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6131-6134

2024年04月25日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6131
働きかけると返ってくる 人の感じ考えは
次第に深みを現す自然
と対応して深まるだろう



6132
もちろんひとりの感じ考えは
小さい
忙(せわ)しなく動き回るアリさんみたいだ



6133
それに人の感じ考えには
たぶんそこまでしか行けない
時代性の限界はある



6134
それでも振り返ると
世代の無数の連なり
が少しずつ限界を越えていく


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6127-6130

2024年04月24日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6127
例えば素手の人力では
1トンの重量を
持ち上げるのは無理だろう



6128
人の身体の機構からくる
自然な
限界がありそうだ



6129
素手のスポーツは
どこかで
限界点に達するように見える



6130
人の感じ考える限界点は
死の手前では
果てがないほど深い?


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6123-6126

2024年04月23日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6123
人間の限界点を押し上げる
スポーツのように
感じ考える人の限界点も押し上げられるか



6124
ワープ航法とは違って
毎日毎日
同じようなことをくり返し 穴を広げ


6125
ある時誰かがふと突き抜けた
ことに気づく
そんなことがありそうだ



6126
それから踏み越えた限界点は
限界でも何でもなく
みんなが自然にそこを踏みしめて行く


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6119-6122

2024年04月22日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ


6119
どんな対象もひとつの総体
として生き立っている
としても向けられた視線の方に顔を向ける


6120
例えば 家や敷地に住んでいる人がいて
そこを眺め通り過ぎる人がいて
また不動産業者の視線で見る人がいて


6121
対象と交差した
いろんな物語の断片が
視線の中をさらさら降っていく


6122
それぞれの視線から
それぞれが中心に座り
対象は隅の方にひっそり控えている